2018年12月2日日曜日

鎖場で必要な腕力

四阿屋山のつつじ新道敗退に関連して。

ジムで上半身を鍛えながら思ったのだが、どれだけの腕力があれば余裕をもって垂直に近い鎖場をこなせるだろうか?
理想を言えば、「片手でも体重を支えられる」力があれば充分だろう。

妙義山の墜落事故などの話を調べるに、
岩角が削れて足をかける事が出来ない割に鎖が長くて。
最初は余裕のようでも、途中で腕が痺れて体重を支えられなくなってしまうのだとか。

足をかけられる岩角がない、足で立つことが出来ない、足で体重を持ち上げる事ができない、腕力で鎖をたぐらないといけない。
そういう前提で考えたとき、具体的にどれほどの腕力が必要なのか。
ちょっと考えてみた。



汚いノートへの走り書きで恐縮だが、意図は伝わるだろうか。
岩壁に対して身体を垂直に保ち、しかし足の裏は岩壁にあてているだけと仮定する。
その時傾斜角(岩壁ではなく、鎖の)に応じて自重(体重+装備)がどのようにベクトル分散されるか、の思考モデルになる。

なにぶん私は高校生の頃から数学も物理も大の苦手で。
「他にも考慮すべき要素があるだろう」とツッコミも入りそうだが。
ここではどの程度の腕力が必要かのおおよその目安を求めるためのものとして勘弁願いたい。

重力方向に生じる自重の方向を100とした場合、
腕にかかる荷重aと、岩壁の方へ分散される荷重bとを求める。
ピタゴラスの定理ね。
5度刻みでざっと計算してしてみた結果を表にしてみる。


傾斜角
3086.650
3581.9257.36
4076.664.28
4570.7170.71
5064.2876.6
5557.3681.92
605086.6
6542.2690.63
7034.293.97
7525.8896.59
8017.3698.48
858.7299.62
891.7499.98

30度の傾斜で50、つまり100kgの自重に対して50kgの荷重に耐える腕力が要る。
そう聞くと「え?そんなに?」と思えてくる。
現実の岩には多少はつま先をかける凹凸があったり、また靴底の摩擦力も0ではない。
それらを利用して身体を立てて、足へもっと自重を逃すことで腕への負担を軽減できるからだろう。
それ故に、つま先をかける凹凸がなかったり、靴底の摩擦力を生かせない急傾斜になってくると途端に難しくなるのか。

上記の計算上では65度の時点で90を超える。
計算上では垂直と1割しか違わない。
ならば70度の傾斜をみて「垂直」と表現したくなる心理も故なしというわけでもないな。

それはさておき。
ジムで腕力を鍛えるマシーンを使ってみると。
両腕を使っても自分の体重の半分がやっとなのだ。
最初は良くても30秒・1分と続けると腕が痺れてもう持たない。
今後根気よく鍛え続けたとして、「片腕で自分の体重を支えられる」境地には、なかなかちょっと、想像出来ない。

となると腕力はもちろん鍛えるにしても、それだけではなく。
小さな岩の凹凸や亀裂を手足を使って登るクライミングの技術はやっぱりある程度は必要なのだろう。
となると、ボルタリングジムとか?
うーむ。

サボらずにジム通いは続けるにしても、そっちをどうするのかは、ちょっと保留にさせて欲しい。






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