2020年12月29日火曜日

2020/12/29 藪とシャブ@三浦アルプス下沢尾根

0813 池袋 湘南新宿ライン逗子行
0922 逗子
0930 逗子駅 逗26湘南国際村センター行
0936 川久保
※川久保への次のバスは無い。逃した場合は下記バスに乗り、長柄交差点から800m歩き
0935 逗5横須賀市民病院行
0945 逗15衣笠駅行

◆登り
川久保バス停~森戸林道~下沢尾根~南尾根~ソッカ 約80分

◆昼食
ソッカで昼食

◆降り
ソッカ~仙元山~葉山教会~風早橋バス停 約40分

◆帰り
風早橋バス停~逗子駅




友人と軽くメシ登山。
三浦アルプスの森戸林道から下沢尾根を登って南尾根へ上がるルート。
の、つもりだったのだが……



森戸林道に入る


この車の停まっているすぐ先がゲートになっていて、一般車両はその先に入れない。


林道とはいうが、すぐに道は細くなり、車両が通れる道ではなくなる。



下沢尾根へのとりつきはここだな。
地形図では途中まで破線が引かれている。
その先に実際は道が続いているのだろう(と、この時は思った)
道の入口にとおせんぼの印として木の棒が横たえてある。

(※この2枚の写真は後で言及するので覚えておいてください)


沢沿いの破線へ、はっきりした道を入っていく。


ところが倒木と藪が急に濃くなる。


写真には写っていないが、堰堤があり。
その上に立っている。
ここで少し悩む。
地形図を見るに、下沢尾根に上がるためにはここを右手に登っていかねばならないはずだ。
だがそちらの踏み跡は……あるといえばあるのだが、異様に藪が濃い。(写真右半分の正面)
一方堰堤を降りて沢沿いに行けばまだしばらくは道が明瞭そうだ。

まず堰堤を降りて沢沿いに進んでみる。
30m程進むと急に地面が柔らかくなり、それ以上は踏み固められていないように見える。
またそれ以上沢沿いを進むと谷にはまって急峻な右手の斜面を登れるようにも見えない。

堰堤の場所まで戻って、異様に濃い藪の踏み跡をたどっていく。


最初はそれでも藪をかき分ければ、地面に踏み跡がみえていたのだが、



斜面の傾斜が強くなってくると、踏み跡も見えなくなる。
急傾斜の柔らかい地面に倒木が横たわり、ゆっくりと慎重にのぼる。
ただわずかに人間が通行した痕跡はあるといえばある。

この時点で道間違いを確信していた。
『新バリエーションハイキング』の基準でいえば、こんな場所をルートとして紹介するはずがない。
ただ情報が古い為、紹介した後に道が荒廃した可能性も……完全にゼロではない(まあ、ありえないけど)のと、また地形図を読み・現地でルートファウンディングするに、
「下沢尾根の尾根上に上がってしまえば確実な踏み跡があるはずだ」
「ここの斜面も場所を選べば尾根上まで上がることは可能だろう」
と判断して強行している。



尾根上が見えてきた。
慎重にすすむ。



下沢尾根の尾根上に上がれた。
案の定、しっかりとした踏み跡が南北に続いている。
これだけしっかり踏み固められているルートが、いま登ってきたような斜面とひと続きのルートであるはずもなく。
やはりどこかで道を間違えたのだろう。


下沢尾根を南へ進む。
歩きながら左手の沢から上がってくる道がないか注意していたが、それらしきものは無し。
すると……私たちが尾根上に上がったポイントよりも北側に本来のルートがあったのだろうか。


主コースの一つである南尾根にでる。
ここから西へすすみ、ソッカで昼ごはんにするつもりだった。

ソッカの山頂では林業者?作業者?が木を切ったりして作業していた。
ソロの高齢男性が作業者に
「この踏み跡を北に降りるとどこに出るのですか?」
と質問し、
「いえ、どこにも通じていません。私有地ですし勝手に立ち入らないでください。好き好んで道なき道を行く人も居るでしょうけれど。」
と辛辣な回答をもらっていた。

世間一般では、知らぬことを人に聞くのは恥ではない、と考えられているが。
自己責任の部類である登山に関しては「人に尋ねてはいけない」事もあるし、「その人に尋ねてはいけない」対象もいる。
地図を見れば川久保か森戸川へ降りていくことは見当がつくだろうし、人に聞かねばそれが分からないような人にはその道を歩く資質が無い。
また仮にその作業者が親切心から教えて、それに従って本来のハイキングコースではないルートで遭難したら誰の責任になるのか?
そう考えたら山で仕事をしている人が不案内なハイカーに迂闊なことを言えないのは当然だろう。
仮に同じハイカーである私に尋ねたのならば、私なら
「私は歩いたことないですが、おそらく川久保に降りるはずですよ」
と答えただろう。
それで彼が遭難しようが私の知ったことではない。
彼自身の自己責任であり、ハイカー同士の問題だ。
だがその山で仕事をしている作業者が教えたとなればそうはいかない。
だからその意味でも聞くべき対象を間違えている。

さて。
山頂の平らな場所でお昼の準備をしていると、くだんの作業者がやってきて言う。
「この場所は地主の意向で火気厳禁だ」と。
ふむ……
正直に言えば、内心不快だ。
火事を気にしているのは当然だろうが、こちらは不心得なキャンパーなどではない。
なにも裸火を使うわけではなくガス缶とストーブで鍋を沸かすのだ。
土地所有者がハイカーが立ち入る事によるあれこれを快く思わないというのは珍しい話でもないが。
だが、だったらなぜこの場所の西面を伐採して江の島や富士山の展望を良くし、ベンチまで作っているのか。
とはいえ確かに私有地をよそ者が立ち入る権利があるでもなし、好意によって通行を黙認しているような状態ならば……地主の意向とあればおとなしく従うべきだろう。

と、同時に色々と合点がいく点もある。
休憩適地が乏しい三浦アルプスにあってこの場所、ソッカないし189ピークと呼ばれる場所はかなり好展望かつ休憩適地なのだが。
『新バリエーションハイキング』でもヤマップと京急の地図でも、不自然なほどにこの場所について言及がない。
紹介が一言くらいあってしかるべき場所なのに、何も無いのだ。
色々問題があって、この場所についてコメントしずらい事情があったのだろうか。


結局仙元山まできた。
家族連れで賑わっている。
ここでお昼にしよう。


今日はしゃぶしゃぶ。
野菜と薄切り牛肉と刺身盛り合わせ。
ぶりが欲しかったのだが、昨日スーパーにもうなく、刺身盛り合わせを買ってきた。
締めはラーメン。


あいにくと曇り空で江の島よりも先は見えなかったが、風もなく暖かな陽気でのんびりと過ごせた。


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下沢尾根のとりつきについて。
帰宅してから『新バリエーションハイキング』を読み直す。
139pから引用する。
「森戸林道の目標番号20番から山道をたどって下沢尾根に取り付く。設置ロープで110㍍圏のコブに乗り、尾根伝いに南に進む。」
短い文章だが、地形図と照らし合わせるとなんとなく見えてきた。

我々は沢沿いの道に入り、沢筋から斜面にとりついて、110m圏のコブの南側の鞍部に上がったのだが。
そもそも地形図の破線に従って沢沿いに入ったのが間違いで、たぶん尾根沿いの踏み跡があったのだろう。
写真を見返していて思ったのだが、

この赤丸つけた場所。
気づかなかったというか、木の枝を横渡しした道に気を取られていたが。
ここから尾根筋に取り付けたのではないか。

我々の強行した青線の斜面ではなく、赤線のあたりに本来の道があったのではないか、と。

おそらく我々の強行した斜面にわずかに残っていた人の通行した痕跡は、同じように間違えて・しかし同じように「行ける」という判断で強行した人のつけた痕跡だったのだろうと思われる。

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ソッカ・189ピークについて

調べたらこういうものが見つかった。
あえてリンクは張らないので、気になる方はURLコピペで確認を。
基本、善意の人たちなのだろう。
だが善意で何かを進める以上、調整対象である権利者・関係各所の意向を優先せざるを得なく、ハイカーに対して厳しい事も言わねばならないのだろうと理解する。

https://www.futagoyama.org/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E6%B4%BB%E5%8B%95/%E3%82%BD%E3%83%83%E3%82%AB%E5%B1%B1%E9%A0%82/

https://www.facebook.com/mtsocca/


2020年12月27日日曜日

2020/12/26土 山納め@明神ヶ岳

0635 バスタ新宿
0835 乙女峠 1880円

乙女峠バス停(795)
↓1:45
金時山(1212)
↓3:10
明神ヶ岳(1169)
↓2:05
道了尊バス停(300)
※コースタイムは山と高原地図
※道了尊バス停から大雄山駅行の最終バスは17:23
 それを逃した場合、駅まで約3kmの歩き



年内最後の山はバスタから


東名山北バス停はこの位置。
糖尿病治療中(今もだけど)に敗退した高松山に再度挑むなら、ここからスタートの方が鉄道&路線バスよりも早いかな。

東名高速に乗ることはほとんどないのだけど、
富士山と手前の山との眺めが変化に富んで飽きない。



乙女峠バス停で下車。
少し林道に入った所で支度。


林道をすこし歩くと登山道の入口がある。


ほどなくして乙女峠にあがる。
御殿場の街と富士山の眺めがいい。
私は北(山梨)から眺める事がおおいが、こちらからみる富士山は端正な末広がりを見せて美しいな。


日影は霜柱が張っている


長尾山のあたりは平だが、その先で下りにはいる。


西から金時


時折風に乗って硫黄の臭いが仙石原の方から流れてくる。


山頂が見えた。


久しぶりの金時山だ。
すこし雲がかかってしまった。


神山~富士まで


芦ノ湖を見下ろす崖のへりで休憩。
スコッチのお湯割りとおにぎりを4つたべる。


東へ


下りはじめてすぐに、小田原の街がみえる。


続いて仙石原を見ながらくだる。
以前来たときよりも道の状態は良くなっているような。


笹藪を割ったみたいな登山道。



矢倉沢峠まで降りてきて金時を振り返る。
ベンチに座ってしばし休憩。
膝がどうも、ね。
先月の小金沢連峰からこっち、なかなか膝が万全の状態に回復しないんだ。
歩き方は気をつけているし、痛むとこまではいかないのだけど。
膝が痛み出すのを100とするならば、
常に20くらいのダメージがのこっていて、山を歩いていると50くらいにまで行ってしまうような。




ではさらに東へ。
背の高い熊笹に囲まれた、とても箱根らしい道だ。
金時山はファミリー登山者も多いが、矢倉沢峠からこっちはトレランの人が多い。


金時を振り返る。
はて、あんなところに駐車場があっただろうか。



迷宮のような道が続く



946ピーク
道がぬかるんで少し滑る。
箱根の山道の特徴をもう一つあげるなら、こういうぬかるみかな。

4年前に歩いた湯坂路などもっとひどかったっけ。



988ピークの北側を巻いて、東にでると、明神が岳への登りが見えてくる。


これを登っていく。
本日最後の登りだ。


後ろを振り返ると金時と富士が重なっている。
金時山って結構すごい形をしている。
東西からなら普通に登れるが、北の足柄峠からの登りは……結構無茶な斜度をしている。


所々荒れた道を登っていく。


途中に北面がひらけたところがあった。
神奈川県の1/6を占めるという巨大な丹沢山塊が一望できる。
さらには奥多摩や大菩薩の方まで見える。


あと少し、あれが明神ヶ岳か。
確かに地味な山頂だ。


一番高い所よりも30mほど東へ進んだところに山頂標識とベンチはあった。
南から西への展望がすばらしい。


金時と富士


芦ノ湖と外輪山の向こうに愛鷹山


箱根神山と大涌谷の噴煙

ベンチに座ってじっくりと休む。
足がくたびれた。膝もね。
今日はおにぎりばかり10個買ってきた。
10個は多すぎたな。1時間につき1個でも十分なくらいだ。
ややぬるくなった魔法瓶のお湯でスコッチのお湯割りをたのしむ。
冬の日帰りでは1Lくらいのお湯は使うが……1Lの魔法瓶だとどうしても後半ぬるめになってしまう。
魔法瓶自体は大きな奴の方が保温性能は高いのだが、一気に全部使うのでなければ分けた方がいいのだろうか。
500mlのを2本とか。
重くなるなあ。


明神ヶ岳から東へ進むとすぐに分岐の標識と、眼下に小田原が現れる。


最乗寺への下りは所々荒れている。


林業者が伐採をしている脇を通る。



荒れているといえば荒れているが、歩きにくいだけで危険なタイプではない。


途中、大山をみたり


小田原をみたりしながら下っていく。
けれどぬるっと滑りやすいのはちょっと厄介。
下山後に温泉の予定がなくとも、着替えは持っていた方がいいかもしれないな、箱根は。


半分以上下ってきた。


明神ヶ岳見晴小屋なる建物。
道志の女の子のチラシがここにも。


中はこのありさま。
避難小屋だったのだろうか。


小屋の前にはベンチもあるのでここで最後の休憩をとる。


林道をよこぎり、


まだまだ荒れた道は続く



2つ目の林道を横切る。


ようやく最乗寺の石段にでた。


とりあえず荷物を片付けてマスクをだす。


小川を挟んで最乗寺。
曹洞宗のお寺だが、相当に古い格式のあるお寺さんらしい。


門前の道路にでる。


ちょうど1分前に16:15のバスが行ってしまったところだ。
次のバスは16:50。
駅まで3kmほどなので、次のバスが来るまでに歩いていけそうではあるけれど。
膝がしんどいのでもうここで休みながら待つとしよう。


西武ライオンズのマークの車体がやってきた。
伊豆箱根バスは西武の系列なんだね。
都内ではもう見かけないややレトロなつくりの車両だった。
私一人の貸し切りかな?とおもったら。
発車間際にぱらぱらと5.6人やってくる。
みんな最乗寺かその周辺の茶屋とかで働いている人っぽい。


大雄山駅の前はわりとにぎやかな街だった。


大雄山鉄道は初めて乗る。


乗り換えの小田原駅で酒とつまみを仕入れて、グリーン車で乾杯。
今日もよく歩いたけど、膝がどうにも心配だ。