2018年7月15日日曜日

2018/7/14土 御前山(藤倉ルート)

2018/7/14土 御前山(藤倉~湯久保山~御前山~奥多摩湖)

0622 新宿 中央特快高尾行
0648 立川
0657 立川 青梅線五日市行
0734 武蔵五日市 799円
0739 武蔵五日市駅 西東京バス 五18藤倉行
0827 藤倉 750円

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三連休である
天気もいい
本当ならテントを背負ってどこかちょっと遠い所へ二泊三日の旅に出る所だけど
仕事のほうが切羽詰まってそれどころではない
でもまあ、全く出かけないのも精神衛生的に良くないかな、と
一日くらい、軽めの日帰りなら良いでしょ

ではどこにしようかと地図を眺めてみて
はて、そういえば……
山登りをはじめた頃から奥多摩の山はさんざん登ってきたけど
奥多摩三山と呼ばれる大岳山・御前山・三頭山のうち、御前山だけはまだ登った事がないのを思い出した

なぜかといえば
大岳山は隣の御岳山までケーブルカーがあるし、三頭山は標高1000mの都民の森までバスが入る
御前山だけそういう「ズル」がなく、初心者の頃には手が出せなかったのだ
山に慣れ、丹沢の塔ノ岳(標高差1200m)が登れるようになってからも、なんとなくその頃の苦手意識が残っていてそのまま機会がなかった
今回はこの宿題を消化しよう

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三頭山がそうであるように、御前山も北面が「都民の森」として森林公園のように整備されている
だから青梅街道の境橋バス停から、北面を登ってくるのが一番のメジャールートになる
ただそういう人の多いのは好みじゃない
南側の北秋川側からのぼって、西の奥多摩湖・小河内ダムへ降りるルートを取ってみたい

北秋川方面のバスはホリデー快速から接続がなく(浅間尾根の記事参照)、そのため少し早めに自宅を出てきた
前回の三ツドッケのこともあり、電車の中で「いい加減新しい地図を買うべきか」と観念して2018年版の奥多摩地図を購入ダウンロードする

早速購入した地図でバス停の場所を確認する
一番確実な実線ルートである小沢バス停から登るつもりで居た
ただ小岩バス停からの破線ルートである尾根通りも面白そうだな、と眺めていてふと気づく
この尾根通りのルート、藤倉からも登れない?
いや、むしろ、地形を見るに藤倉からの道があってしかるべきに見える

国土地理院地形図をみると、確かに藤倉からルートがある
地形図は情報が古く、熊倉山などこれまでも何度か「とっくに廃道化している」「ルートが付け替えられている」といったケースもあったが
ここ・この地形に関しては今もルートがあるだろうという確信がある

私の確信などより守屋地図を見れば早いのだろうけど、あいにくと藤倉の載っている「奥多摩西編」は自宅に置いてきていて、手持ちは東編しかないもので
ともあれ、奥多摩へ向かう電車の中で、藤倉からのルートに急遽変更だ



 五日市駅で藤倉行きのバスに並ぶ
ホリデー快速到着後ほどではないが、それなりに列は並んでいる
バスの座席が全部埋まった程度には乗客がいた
そのうちの多くは千足で降りた
たぶん団体さんで、大岳山に登るのだろう



 終点藤倉バス停
北秋川の最奥の集落
ここまで来たのは私を含めて4名
だが私と同じルートに来た人はいない



 西東京バスの北秋川方面はこの藤倉バス停が終点だが
この先まだしばらく車道は続き、上白岩という山上集落まで通じているらしい
そちらの方までは檜原村の運営するオンデマンドバス(要望のあったときだけ走らせるバス)があるらしい



 きれいなトイレがあったので用をたし、さて出発
藤倉からのルートに若干の不安があったので、他の方のブログをみて予習はしてきている
この正面のロッジ風建物の手前を右にあがるはずだ




もちろん地図でも確認する
こういう時は登山地図は役にたたない
市街地図がいる



 ロッジの脇を登っていくと



 住民用のモノレールがあった



 随分急斜面を登っていくな
あー、地形図に引かれている妙な曲線はこれか



 Vの時カーブ



 からさらに登っていくとここにでる
舗装路は右手に続いていくのだが、ここ!
予習してきたので間違えないよ、ここを左



 左を向くと民家の庭先に入るようだけど、ここを入るんだ




場所はここね



 その入った最初の民家の前を今度は右手に折れると次の民家の裏に出る
ここから今度は左に折れる



例のモノレールの終点がある



 モノレール終点のすぐ先、お地蔵様が並んでいる
向かいの山の中腹に民家がいくつか見える
あれが上白岩の山上集落だろうか



 ともあれここからようやく山道に入る
南面の急斜面を登っていくが、まだ9時だというのに陽射しが強い
ゆっくり歩いていてもスタミナを削り取られるようだ



 南を向けば少し前にあるいた浅間尾根
暑くなりそうだ



ようやく尾根筋に乗ったかな



 貯水槽の手前、水場がある
強い陽射しに当てられて参ったところにありがたい
(水分摂取300ml)



 このあたりは桜の木を植えたばかりらしい
と、その先にみえるのは??



 蛇口だ
ちゃんと水が出る
周囲に民家も畑も施設もないのに水道だと……?
飲んでみるとごく僅かに砂が混じっていて、上水道ではないのがわかる
またここは尾根上でここより高い場所は周囲にない、つまり自然の湧き水でもない
してみると、麓のほうから井戸水か沢水をポンプで増圧かけて届けているのだろうか
たしか”宝くじの収益金で桜の木をどうとかこうとか”とかいてあったような気がするので
植樹の際にあわせて作った水道なのだろうか
(水分摂取500ml)



 ともあれここには簡素だがベンチもある、休憩にしよう



 サンドイッチを食べ、ポカリ500mlを飲みほす
空いたペットボトルに水道の水を詰めておく
(水分摂取1000ml)

強い陽射しに参っていたが、ここは日陰で涼しい風が流れる
正面に浅間尾根がみえ、なんとも気持ちのいいところだ




その休憩場所はここ





いつまでもいたい場所だったが先は長い
十分休んでから出発
ここからは木陰の尾根歩きでいくぶん快適



 間伐したあとの植林の下に、広葉樹の若木が育ってきていて
理想的な複合林



 そろそろだ
小岩から登ってくる尾根通りと合流するはずだ、と右側を注意して歩いていたのだが



 それらしい合流点がないまま、897ピークに着いてしまった
おかしいな?



 いや、あった
897ピークのすぐ東側に合流点があった



 だが小岩側の道を覗き込むと、踏み跡が随分と不鮮明じゃないか
藤倉からのルートの方がよっぼどわかりやすいぞ(※1)



 もうじき湯久保山だ、というあたりで
尾根上だった道が左に逸れだす




左に逸れはじめたとき、尾根上を行く踏み跡もあったのだ
ただそっちの踏み跡は細く、左の踏み跡は明瞭だったのでそのまま来たが
これってこのまま進むと湯久保山の西面を巻いてしまわないか?



 強引に尾根上に復帰する
うん、踏み跡ははっきりしている



 と思っていたのだが
湯久保山が近づくにつれ、踏み跡は不明瞭に(※2)



 湯久保山到着
簡素な山名標識はあるが、ここは特になにもないところ
尾根通りから御前山へ向かうなら、あえて登る理由はないかと
西側の巻道?を使ってよかったかかな(※2)
ともあれここで二回目の休憩
汲んできた水を飲み干す
(水分摂取1500ml)



湯久保山から東へ下ると、実線ルートである湯久保尾根に出る



本日初の標識




御前山へつくのはお昼をすぎるかな



北へ、御前山へ向かう
「私が通らなかった、湯久保山西側の巻道?が合流する場所があるはずだ」と左側に注意しながら歩いていたが、なんとちゃんとした標識があった



藤倉(道悪し)
Fujikura(Rough terrain!)
とある
知らない単語だったが「地形」という意味らしい(※2)



御前山へ向けてモクモク登る
直射日光は当たらないとはいえ、高温はこたえる
拭いても拭っても額から汗が玉になり落ちてくる
首に巻いていた長いタオルが重くなり、雑巾のように絞るとすごい量がしたたる



尾根沿いだった道が右に逸れ出す
だが尾根上にも踏み跡は見える




御前山の山頂に直に登る踏み跡だろうか(※3)
このあたりで麦茶のペットボトルを飲み干す
(水分摂取2150ml)



御前山の東西に走る稜線が見えてきた



その尾根に到着



都民の森として整備されているので、標識類はごく短い間隔でたくさん建っている
山頂へ行く前に、避難小屋を見ていこう



御前山避難小屋
数ある奥多摩の避難小屋の中でも最もおしゃれな造りだ
なかでは夫婦がお昼ごはんを作っていたので、写真は遠慮した
そして藤倉を発ってから、本日はじめて人に出会ったよ

地図ではこの周辺に水場があるはずだが、これが分からない
小屋の左手に地面を濡らす程度のごく細い沢が流れているが、これのこと?
汲めるような水量でもないし、人の多い山頂から落ちてくるので飲みたくはないなあ


(7/16追記)
水場について他の人の記録などを漁る
この小屋の左手の沢をちょっと登ると、パイプから水が出る水場があった?らしい?
らしいというのは、最近にこの水場を利用したという記録が見当たらない為
もう何年も前に、ここの水から基準を超える菌などが検出され、飲用不適・どうしても飲むなら煮沸が必要という事になったようだ
理由は私が懸念した通りで
沢山の登山者が山頂でお昼休憩時にもようして、山頂を外した茂みで用を足す為らしい
特にカタクリの時期などはツアーで大勢が押しかけるらしく、避難小屋のトイレだけではさばききれないらしい
せめて水場とは逆の山頂南面側でやれよ……とは思うんだが



看板のところまで引きかえし、山頂へ向かう



御前山山頂に到着
流石に休んでいる人が多少はいるが、それでも人は少ない
大岳山や三頭山の賑わいとは比較にならない静かさ
なにより大岳山も三頭山も素晴らしい展望だが、ここは樹木に覆われていて何も見えないのだ



それでも奥多摩三山の一座
山頂標識は最近の御影石のやつだ

後ろのベンチに座ってお昼ごはんにする
おにぎりを食べ、コーヒーを飲むが……虫がまとわりついてき煩くてかなわない
早々に出発する
夏の低山だから仕方ないね
(水分摂取2500ml)


御前山から西へ



やけに警告色な標識



整備はされているものの、やや荒れ気味
赤土が露出して少し滑りやすい
慎重に降りる



さらに西へ、隣の惣岳山へ



惣岳山
展望がないのは御前山と一緒だが、こちらのほうがこじんまりとして落ち着いた感じを受ける
……あの、最近の御影石の立派な山名標識ね、正直少しうるさく感じる
雲取山くらいの名山ならば釣り合いは取れるけど
小さな山の頂には似合わないと思う
このシンプルな一本杭の山名標識くらいで十分だと思うんんだ
あるいは以前の東京都の、長さの違う三本の杭のやつ、あのくらいでいいよ

でも普段あまり山に登らない人が、苦労して登った山頂で記念写真を撮るならば、
あのくらい立派な方が良いのかな




今日は小河内ダム・奥多摩湖バス停へ降りる
境橋に降りた所で、奥多摩駅まで歩ける距離ではないことに変わりないし、あそこは時間を潰せるようなところが何もないので

しかし約4kmで標高差800mを降りる
コースタイムは1:30
なかなか脚に堪えそうな急降下になりそうだ



少し滑りやすい土の急降下
踏み跡はジグザグに踏まれているのが救い



枯れはじめのバイケイソウ



初夏には白かったはずの花が、徐々に葉や茎と同じ緑色に変色していくんだ
それは知らなかったな



高い木の枝の先にあじさいのような花が……
いや、これあじさいだよね?
高い木に育つ品種もあるの?



急降下が一段落すると広い尾根になり



その先の僅かな登り返しを登ると



展望台だ!



奥多摩湖が見下ろせる
右端には今日のゴール地点の小河内ダムも見える
正面にせり出した倉戸山、そのうち登ろうと思っているが、
検討している東面のバリエーションルートはかなりの急斜面だな



展望台の後ろに電波施設が建っているのだが
フェンスの内側がなぜかトラノオのお花畑になっている




地図にはかいてなかったが、この展望台がサス沢山のことだった



小河内ダムへ向かって下る
最初のうちはそれほどでもないが



最後の方では滑落の警告が出てくる
奥多摩湖にせり出した尾根の先端であるからして、
その先端部が急斜面なのは予想できる



ロープがはられていはいるが、ロープを掴んで直線に上り下りすると土がえぐれて流失してしまう
少し離れた左側にジグザグの踏み跡がついているので、そちらに従う



降りてきた道を振り返るとこんな感じ



尾根の先端には「頂上広場」があった
ダム側で整備しているものだろう



頂上広場から見下ろすとこんなかんじ
ダムに貯まる水の重量感が感じられる



ダムの上をあるく
広い



ダムから下を見る
今まで小河内ダムなんて、鴨沢方面に行くときの通過点くらいにしか思っていなかったが
こうしてみると結構山深い急峻な場所なのだな
もちろんそういう場所だからダムの建設場所に選ばれたのだが



小河内ダムは観光地でもあるのでトイレなどの施設は大きくて快適
洗面台に水を張って首から上を全部洗う
幾度も汗を絞ったタオルもよくすすぎ、荷物を整理した

さて、奥多摩湖バス停だがこの時14:45
すぐ後ろにある資料館によっていこう



と言ってもダムについての学習をしたいわけでなく
目当ては3階のこのレストラン



ああ、ビールが旨い
御前山の山頂で手持ちの水分を飲み干してしまったので喉が乾いたのだ
あてにしていた水場がなかったからな
(水分摂取3200ml)
もちろんそれでも下り2時間くらい給水せずとも問題ないという判断で、手持ちの水分を飲み干したのだけど



清流定食(1100円)
ニジマスとイワナの天ぷらがついてくるのがうれしい
おちついて見ればこれで1100円は高いような気もするが、まあ観光地の飯だ、文句は言うまい
イワナの切り身を畳んで大葉を挟んだ天ぷらがなかなかうまかった


15:55のここ始発のバスで帰るつもりだったが
思いの外注文がすぐに来たので15:23のバスに乗れた
奥多摩駅まで17分だから座れなくてもいいやと考えていたが、座れた
小菅からくるバスで、留浦によらないバスだったので空いていたのかな

その体臭で中央線に乗るのはどうなのよ、というほど臭ったので
おとなしくもえぎの湯に寄っていく
心配した待ち時間はなくすぐに入れたが、中は混雑していてのんびりくつろぐには程遠い
最後のホリデー快速6号の時間にあわせて、早めに出てきた
出てきたときにはもう、入場制限・整理券配布になっていた

奥多摩駅近くという好立地で登山者のみならず、すぐしたの氷川キャンプ場でバーベキューや川遊びの人も寄るので、冬以外の休日の夕方は非常に混むのだ
ニーズがでかいわりに小さな温泉施設で
私はあんまり好みではない
駅周辺の他の旅館・民宿・料理屋などでも「日帰り入浴」の看板を出している所もあるが、実際にやっているのかいないのかがよくわからんのだ
そのせいで皆、町営の温泉施設に集中してしまうのだよな

温泉に入る前と出たあとでもジュースをのみ、奥多摩駅のホームでもペットボトルのお茶を二本買って飲んだ
結局摂取した水分量は5000mlを超えただろう
今日はほんとに暑かったなあ



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7/16追記
帰宅してから守屋地図を確認

やはりというか、藤倉からの道は紫実線ルートの扱いだった
尾根上の踏み跡は深くへこみ、昔から多くの人が歩いた道であることを思わせる
水道のあった場所も「展望良」と紹介している
なぜこんないい道が乗っていないのだろうな、昭文社は

(※1)小岩からの尾根通りについて
守屋地図では藤倉からのルートを紫実線としている一方で、小岩からの尾根通りは(荒廃)として昭文社とは逆にこちらを案内していない
また897ピークの先にある分岐からは通行困難とも

(※2)湯久保山と西側の巻道について
西側の巻道を紫実線として、湯久保山へ尾根筋に直登する踏み跡は黒破線としている
これも私の実感とも一致

(※3)の場所
尾根を直登する踏み跡をみて、最初は山頂への道かとおもったが
実際山頂には南側から行き来できるような踏み跡はなかった
こちらも守屋地図では行き止まりとしている


こうして実際に歩いて現地を見て、地図と答え合わせをすればするほど、守屋地図がいかに信頼に足るものかと実感する
できれば3年か5年に一度くらいでいいから、再調査した改定版を出してほしいものだ