2021年5月30日日曜日

2021/5/29土~30日 新しい靴@雲取山

新しい靴を買った。
モンベルのテナヤブーツ。ワイドサイズの27.5。

BOAフィットシステムという、ラチェットの組みこまれたダイヤルをチキチキと回してワイヤーを締めるタイプの靴だ。




10年以上も前になるだろか。
突然思い立って山登りを始めるにあたり、まずABCマートに行ってホーキンスのトレッキングブーツを買い、ユニクロに行きウィンドブレーカー(冬だったので)とザックを買った。
ホーキンスのはCWニコルさんがTVCMをやってたやつで印象にのこっていたのだが、1年と持たずに靴底に穴があいた。
単なる柔らかいウォーキングシューズをミドルカットにしただけの靴だった。
ウィンドブレーカーは中が汗でびしょぬれになり、陽の落ちて急速に冷え込む山際のバス停で凍えてしまった。
ザックだけが10年以上経った今でも現役だ。
あの頃のユニクロはちょっと考えられないような高品質の商品があった。

まあそれはさておき。
その一件で「靴はちゃんとしたのを買わないとだめだ」と気付いて、初心者向けの定番・かつ甲高巾広な日本人の足向けというキャラバンのC1-02を買ったのだった。

3年ほど経って履きつぶした時、次もC1-02を買った。
もっとたくさんの靴があるのは把握していたが、キャラバンよりも高いそれらの靴がどう違うのか、いまいち理解していなかった。

さらに3年経ち、また買い替える時。
流石により高い靴がどのような性能でどのような山に必要なのか、うっすら理解しだした。
ただ自分の登山スタイルには必要ない、C1-02で十分だ、と感じ同じ靴……は廃番になっていたので後継モデルのC1-02sを買った。

さらに3年、つまり今。
低山のバリエーションも多少歩くようになった。
重いテント泊装備を背負って1泊や2泊もするようになった。
するとC1-02sを柔らかいと感じる場面が増えてきた。
もう少し固い靴が欲しい。
ならば同じキャラバンの登山靴、GKシリーズか。
ただキャラバンの靴は幅が広い。
昔はそれが窮屈でなくて好ましく思えてきたのだが。
靴の中で足が動くのが若干不安に思う様になり、もう少し足にフィットした靴を探してもよいかと思っていたのだ。

なにしろずっとキャラバンのC1-02を履いていたので、キャラバンが靴の評価の基準になっている。
すなわち、軽登山靴のCシリーズに、本格登山靴のGKシリーズ。
モンベルの靴に当てはめるなら、〇〇ブーツシリーズが軽登山靴で、アルパインクルーザーシリーズが本格登山靴だろう、そう思い込んでいた。
だがモンベルの店頭で実際に触ってみると、テナヤブーツは結構固い。
C1-02よりもずっと固い。
BOAフィットシステムも気になっていたし、これでいいかと試着してみた。
前述のとおりキャラバンの幅広さを持て余していたので通常のテナヤブーツに足をいれてみたら。
爪先側の幅がきつくてどうにもならない。
やはり私の足は甲高巾広な日本人の足だったようだ。
店員さんの勧めにより、ワイドサイズの27.5cmを購入。

そんなわけで今回は全く新しい靴のデビュー戦。
堅い靴の性能をいかんなく試したい気もするが、まずは靴ならしが必要だろう。
それなりに長くとも、道の状態は穏やかな雲取山の鴨沢ルートに行って来よう。



もうだいぶ暖かいので、マットはエアマット一つで十分。


それでもテントがかさばるやつなので、40Lザックには入らず。
いつもの60Lザックに余裕をもって詰める。
水込みでちょうど12kg。


電車の中。
ワイヤーは緩めにしてある。


7:42の峰谷行きバス。
で、この行列。
ホリデー快速の到着後は阿鼻叫喚だろうなあ。


意外にも途中で降りる人はほとんどいなく。
40人近い乗客が終点の峰谷まできた。
峰谷からお昼のバスで帰った事は何度かあるが、朝に峰谷に来るのは実は初。
こんなに混雑するところだったの?



缶コーヒーを飲み、おにぎりを食べ。
入念にストレッチしてから出発。
今日は新しい靴の慣らしだし、急ぐ理由もあまりないのでゆっくり行こう。


快晴。


フタリシズカ


峰集落を抜ける。


すぐ北側の奥集落(写真左上)とならび、この峰集落は東京でもっとも標高の高い集落と呼ばれる。


峰集落の一番上の民家あたりまで登ってきた。
写真のちょうど中央に何か建物が見えるだろうか。
あそこがスタートの峰谷バス停だ。

もう結構昔の事だが。初めて赤指尾根を下ってきて、くたびれ果てて、ようやく集落に出た!と思いきや、ゴールはまだあんなに下だと知らされた時の絶望ったらなかった。



ゲートを過ぎて林道に入り、ほどなく登り口がある。



今日のおやつはバナナトースト。
普通のバナナチップスと違って焼いてある。
軽い触感で生臭さがなく、芋けんぴみたいでおいしい。
なかなかのカロリー爆弾だ。


モンベルのテナヤブーツね、いいねこれ。
硬い靴なので突き出た木の根や尖った岩角に立っても足の裏への負担がない。
重い荷物で長時間歩いたときなどは結構な違いになると思う。
反面、そういう場に立ったとき。
バランスを崩すときの最初のわずかな兆候への反応が遅れる気はする。
ないし、この状況でバランスを崩すとしたらどちらへ倒れるか、といった予測がしづらい。
鳶職の高所作業用シューズや地下足袋で、商品説明にある「足裏感覚」ってこのことだろうな、という理解。



赤指尾根にのる。


奥多摩らしく、植林帯は手入れが行き届いて美しい。


休憩のたびにバナナトーストをポリポリ。


ハナノナはいまいちあてにならんが、これはあってるっぽい。


石尾根縦走路が近ずくと、植林帯から広葉樹に切り替わる。



千本ツツジに到着。


東に高丸山や鷹ノ巣山など。
同じバスで来た人がいて、声をかけられた。
話をしたが、あれだけ沢山いたバスの乗客でこっちの方に来ている人は少なさそうだ。
皆鷹ノ巣山に行ったのかな。


ここのツツジはまだ咲きかけ。
今日のところは三十本ツツジってとこかな。


ひらけた山頂だし、ちょうど昼時だし。
腰をおろして休みたいところだけど。
今日は無風ということもあってか、大量のコバエが頭の周りにまとわりついてきて鬱陶しいったらない。
休憩はあきらめて先へすすむ。


千本ツツジを西に下るとこれまた広い場所があり。


富士山から登り尾根~七ツ石の展望がいい。
七ツ石小屋の人がよく写真を撮っているのはここだね。

そしてスマホのカメラにまで映り込んでしまう程にコバエが多い。
ヤンナルネ。


トンネルを抜け、


再建された七ツ石神社にお参りして、


七ツ石山。


これから向かうブナ坂と雲取山。


ブナ坂十字路まで降りてきて、ようやくうるさいコバエが居なくなった。
風が出てきたせいもあるか。
夏は羽虫がまとわりついてくるのは仕方ないと思っていたが、今日はとくに酷かった。
何か対策があるだろうか。


ブナ坂はいつ来てもいいところだ。


奥多摩小屋の跡地。
解体した時に出たと思われる木材がきれいに積んである。
あれで全部な訳はないが、なぜ一部だけ残してあるのか。
登山道の整備用だろうか。

閉鎖される最後の冬に泊まった時、もう奥の方は一部取り壊していて。
その時出たと思われる、釘のささった廃材を薪代わりにストーブにくべてくれたのが切なかった。


雲取がみえた。
展望は微妙そうだ。



14:01 雲取山到着。
峰谷を出てちょうど5:30だ。

ちなみに2018年版の山と高原地図のコースタイムだと4:50。
厳しいな。


水の呼吸。
ああ、うまい。

ところで家を出る時にお酒が500mlほど減っていたんですが、どこに行ったんですかねえ。


雲取山荘でテント受付をし、お酒を一本もらう。


14時半ではあるが、山荘近くの平らなとこはもう全部埋まっている。
結局いつものように、男坂女坂の分岐あたりまで降りて行った。


そうそう、これも新しいテント。
ランシャン2とほぼ同時に買ったやつ。
ネイチャーハイクのbearUL2。
やや大型のシングルウォールテント。


ネイチャーハイクのテントなので専用グランドシートがおまけでついてくるが。
微妙に本体よりおおきいな。


魚座フレームで壁が垂直に近く天井も広い。


またシングルウォールながらリッジポールによるひさしがあるため、雨が降っていても少しドアを開けておける。
反面、重くてかさばり、強風にも弱いと思われる。


山岳用のシングルウォールとはコンセプトが異なり、自立式タープ・サンシェード的な使い方を想定しているのかも。


ま、一杯やろう。


ネイチャーハイクのロゴって生え際の後退してきた中年男性のひたいみたい。


いつの間にか我が家の周りもにぎやかになってきたな。



本日のテント場は盛況。
それにしても中華テントも増えてきたな。
もはやキワモノではなく、山でも市民権を得た感じだ。
モンベルは変わらず多いが……近頃はアライテントをあまり見かけなくなっているような。

そうそう、テナヤブーツのBOAフィットシステムだけど。
テントだと靴の脱ぎ履きが多い。
雲取山荘前のトイレは靴を脱いで入るタイプだ。
そんな時でもダイヤルを解除すればガバっと脱げるし、足を入れてダイヤルを回すだけですぐに締まる。
これはクセになるな。
夏のテント泊だとサンダルを持っていく事もあったが。
これならサンダルは無くてもいいかもな。


水を汲みにきただけなのに。
なぜ秩父錦を2本手にしているのか?


結構飲んでいるんだけど、不思議と酔わないなあ。
最近スーパーで見かけるいなばの焼鳥缶。
ほていと違ってモツで勝負。


陽が落ちてきて少し風が寒くなってくる。
虫が入らないようにメッシュにして、ドアは少しだけ開ける。

一般的なテントのドアと違い、これはメッシュが外側にある。
なのでメッシュを開けることなく、ドアを開け閉めできる。

夜寝る時はドアを全部閉めたが、はやり結露が心配になってほんの少しだけ開けておいた。
また夜露が心配なので靴はビニール袋にいれてテントの中にしまう。

翌朝置いた時はやはりというか、天井や壁が多少しっとりしている。
だが水滴となって垂れるほどではない。
適時換気は調整すればよかろう。


翌朝。
4:45に撤収完了。
大型とはいえ、やはりシングルウォール。
張綱などはなく、四隅に4本のペグを打つだけなので設営&撤収は早い。



もう一度雲取山に登ってみたが、展望はダメです。



ブナ坂を下っていく。
天候は上がり調子のようだし、昼時には晴れるかもしれないな。


鴨沢ルートでサクッと下山。


所畑へ降りていく道端にある謎の水道でストックの先を洗わせてもらう。


所畑の民家の前のバラ。
所畑は5.6軒の民家はあるが、人が住んでいる気配がない。


所畑バス停。
今日はまだ早いので。


9:10の丹波行のバスにのって、道の駅たばやまへ。
9:30到着。
温泉が開くのは10時なので、


まずは軽食所で、鹿ばぁーがーと鹿ゴロッケ。
誤字じゃないです、公式にそういうメニューですの。


久しぶりののめこい湯を堪能した。
GWの時は緊急事態宣言下で休業していたからなあ。
今は湯上りにお酒も飲める。
このお酒、300mlの小瓶でも売っていたので三種類買った。
それとおなじみの鹿肉ソーセージも。

雲取は今日も良き山でした。