2019年8月14日水曜日

2018/8/11日~12月 北八ツ散歩

◆計画

0613 王子
0618 赤羽
0622 赤羽
0636 新宿
0700 新宿 あずさ1号
0907 茅野 5550円(指定席)

0930 茅野駅2番乗場
1037 白駒の池 1450円

1050 白駒池入口(2094)
1110 白駒池
1155 高見石小屋(2249)
1320 中山(2496)
1400 にゅう分岐
1430 黒百合ヒュッテ(2400)

テント泊1000円

黒百合ヒュッテ
↓1:25
東天狗
↓0:20
西天狗
↓0:20
東天狗
↓1:10
黒百合ヒュッテ
↓1:50
渋の湯

渋御殿湯 日帰り入浴1000円 10~15時

渋の湯バス停
1030、1135、1455
1150円

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◆出かけるまで
実は先週に塔ノ岳で脚が攣りかけて。
まだ調子が万全ではない。
それとこのところやらねばならないタスクを溜め込んでしまっていて。休日を一日使わないと片付かないとこまで来てしまった。
そんなわけで3連休の初日は自宅でシコシコとTODOを消化していた。
だが長かった梅雨があけ、なんという夏空か。
ツイッタ上のフォロワー達も山に出かけているというのに私ときたら何をしているのか。
昼飯と買い物を兼ねて駅前に来た折、ふと駅の券売機をのぞいてみる。
すると明日のあずさ1号の指定席が1つだけ残っているではないか。
しかも一番前の席というまずまずのポジション。
衝動的に買ってしまった。茅野まで。
帰ってから考えたのが上記の計画。


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◆1日目 自宅から登山口まで

 朝の3時に目が覚めて準備をしだす。
今回は一泊なのでさほど荷物はない。
真夏なので防寒着も必要ないし、テントではなくてツェルトで行こう。
寝袋も必要ないかな?と思ったが、これは一応持っていこう。


 40Lザックにかなり余裕をもって収まる。


あずさ1号の到着後の茅野駅西口のロータリーは案の定大混雑。
茅野駅は八ヶ岳の玄関口なのだ。
ざっと見まわしたところ、美農戸口行と北八ヶ岳ロープウェー行が行列が長い。
渋の湯行・麦草峠行・車山高原行はそれほどでもない。


 お盆のためか、人も車も多い。
定刻より遅れて白駒池入口の駐車場に到着。


南北に長い八ヶ岳の、中よりもやや北側を東西に横断する国道299号。
国道299号、聞き覚えのある響きだ。
山域でいうと奥武蔵、路線でいうと西部秩父線の飯能よりも先、
駅でいうと高麗とか吾野とか正丸とか。
あのあたりでは駅の近くを国道299号が走っていて、歩き出しや駅に帰ってくるときに299号を横断したり歩いたりすることが多い。
入間市から始まり、奥武蔵、秩父を経て群馬に入り、十石峠を越えて佐久に入るこの道はなんと八ヶ岳を越えて茅野まで続くのだ。
なんともロマンある国道じゃないの。


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◆1日目 白駒池入口から黒百合ヒュッテまで

 さて、駐車場から道路を横断すると間違えようのない入口がある。
みんな普段着にスニーカーのラフな格好で、
私のように登山者然とした身なりがむしろ少ない。


 おそらく白駒荘の人が整備しているのだろう。
道は安全に整備されている。


 白駒池に出る。
北八ヶ岳といえば山上湖だが、そのなかでも最大の湖がこの白駒池。
標高2000mを超える高さと湖上の空気とあいまって、ひんやりとした涼しいところだ。



 北に青苔荘もあるが、西にくるとこの、



この白駒荘がある。
最近に建て直したばかりらしく、新しいきれいな山小屋だ。


 朝飯を食ってからすでに6時間経過している。
お昼に何か食べてもいいかな?と思ったが思いのほかお腹がすいていない。
ここは素通り。


 白駒荘のもうちょっと南まで行くと、高見石への上りくちがある。


 普段着の観光客がぶらつく白駒池の周りと打って変わって北八ツらしい山道だ。
ここで準備。
ストックを出し、さっき駐車場の売店でかったバウムクーヘンをお昼代わりに胃に入れておく。


 何年か前に、ここよりももうちょい北、
雨池から雨池峠へ登った道もこんな感じだった。
苔むした森の中にガラガラと岩の転がったトレイル。
歩き方が制限されるし、バランスとりに脚の力を取られる。ごくまれに浮石もあるので結構疲れるのだ。
傾斜はきつくなくてもね。


 ほどなくして高見石小屋に到着


 小屋の右手後ろ、なにやら小高い岩場になっている。
あれが高見石だろうか。
まあそちらはあまり興味を惹かれないのでパス。


 この先、中山へ進む前に一度休憩を入れておこうか。


 さっき駐車場の売店で買ったやつ。
白樺樹液。
お味は……うーん。
人間よりもカブトムシに喜ばれそうな味ですな。


 ここから中山へ、緩やかだが長い登りが続く。


 例のこういう歩きにくい道が


 だらだらと続くわけです。
やはり脚の調子がいまいちだ。
左の腿につっぱった感じが残っている。


 足元を何かが横切ったのを追ってみると。


 ネズミでした。


 もうトンボも飛んでいる。
トンボのいるあたりはアブやブヨがいなくて助かる。


 ようやく登りがおわり平らになる。
ここからもうしばし行くと、


 おお、


 中山山頂の西側の展望箇所にでる。


 広く平らな山頂に岩がガラガラ。
編笠山の山頂もこんな感じだったかな。


 もうお昼過ぎなためか、あいにく雲が沸いてしまった。
諏訪方面のふもとは見えず。
蓼科山(中央右)も雲をかぶってしまった。


 中山山頂は森の中にあり、特に標識もなくいつの間にか通過していた。


 中山から東へ下りだし。
南に天狗岳が見えた。
左の東天狗に右の西天狗。
東の小海方面から雲が沸き上がってきて、東天狗がまさに雲に飲まれようとしていた。


 やや急なガレ場をくだる。


 稲子岳の一部が地滑り?


 標識のあるところまで下りてきた。
ここが、


 中山峠


 東の崖のようなところをのぞいてみると、踏み跡は明瞭ながら結構な急傾斜に鎖まで打ってある。


 しらびそ小屋から登ってくるルートだが。
ああ、これは大変なルートだ。


西へくだる。
山中の盆地のような場所の為か、水はけがよくないようだ。


 黒百合ヒュッテに到着。
14時過ぎだがそこそこテントが張られている。
だがまだまだ余裕あり。
平らに整地されていて快適そうなテント場じゃないか。


 古いが味わいのある構え。
テント受付を済ませる。1000円。
この時期の人気ルートのテント場にしてはテントが少ないな、と私は思ったのだけど。
小屋の人は「今日はすごい数のテントだな」とか話し合っていた。


 さて、今日はツェルトです。


 四隅をペグダウン。
この時長辺方向にテンションをかけるのが我流のコツ。


 ツェルトの高さ+5cmに調整したストックで建てて、最後にタープのようにサイドリフターを引っ張る。


 夜間の地面からの冷えを防止するために、古くなったアルミシートを敷く。
その上にマットを敷いて完成。
とはいえまだまだ日差しは強く、中に寝ているとビニールハウスのように暑い。
ふらふらと小屋の方へ行くと必然的に


 ビールの誘惑に勝てないわけですよ。
あぁー、沁みる。
当初の計画では余力があれば天狗までピストンしてこようとか思っていたけど。
もうそんな気分ではなくなるね。
脚も万全ではないし、今日はここまでにしましょ。
このあとハンバーグカレーも食べた。
この小屋は15時まで外来の食事を提供していて、なかなか旨いと好評なのだ。


 私の他にもう一人ツェルトがいた。
あっちもなかなか見事な張り方だ。


 とげが指にささるくらい青々としたアザミにトンボ


 小屋の正面に岩っぽい登りがある。
なんだろうとみると


 スリバチ池経由で天狗へ登るルートなのね。


 17時をすぎていくらか涼しくなってからようやくツェルトに入り、電子書籍を読んで過ごすなどした。


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◆2日目 黒百合ヒュッテから渋の湯


スマホに心配されている通り、このところ睡眠が不規則かつ短時間になっていたのだが。
昨夜はたっぷり9時間眠れた。
やはり私は山で眠るのが好きなんだな。


 渋の湯の外来入浴が開くのが10時。
だからここを8時に出発すれば十分なのだが。
6時半にはもうツェルトを撤収してしまった。
中の結露がひどくてね、これ以上中に寝ているのはしんどくなってきたし、
十分な快眠だったためか、二度寝が寝付けなくなって。

小屋の前でしばしぼーっとしていた。


 下山開始。
小屋の近くはこんな風に橋?が渡してある。




 あとはこんな感じのアレ
北八ツ、荒々しいアルペン的な南八ツと比べて穏やかな山と思われていて。
それは間違いではないのだけど意外と楽な歩きをさせてはもらえない。


 特に荒いところは板がわたしてあったり。


 苔むしたコメツガの森が美しい。


 広い分岐にでた。
時間はたっぷりあるので休んで時間をつぶそう。


 唐沢鉱泉との分岐だ


 標識の文字がはがれかかっている。
シールなんだ、それ?


 パノラマコース側の尾根に乗るため、ちょっとだけ登る


 尾根筋の乗れば風景も変わるかと思いきや、そんなことはなかった。


 渋の湯分岐


 ここで最後の時間調整をする。
ここを9:05に出発すれば、10時前に渋の湯に下りられるだろう。
しかし標高が下がったからだろうか、ここはトンボがいなくてアブブヨが飛んでいて。
脚を何か所か食われてしまった。


 山と高原地図にはなかった分岐


 ふむ。
西へ進む道の方が、現地で見てしっかりしている。
ただ最後の下りがずいぶんな急傾斜だ。
道のつくりからすると、危険ってことはなくて、しっかりジグザグに踏み跡がつけられているだろうと思われたが。
リスクをあえて取ることはあるまいと北へ下る。



 高見石への分岐を見送って、西へ


 もう沢も見えてきて、すぐにでも下山完了しそうだったのに。
なにやら崩落防止工事を施した行き止まりに出てしまった。
あれ?とキョロキョロ見回す。


 10mほど戻る。
ここだ。
多分本来の道ががけ崩れで崩落してしまい、崩落地を高巻きにするルートが作られていた。
で、崩落した箇所はさっき見た通り工事が施されたのだろう。


堰堤に溜まる水が美しい。


 はい、下山完了。


 一番奥の渋の湯は廃業してしまったようだ。


 バス停を確認


 バス停前の渋御殿湯は営業している。
 結構広い温泉宿だ。
9:50に到着して、私の他に男性3人が待機していた。
10時の2分前になって男女カップルもやってくる。


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◆2日目 温泉から帰るまで

10時と同時に入って入浴料1000円を払う。
内湯のみだが入ったとたんにむせかえるような硫黄の臭い!
無色透明でサラリとした湯だが、浸かっているとじょじょに肌が突っ張るような感じになってくる。
そして長く浸かっていると呼吸が苦しくなってくる。
湯から上がってソファにドサッと身を投げたあとも、しばらくはぁはぁと呼吸が荒かった。
いや、強い湯だった。

ここは日帰り入浴1000円だと西館の風呂しか使えないが、
宿泊客や部屋休憩2000円だと名物の東館の風呂も入れるらしい。
温泉が地面から自噴する場所をそのまま風呂にしてしまったというすごい風呂らしい。

全体的に建物が古く、通路や食堂などに年季を感じる。
子供のころに修学旅行で止まった宿っぽいというか。
ただ掃除で扉の開いているところをちらりとのぞくと、部屋の中は今風のきれいな旅館の部屋だった。
登山のベースとしてここに泊まるのもありかもしれないなあ。
ここは標高1900mもあって涼しいし、八ヶ岳への登山口としても申し分ない。


10:30のバスに乗って茅野へ帰る。
いわゆる別荘地というのは人けの無いさみしいところだとずっと思っていた。
昨日登ってくる時もそうだったのだが、お盆休みの時期だからか随分と人がいる。
別荘地は今がハイシーズンなんだな。


さて、茅野駅に11時半ごろ到着。
次の特急あずさが12時半ごろなので、まずは特急券を確保してから駅の周辺で蕎麦でも食おうか、などと呑気に構えていた。
だが17時台まで新宿行の特急は全席完売。
どうしたものか……


 高尾行のローカルがすぐに出るようだったので、ホームで駅弁を買って飛び乗る。
悪くはないが、これだけではお腹が満足しない。
甲府で降りて、何か食ってから高速バスに乗るという手も考えたが。
めんどくさくなってそのまま高尾まで行く。
山梨県も東西横断するとなると、結構時間がかかるもんだ。


 四ツ谷駅で降りて、いつもの店でようやく乾杯できた。


 前から気になってたザリガニを頼む。


 まあ旨い事は旨い。
が、食べずらかったなあ。
10匹目あたりからコツがつかめてきた。
・最初に足をもいで捨てる
・ハサミはもいで置いておく
・頭と胴体とをわける
・胴体の殻をむいて中の身を食べる。エビというよりは平べったいシャコのようで手では殻が剥きにくい。
・頭の殻を剥く。こちらには身が無いのでソースをつけて適当にしゃぶる。頭の先端の方は苦みが強い。
・ハサミの下のハサミをもいで、手の部分を歯で割って中の身を食べる。カニのハサミと同じ。

剥き方自体はシャコやエビやカニの応用が利くが、とにかく一匹がちいさいのでたいへんだ。
次の日になってからふと思ったけど、これエビ同様味噌のうまみはソースに落ちているので。ほかの料理(饅頭とか麺とか)でこのソースを食べるのが本来の食べ方なのかもしれない。
ザリガニを征服した満足感で残してしまったが、この辛いソースおいしかったものなあ。



茅野駅でおみやげに買ったみすず飴。
子供のころ、貰い物とかでたまに茶菓子にあがることがあったっけ。
諏訪地方が寒天の産地だというのは最近に知ったのだが。
これは上田のメーカーだった。