2019年1月29日火曜日

2019/1/27日 暖冬の実感@甲州高尾山

0730 新宿 あずさ3号南小谷行
0831 大月 指定席1450円
0847 大月 中央本線甲府行
0910 勝沼ぶどう郷 1944円

大善寺までタクシー 1080円
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高尾山と言えばいわずもがなの都民の裏山。
だけど都心から日帰り圏内にもう一つ高尾山がある。
こちらもなかなかの山らしい。



勝沼の駅は改札をでると目の前に甲府盆地と南アルプスが広がる。
甲府盆地の東の端、山際の少し高い場所に駅があるためだ。


改札前のタクシーを拾って、甲州街道沿いの大善寺まで運んでもらう。
大善寺の先、20mくらいのところにこのような登り口がある。


大善寺にはバス停もあるが一日3便しかなく、休日は最初の便が遅い。
必然的にタクシーになる。
40分なら歩いてもいいかもしれないが。

タクシーの運転手にも驚かれた。
高尾山に登りに来る人は大滝不動尊から入る人が多いらしい。
私も最初はそっちを考えたのだが、それだと流石に歩き足らないかなと。


随分と急で崩れかかった石段をのぼると、


五所大神社
後ろの鉄塔が建っているのが、柏尾山だな。
東屋があったのでここで身支度を行う。
9:35出発


鹿柵を開けて、急斜面を登っていく。


こんな急斜面を伐採してソーラーパネルを並べちゃって
土砂崩れがおきたらどうするんだよ。
南面の陽当りのよい斜面を伐採したものだから、下草なども枯れて斜面が砂ざれぎみ。
登りはまだいいが、下りは気を使いそうだ。


鉄塔のところが


山頂標識はないが、柏尾山か
地形図だと西の尾根にもルートがあるようだが


うーん、あるようなないような


いつもの



柏尾山からはなだらかな尾根道


少し下ってからの急な登り
向こうから3人組が降りてくる


林道を横切る


一般車両通行禁止の林道ながら、電柱も建っている。
大滝支133号柱が終点。
周囲の施設に電気と通信を届けている。


消防無線施設の脇を登ると


高尾山険ヶ峰
剣ではなく険の旧字体で、かつヤマヘン
ここは樹木に覆われていて展望なし


その先はこんななだらかで、全然「険」ではない


次の小ピークが高尾山山頂。
6人くらいの中高年パーティがお昼を食べていた。
さほど広い山頂でもない。


樹木におおわれているが 甲府盆地を見下ろす事ができる


木が邪魔だが、富士山もみえる。


だが私は事前情報を仕入れてあるので、もすこし先へ


林道を横切ってから3つ目の小ピーク、ここ。
ここが絶景なんだ。


南~西まで
南、御坂の向こうに富士山が顔を覗かせる
南西、甲府盆地の向こうに南アルプスの雄大な眺め
西、塩山の西に北から石和温泉まで降りてくる尾根の向こうに白いのが覗く。赤岳と権現岳だろう


左端が三つ峠
電波施設のせいですぐにそれと分かる。
それにしてもこの富士山、9合目あたりまで黒いとこがみえる。
例年なら真冬は5合目あたりまで真っ白になるはずだが。


南アルプスも。
白峰三山は流石にその名の通り白いが。
前衛の鳳凰三山はほぼ雪がない。
甲斐駒ですら白いとこと黒いとこが半々。

この冬は暖かく、関東では異様な程雪が降らないが。
甲州でも同じだった。
お昼時とはいえ、盆地に薄っすらとかかる白いモヤはもう春霞のようですらある。


南西に目を奪われるが、北側も悪くない。
北に奥秩父
北東はすぐ隣の棚横手山に遮られてその先は見えない
東は天目山方面
南東は笹子峠

とても居心地の良いところ。
ここでお昼にしたいところだが、昨日の夜も今朝もたっぷり食べて来たせいかお腹がすかない。
魔法瓶のお湯で紅茶を淹れて飲む。
それでも50分ばかりここで過ごしただろうか。


その後さらに先に向かう。
もう下山してもいいかと思ったが、
せっかくだから富士見台とやらをおがんでいこう。


隣の棚横手山が近くなってくる。
あちらも山頂近くに林道が通っている。


ここか、富士見台というのは


なるほど、富士山がいくらか大きくみえる。
ただ甲府盆地は見下ろせない。
総合的にはさっきの名もない場所が甲州高尾山最高の展望ポイントになる。


富士見台の場所


富士見台を北に下ると、棚横手山への登りになる。
鞍部に大滝不動尊への道があるので、ここから下山しよう。



間伐された気が適当な長さにぶつ切りにされ、そのまま無秩序に転がされている。
きれいに手入れされた奥多摩の山を見慣れていると、酷く雑にみえるが。
たぶん全国的にはこういうのが一般的なんだろう。


林道に降りる
この先、2013年版の山と高原地図には「林道崩落」とあったが、きれいに直してあった。
危険箇所はない。


十字路


展望台とやらを見にいく


木の枝が邪魔しているが勝沼~塩山あたりが見おろせる。
ここは鳥居やお社があって、たぶん多滝不動の関連の何かなんだろう。
悪くはない、決して悪い眺めじゃあないが、
山上からの眺めを見た後だとどうしても残念に思える。


降りていくといやに立派なお社が。
あれが大滝不動尊の奥宮か。


奥宮の裏、ものすごい滝が凍っている。


それ以外にもいくつか滝がある。
滝が御神体なのかな。


奥宮と社務所


社務所も大きな2階建てで、たぶん講の信徒団体が来たときに泊まったりするのだろうか。


仁王門、とかかれた大提灯がさがった山門。
山中の無人の社とは思えぬ立派さだった。


縁起


さて、どうしよう?
ここまで呼べばタクシーが来てくれる。
だがまだこの時間で、暗くなるまでだいぶ余裕がある。
体力的にも全然疲れてはいない。
帰りの電車を調べると、普段は特急の停まらない勝沼に今日は15:40の臨時列車がある。
地図のタイム通りに1:30で駅に着けば15:10頃。
30分待ちで特急に乗れるならそれがベストかな。

余談:本当はここからタクシーに乗って”ぶどうの丘”に行く予定だった。
甲府盆地を見下ろす露天風呂に、1000円で試飲し放題のワイン倉庫などがあるらしいが。
ちょうど改装期間中で営業していなかった。
また今度の機会に。


そんな訳で歩いて降りる。
奥宮の前はこんな感じで広く、タクシーがUターンしたり、マイカーを停めたりするのに充分な広さがある。


林道から麓を見下ろす。
展望台よりこっちの方が眺めがいい。
それにしても甲府盆地に北から突き出るあの尾根、北の奥秩父から南下し、塩山の西を通って最後は石和温泉で消えるあの尾根。
妙に気になるなあ。
中腹に建物が見えるが、あれがほったらかし温泉だろうか?
キャンプ場もあるらしいが。
昨秋雁坂峠へ登ったときも妙に気になったんだ。
手持ちの地図であのへんをカバーしているものが無いが、あとで調べてみるか。
石和温泉の駅か高速バス停から登れないだろうか。


途中珍しいものをみた。
斜面の法面をコンクリートで保護してあるのはどこでも見かけるが、
その工事途中?


まだ土がむき出しの所と、コンクリでコーティングされた所と。
コンクリ、こんな薄くていいんだ。


山中のいたるところにある、山火事注意を促す看板や幟
実は甲州高尾山の尾根上の眺めの良さは天然のものではなく、
過去に何度も繰り返し山火事が発生し、そのせいで尾根上の木が無くなっているせいなのだ。
そのせいで素晴らしい展望が得られているのは、ハイカーとしては複雑な気持ちね。


廃キャンプ場の管理棟


麓が近くなってくると再び鹿柵


大滝不動尊前宮
信徒団体の宿坊みたいな所もある。


ぶどう畑の合間を縫って降りていく


途中バス停もあったが、時間が合わない。
甲州市の市民バスはルートが複雑で、便も少なく、どうにも使いづらい。
使うならば事前に良く調べておく必要がある。


駅に戻ってきたのが14:43
思ったよりもずっと早かった。
山中では概ね山と高原地図のコースタイム通りだったのだが。
ここから特急まで1時間待つのも何なので、いいや、ローカル線で帰ろう。


駅のホームから東を眺めると、なんだ、登った高尾山が目の前に見えていた。


電車がくるまで時間があったのと、少し小腹が減ってきたのでお昼用のうどんをここで作る。


食べ終わってからスープを入れてないことに気づく……


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甲州高尾山は手頃で素晴らしい眺望が得られる山だった。
お昼を食べるならば林道から3つ目の小ピークにするのをおすすめする。
途中ベンチの類は一切無いので、敷物があったほうがいいだろう。

登山口まで歩くが、駅にタクシーがたくさん客待ちしているのでタクシーを使ってしまうのが早い。
(余談だが、塩山駅でもいつもタクシーがたくさん並んでいる。供給過剰な気がする。)
大滝不動尊奥宮からならば体力のない人でも安心なお手軽コース。
大善寺からならばそこそこの初級~中級コースになる。
ただし!
道は意外と良くはない。悪いという程でもないが。
倒木が多く処理されておらず、急斜面の踏み跡が崩れて砂ざれの滑りやすい箇所がところどころあった。
大善寺から登ってくる分には問題ない。
大善寺に下りで使う分には、足の置き場所とかに気を使うことになる。
ただ滑ったとしても大きな滑落につながるような危険箇所はない。尻もち程度だろう。
それでも歩きなれない初心者は腰が引けるかもしれない。