2020年2月11日火曜日

2020/2/8土~9日 冬用のシェラフ@七ツ石小屋

私が持っている寝袋はSnugpak寝袋一つきり。
快適 7℃/下限 2℃
のもの。
好日山荘のセール品で5000円くらいだったと思う。
以前はもう一つ、それより一段温かいやつも持っていたのだが。
付属のコンプレッションバッグが破れてしまって。
小さく収納することができなくなり、また冬にテント泊することもないので必要ないなと判断して捨ててしまったのだ。

あれから少し考えが変わり、冬でもテント泊をしたくなった。
だがやはり冬山は寒い。
色々と工夫はしてみても、ベースとなる寝袋の性能は他でカバーするにしても限界がある。
昨年3月に閉鎖前の奥多摩小屋でテント泊したときにほとほと懲りた。
きちんとした温かい冬用のシェラフが要るな、と考えていたのだが。
良い寝袋は高い。-10℃位の環境でも温かく寝られるやつで、ちゃんとしたメーカーの品となると4~5万円はする。
他に購入を優先したいものはたくさんある。
そんなわけでなかなか購入に踏み切れなかったのだが、amazonでよさそうなものを見つけた。


Soomloomという中華メーカーだが
使用温度-5~-20℃(リミット-25℃)、650FP、1500g充填、収納サイズは28×31cm
とスペックはなかなかものもで9870円
安い寝袋は化学綿を使用していて、でかくて重いものだが、こいつはダウンだ。
800~900FP(膨らむ力)の高級品からはだいぶ落ち、それなりにかさばるとはいえ、大きなザックになら入れていけるサイズ。
うむ。


 というわけでポチって届いたのがこちら。
自宅で使ってみたら暑くて寝れたものではない。
掛け布団の腹の上あたりに横に渡して乗せておくだけでもかなり温かい。
-20~-5℃のスペックを額面通りに信じるわけではないが、確かにこれなら-5℃くらいなら寒くなさそうだ。

良い道具が手に入ったら使いたくなるのが人情。
大荷物でハードな山に行くつもりはないが、麓のキャンプ場ではそもそも寒くない。
適度に高いところでそれほどきつくないところ……
季節運航のバスは2月には無いので……
そうだ、七ツ石小屋のテント場を使ったことがないが、あそこにしよう。
小さなテント場で異様に混みあってるという印象があるが、今の時期ならそれほどでもないだろう。
鴨沢から七ツ石までならホリデー快速3号でも十分だろうし。


 朝5時に起きて支度。
ザックにストック、テント
リッジレストのマットにエアーマットの二重マットにする。
着替えと、新しい寝袋。


 小物類
ハクキンカイロ2つに、使い捨てカイロ11枚。
厳重にすぎるようだけど、それだけ去年の奥多摩小屋の冷えがきつかったんだ。


 いつものごとく、パッキングへたくそマン。
まあ私の場合はなからぎゅうぎゅうに詰める気が無いのだけど。
それにしてもリッジレストはかさばる。
分厚くて暖かくてすべらず寝心地もよく耐久性もよくて安め、という優秀なマットなんだがでかい。
少し前はわりと定番のマットで、ザックに外付けしている人を結構見かけたんだがな。
最近はとんと見かけない。
同じメーカー(サーマレスト)でもZライトは相変わらず人気なんだけどなあ。

ここ数年のトレンドで、エアーマットの人気がある。
昔は「冬山で空気漏れが発生したら一巻の終わり」なエアーマットなど使う人は限られていて、インフレータブルマットでも空気漏れを心配する声はあった。
だが信頼性が向上して、そうそう穴あき・空気漏れが起きないと認識が変わったからだろうか。随分エアーマット製品も増えた。
必然的に「マットは小さくたためるもの」という認識が強くあり、かさばるリッジレストのようなマットは敬遠されるようになったのだろうか。


 新宿駅で朝飯を買う。
ドトールが好きなんだが、いつも混んでてな。
7時を過ぎると紀伊国屋や成城石井も開店するので選択肢が増える。
ホリデー快速3号の席に座って出発前に胃に収めた。


 奥多摩駅
ホリデー快速3号は思いのほか人が少なかった。
山に登ろうって人は1号で来るものだし、2月は寒いからかな?
今日は天気よいのだけど。
鴨沢西行のバスに並ぶ人は1台でも乗り切れる人数だったが、奥多摩湖までの増発便を出して団体さんをそちらに収容してくれた。
日原行のバスが運休しているので、人員車両に余裕があるのかな。

ちなみに日原街道はGW頃には復旧の見通しだそうです。


 久しぶりの鴨沢。
あったかいなあ。
缶コーヒーを一本胃に入れてから出発。


 前回丹沢でiphoneを落としてなくしかけたので。こういうのを買ってきた。


 台風19号で濁った奥多摩湖は相変わらずこんなだけど。


 少し上手側では本来のエメラルド色を取り戻しつつある。


 小袖の駐車場
土曜日の10時半だというのにガラガラだ。


 登山口の看板。
「雲取山」の木の板がはずれかかっている。


 雪はないが、霜柱


 冬枯れの穏やかな山


 堂所手前の水場は冬でも出ている。
いつもならここで水を汲んで休憩にするとこだけど。
今日は魔法瓶にお湯を入れてきた。
ちょうどお昼だし腰をおろしてサンドイッチを食べる。
白湯で良かったのだけど。テントで飲もうとジョニ黒を少し持ってきたのだった。
白湯に少し垂らしてうすーいお湯割りにするとスコッチの香りが広がって。
少し疲れてのどが渇いた寒い環境だといくらでも飲めてしまうな。


 ほどほどの調子で七ツ石小屋、
白黒八割れのにゃんこが登ってくる人を見ている。
小屋で飼っているのだろうか。


 七ツ石小屋でテントの受付
話には聞いていたが、小屋番さんはほんとに若い夫婦だった。
あの年で山の守り手になるとは立派だなあ。


 テントは私を入れて5張。
小さなテント場だけど全然余裕。
なにより平らに整地されているのがうれしい。
奥多摩小屋や雲取山荘のテント場はわりと自然なままだからね。
水平な場所はごく少数で、早い者勝ち。
大体は斜めのところにテントを張って、寝ていて背中が滑るのに堪えることになる。
ただ地面は見た目に反して石まじり。
ペグを打ち込むと途中でカツンと石にぶつかる。
無理に叩くと華奢なアルミペグでは曲がりそうなのでほどほどにしておいた。
今日は風も強くはなさそうだし、ここはちょうど小屋のかげになる場所なので。


 リッジレストの上にエアーマット、その上に寝袋を広げる。


 奥多摩小屋におとらず、ここもわりと眺めがよい。


 さて。まずはお湯を沸かして魔法瓶をみたしておく。


 ハクキンカイロも準備。
今が午後3時で、明日の午前9時まで持てばよいので18時間分。
カップ1杯半を給油して火をつける。
これは上着の腹ポケットに。


 例によって薄いお湯割りを飲みつつ、買ったきりになってる電子書籍を読んだりして過ごす。
3杯ほど飲んだところで眠くなって寝入ってしまう。


 17時過ぎに目が覚める。
既にもう結構寒い。
晩飯にラーメン2人前。


 19時過ぎ。トイレを済ませておく。
都心方向の夜景がみえる。


 寝入るための準備
使い捨てカイロを片足に3つづつ貼る。
足先とかかとの冷えはつらいものなのだ。
あと脛の外側・太ももの外側に貼り、最後の1枚を心臓の上に貼った。
基本上半身は着ている服とハクキンカイロで十分なので、下半身を重点。


 朝6前に起きてトイレ。


 昨夜はあまり寒くなかったのかな。
ナルゲンボトルの中の水は、2割程度が凍った状態。
多分テント内で-5℃位だったのだろうか。
正直暑すぎた。
足に貼った3枚のカイロが暑くてやや不快なくらいだったし、
寝袋のファスナーを腹までおろして、寝袋から肩をだしてしまった。
モンベルの売ってる下半身だけの寝袋、奇異に思っていたけどなるほど合理的だ。

ともあれ寝袋の性能は悪くないのが分かった。
-5℃位の環境ならば、足の裏に使い捨てカイロを1枚ずつ貼っておけばそれで充分だな。
それ以上のカイロ類は過剰。
1万円の寝袋にしてはいい買い物だったかもしれん。


 夜半から明け方にかけて少し雪が降った。
雪がテントにぶつかる音というのは意外と大きく聞こえるものだ。



 富士山くっきり。


 テントで寝るのが目的だったので、特にどこにも登らず下山する。
というか早く温泉につかりたい。
降ったばかりの薄雪なのでアイゼンは不要。


 七ツ石山の下段のまき道も直っていた。
ありがたい。


 時間をみて、10時前の丹波山からのバスに十分間に合う時間だったので、
鴨沢ではなく所畑に下山。


 もえぎの湯につかり、牛乳を飲み、マッサージチェアでもんでもらう。


 駅前でなんか食べようかと思ったが、開いているお店が氷川サービスステーションと駅の2階の店しかなかった。
氷川食堂も閉店してしまっていた。
こうらくもやってない。
やはり寒い時期の奥多摩はオフシーズンなのか。
スーパー小川も閉店だし、時々コロッケをかったお肉屋さんも開いてない。

駅の2階で地ビールとカレーを頼んで列車まち。
正面の氷川屏風岩を眺める。


 氷川屏風岩もいっぺん行ってみたいのだけど、なかなか。
上はゴンザス尾根の電波塔のとこの分岐なのはわかるが、
下のとりつきがどこにあるのかわからないのだ。
除ケ野のあたりじゃないかと思うんだけど。
江戸時代に数馬の切通しが拓かれる前はここが根石(ネーヤ)越えと呼ばれた街道だったらしいのだ。
守屋地図の性格からして、わざわざ(危険)と記載しているのは、行こうと思えば行けてしまう場所だからだろう。


今回の反省点
氷点下の環境ではノーマルガスではなく、プロパン配合比率の高いガス缶を持っていく事。
それと朝の凍った地面からペグが抜けなくなるので何らかの対策を考えること。
靴先でぐりぐり動かそうとして、2本曲げてしまった。
去年の3月の時は、そうだ、トンカチを持って行って反対側のくぎ抜きを使ったのだっけ。

軽く対策をググった所、以下のような感じだ

・ペグ抜き(くぎ抜き)を用意する
・凍った地面にお湯をかける
・地中で回しやすい、丸軸で頭の部分に穴のあいているペグを使う
・残地前提に、木の棒や竹の棒を使う(これは主に雪の中に埋めるアンカー)

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