2016年9月28日水曜日

2016/09/28水 天覧山・多峯主山

2016/09/28水 天覧山・多峯主山

飯能を東端として、西へのびる細長い山域がある
北を国道299号と西武秩父線
南を入間川と県道70号・53号に挟まれる
東から天覧山、多峯主山、天覚山、大高山、子の権現、伊豆ヶ岳、正丸峠、と続き、
最終的には国道299号の北の尾根に合流する
今年よく歩いた日和田山を東端として秩父まで続くあの尾根だ

天覧山は山というよりは公園に毛が生えたような場所で、通常は登山対象とはみなされない
近年アニメ化もされた『ヤマノススメ』で主人公の少女たちが一番最初に登る山でもある
つまりそれほど易しい

ただ飯能駅のホームからも見えるその山は多少は気になっており、
昼近くになってから「少しあるきたいな」と思いたった今日、行ってみることにした


飯能駅からバスがないでもないが、1km少々なので歩いていく


飯能の名刹・能仁寺の脇から入っていく
というか天覧山は能仁寺の裏山なのだ
当代の住職は元報知新聞の運動部記者だった関係で、王長嶋他プロスポーツ選手もよくお参りに来るらしい
庭園・本堂は拝観料300円を取られる
が、取るだけのものではあるのだろう


中段の広場をすぎると崖の南面に十六羅漢像がある
元は愛宕山と呼ばれていたこの山は、江戸五代将軍綱吉の生母・桂昌院が羅漢像を収めたことで羅漢山と呼ぼれるようになった(続く)


崖の西のへりから山頂にあがる


天覧山(195m)
登山口からほんの20分で到着

(続き)明治16年にこの麓で行われた近衛兵の演習を、明治天皇がここからご覧になられたことから天覧山と呼ばれるようになり、現在に至る
と言うような内容が道すがらや山頂の看板には書いてあった


飯能の市街が一望
曇っているので東京との県境尾根(長沢背稜)より南は見えない


さすがにこれだけでは歩きたらない
もう一つ西の多峯主山へ行ってみる
天覧山から西へ降りる


天覧山を西におりた所
低くても丘に囲まれた場所のせいか、人里の喧騒がまったく伝わってこない
驚くほど静謐
今日は風もなく虫の音と小川のせせらぎばかりがやけに大きく聞こえる



多峯主山への登り始め・見返り坂
横の看板によれば源義経の生母・常盤御前がここを登る時に、眺めの良さに何度も振り返ったとか
……最近同じような話を聞いたぞ
義経・弁慶主従があまりの眺めの良さにキョロキョロしながら登ったという顔振峠と同じ説話の類型だな
こういうのは真偽の程を詮索するのも野暮な、他愛のない小さな嘘で、言ってしまえばどこにだってある
私が実際目にした例でも、古くは「日本武尊命が東征の際にここで○○した」とか、新しいのでは「国定忠治がこの松の所で物見した」とか
とはいえ、この地域はやけに義経を推すね





ずっとなだらかな道だったが、多峯主山山頂直下は少し急になる
でも鎖は大げさだな
ここで鎖を頼らねばならないほどの人ならば、鎖を持ち上げてたぐる事で体力を消耗してしまいそうだ


多峯主山(271m)
小雨が降りはじめた


山頂から西側
最初に述べたとおり山域としてはここから西へずっと縦走していけるのだが
見ての通り近年尾根の上を平らに造成して巨大な住宅地になってしまった
西へ縦走するならあの住宅地の中をつっきるか、南側の迂回した山道を取らねばならない


雨が降り出したので早々に退散
来た道を戻ってもよいのだが、ひょっとしたらバスが拾えるかもという浅ましさから、南側の県道へ最短で出るルートを取る

写真には収めていないが「黒田直邦の墓」を示す案内標識がいくつもあった
誰だろう?と後で調べたら江戸初期の殿様だった
館林藩の家老の家に養子に入ったのだが、藩主綱吉が将軍になったため、一緒に江戸城に入る
綱吉に気に入れられ、加増されて大名になる
その過程でこの付近の5000石を加増されたのだが……
下館藩主・沼田藩主を経て最終的に久留里藩主となった黒田直邦はここ飯能に居住したことはない
なのになぜ墓所がここなのか
また能仁寺の境内ではなく、山中にあるというも
後でもう一度調べてみよう

登山の案内看板などにはトイレの表示などはなかったのだが、
見るからに新しく付け足したといった風の標識がある


そのトイレ
見るからに新しい
最近は登山ブームなのと、飯能市自体が天覧山を観光資源と考えているようなので、隣の多峯主山にもトイレが必要と判断したのか


御嶽八幡神社の小さなお社


何故か日めくりカレンダーがかけてある
麓の誰かが毎日登っているのだろう
御嶽山の噴火から2年、亡くなられた方の冥福を祈って手を合わせてきた


里山らしく作業道がたくさんあるので、案内標識はありがたい
ありがたいのだが、地名が細かすぎて一体どこのことなのだかさっぱり分からない
・ゼンリンの一般地図
・昭文社の山と高原地図
・国土地理院の地形図
の3つをあたっても、いずれにも「常磐平」「吾妻峡」という地名表記がない


御嶽八幡神社からの石段を降りれば、のどかな場所に出る




県道70号に出る
少し歩くとバス停があるが


この時14:09
名栗・名郷の方からくるバスを拾えないかな、と時刻表を見るが
次のバスは30分後
駅まで2km程だし、歩いてしまおう


観音寺というお寺の
鐘の代わりになぜか象の像


何気ないお米屋のようでも横から見ると歴史を感じたり


日替わりシェフのお店
商工会議所が場所を貸し出していて、料理を作る人が日によって代わる店、らしい
『ヤマノススメ』のキャラ看板はいまだにあちこちにある


小腹が減ったので、駅近くのぎょうざの満洲でご飯を食べていく
ぎょうざの満洲は埼玉県ローカルな中華料理チェーン店
だが味は都内のチェーン店(日高屋とか王将とか)よりも良いと思う
入り口脇の大きな冷蔵・冷凍ケースこそが満州の特長で、
持ち帰り用の餃子を買い求める人が次から次へとやってくる
(追記:調べたら西武線や中央線沿線に、都内の店舗もありました。それと本日は飯能店の餃子特売日だったようです。)


飯能駅のトイレでシャツだけ着替えてから帰る
天覧山はまあ予想通りの山だったが、多峯主山は思いの外静かで良い山だった

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