2015年11月10日火曜日

テントの遍歴

山登りを初めてからテント泊するようになるまでが結構長かった
基本ソロなので、試行錯誤するにも慎重になりがちで、なかなかテント泊というものに踏みきれなかったというのもある
これまでに買ったテントを振り返りつつ、その辺を思い出してみる


アライ スーパーライトツェルト1
幅90 長さ200 高さ90 本体のみで280g 9800円位
テント泊の為に買ったのではない
多くの登山本やサイトで非常用装備として持つ事を推奨していたから
大雪山の遭難事故でもツェルトで荒天をビバーグしてやり過ごした人は死なずに済んだという記事も見た
そんなわけで用意はしていたが、もっぱらザックの底にしまったきり
いざという時の使い方を理解していたかは怪しい
敷物に使うには高価でもったいないしね

でもテント泊を意識しだした時、4万円前後する高価な山岳用テントでなく、こいつで寝られないかと最初に考えたの
で、試しに奥多摩のキャンプ場で張ってみた
寝ることは寝られる
でも本当に寝るだけ
上半身をおこすと頭がツェルトに接触する
荷物も中にはおけない
何より僅かな微風でもツェルト側面が内側にたわんで、圧迫感がひどい
やはりテントが要るなあと思った次第



キャプテンスタッグ リベロツーリングテント
幅130 長さ210 高さ120 約3kg 4800円
そんなわけで買ったテントがこいつ
庶民の味方、鹿番長
今はもう+2000円位するが、当時はAmazonで4800円で買えた
オーソドクスなクロスドームのダブルウォール構造
クロスドームにしては非常に高さがあって中は広々
インナーの天井に換気口が開いていて、フライのベンチレーションと合わせて結露しらず
長辺側の両側に入り口があって、メッシュにも出来る
と、寒い時期以外ならばとても快適なテントだった

が、すぐに使わなくなる
理由は「でかくて重い」から
重いのはまだしも、でかいのは本当に困る
何しろザックの中にしまえない
かと言ってマットのようにザックの外付けにするには重すぎて重量バランスに深刻な問題となる
背が高いのも強風下では心配、なによりこいつはフライに張り綱を張れないのだ

商品名にもズバリうたっているけど、ツーリング用なのよね
根性でカバー出来ると思ったのは無知ゆえ
勉強代としては安いものです



WILD-1 トレックドーム2
幅120 長さ210 高さ100 約2.3kg 10800円位

画像は現行モデル、趣味の悪い紫のフライが悪評高い
私が買った時は緑色だった

こいつはすごい
基本的な構造はまんま定番中の定番であるアライのエアライズ2を踏襲している
それでいて入り口を2箇所に増やして両方メッシュをつけることで、エアライズの不満点である暑苦しさを解消している
その分600g程度エアライズよりも重くなっているが、29000円も安いのだから文句は言うまい
雪山には行かないしね
そんなわけで現在の愛用テントとなっている
現行の紫は買いたくないので、今のを大切に使う所存
そうは言ってもテントは5年もすればダメになる消耗品だけどね

肝心の山岳テントとしての性能はどうなのか
主にフレームの合金の強度とか、耐風性能とか
これに関してはエアライズを使ったことがないので、「分からん」としか言いようが無い

南アルプスの北岳に登った時、白根御池小屋にテントを張った
中腹の樹林帯のテント場なので風は特に心配していなかったがこれがとんでもない間違いで
夜になると西からの風が八本歯のコルを超えて大樺沢を吹き下ろし、この強風が向かいの山の中腹にあるテント場を直撃したのだ
大きく内側にたわむフレームが心配で、寝ながらずっと内側から手でおさえていた

これはフレームの剛性どうこうよりも、風上側のアンカーにした石が軽かったからだろう
(ペグははなから持って行かなかった)
実際朝、テントから出てみると張り綱が弛んでいたし
実績のある山岳テントでも、ダメな時はダメというし、使い方次第じゃないかなあ



アライ スーパーライトツェルト2
幅130 長さ210 高さ90 本体のみで395g 13800円
トレックドームに満足しているのになぜこれを、よりによって2つ目のツェルトを買ったのか
ちと説明(いいわけ)が要るかな
きっかけは上記の北岳の際、広河原から白根御池小屋までの急登を、テント泊装備を背負って登るのにほとほと疲れ果ててしまった事
無論これは私の体力の問題で、テントに罪はない
罪はないのだが……自分の腹を棚に上げて装備を軽量化したいと強く思ったのも事実
またこの時暑くて寝袋を使わなかった
装備が「オーバースペック」なのだと気づいた

基本的に私は
 ・雨が予想される時は山に行かない。予定はキャンセル
 ・テントをかついでの縦走はしない。麓や中腹にテントはおいての山頂ピストンや周回を取る
 ・故に風の強い稜線上にテントを張ることも(あまり)ない
 ・一泊が多く、せいぜい二泊。三泊以上の長期縦走は基本的に無い
 ・冬はアルプスとかの雪山には行かず、首都圏の日帰り登山ばかりになる

この点から装備を見直すと
 ・テントの耐雨・耐寒・耐風性能は過剰
 ・夏ならば寝袋は不要、明け方寒ければアルミシートをかぶれば充分
 ・一泊程度ならば初日の朝に買ったおにぎりサンドイッチで持つ。
  調理や暖を取るためのストーブや調理器具は不要

といった具合で大幅に軽量化出来る事に気づいた
そこでテントの代わりになるものとしてシェルター類、
その中でも安価で小型軽量なツェルトが良いという結論になった
ただ手持ちのツェルトは小さすぎるので、全メーカーのツェルトを比較して一番大きなものを選んだら、結局またアライだったという次第でして

このテント無し・寝袋無し・調理器具無しにしてからというもの、45Lザックで足りるようになった
(マットは外付けにするけど)
荷物も軽くて歩くのも軽快になる
無論、テントが必要な事もあるだろうから今後は使い分ける事になりそうだ



これまで買った4つを合計すれば、エアライズなりステラリッジが買えたのでは?
というツッコミはご勘弁願いたい
山岳テントというものに必要な性能は何か
自分の山行スタイルで必要なもの・不要なものは何か
そういったものを身をもって知ることが出来たので「勉強代」というやつです


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