2023年12月11日月曜日

2023/12/8(金)~9(土) 雲取山(富田新道)

・行き(平日ダイヤ)
0537 王子
0554 四ツ谷 209円
0603 四ツ谷
0643 立川
0654 立川
0725 青梅
0727 青梅
0805 奥多摩 1110円
0810 奥多摩駅 奥20鍾乳洞行
0841 鍾乳洞 568円

・コースタイム(守屋地図)
鍾乳洞バス停
↓0:50
八丁橋
↓1:00
名栗沢橋
↓0:30
唐松林道入口
↓0:35
分岐
↓3:10
小雲取山
↓0:30
雲取山
↓0:25
雲取山荘

・鴨沢からの帰りのバス(土日ダイヤ)
0946(鴨沢西).1001(丹波山).1052(丹波山)

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雲取山は東京埼玉山梨の三県境の山であり、日本百名山の一座にして東京都の最高峰である。
このブロクでも、記事にしていないものも含め、何度も登っている。
ただコースとしては、南の山梨の鴨沢集落からの道と、北の秩父の三峰神社からの道の二つが飛びぬけてメジャーコースであり、そのほかはややマイナーになる。
私の勝手な想像だが。
メジャーさで言えば、3番手が三条の湯からのコースで、4番手が日原からのコースではなかろうか。
今回この日原から登ってみる。
単純にコースタイムが長いため、かつての私には厳しいと遠ざけていたのだが。
今の私ならば7時間くらいでも歩けるので、行けるうちに一度行っておこうと思う。

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1.日原林道のアプローチ
2.唐松谷林道入口から富田新道分岐まで
3.富田新道~小雲取山
4.その後


1.日原林道のアプローチ

奥多摩駅からバスにのり、終点鍾乳洞バス停でおりる。
土日祝は東日原止まりだが、平日は鍾乳洞までバスが入る。

訪問する側の感覚としては、観光地である鍾乳洞まで土日祝こそ行くべきでは?と思うが。
日原路線は住民のための生活路線なので。
子供の通学や老人の通院のための足、そのニーズがある平日こそ、集落の中まで入る必要があるという事なのだろう。
道が狭いので、バスが転回できるとこが鍾乳洞バス停なだけで。


日原林道に入る。後山林道と同程度には手が入っている。
ひび割れなどが若干見えるものの現役の林道のようで、トラックが2台追い抜いていった。



電柱は古めかしい木の電柱。
でんしんばしらという言い方の方が似合いそうだ。
NTTの電柱標識をみると、電電公社時代のものだ。
線路名は天祖支○号
もう一つの標識は東電?
線路名は孫惣線〇号、特徴のある書体と昭和43年の記載。


日原林道を歩く。
途中車が停めてあり、写真を撮っている二人連れがいた。



八丁橋。
道なりには北へ、電柱も北へ向かうが、そちらは孫惣谷林道。
石灰の採掘現場があるらしい。
日原林道は西へ続くが、そちらはロープが張られ一般車両侵入禁止となっている。


ロープを跨いで日原林道を進むと、すぐにゲートが見える。
その手前右手に天祖山方面への取り付きがある。
私は行ったことないが、昔聞いた話ではだいぶ取り付きが悪いとか。
だが今見た感じだと直したっぽいな。




日原林道をてくてく歩く。
ゲートを過ぎても道の状態は良く、現役で利用されている林道なのだろう。
擁壁の切れ目の上を見れば植林帯であり、石灰だけでなく林業での利用もありそうだ。


さて。
今回の目的の一つに名栗沢小屋の痕跡を探してみたかった。
高齢の友人の、彼の中学生の頃の山行記録を読んだのだが。
昭和30年代後半・1960年過ぎだろうか、日原から雲取山を目指し名栗沢小屋で一泊したらしい。
営林小屋であり、登山者用の小屋ではないようだが……当時でも崩壊が進んでいて小屋の中でテントを張る必要があったと。
60年後の現在に小屋が残っているはずもないが。
ネット上の山行記録を漁ると「名栗沢小屋跡」という地名を 通過ポイントとして記述している人は複数いるのだ。
そこで、もう山には登れない彼のために、少年時代の記憶にある地の現在の姿を見てこようと思ったのだ。



結果から言うと場所を特定できなかった。
守屋地図には名栗沢・名栗沢橋の記載があるので、おそらくその辺りのはずだが。
橋の少し手前のここか……



ないし橋を渡ったすぐ先に少し開けた場所があるので。
強いて言えばそこに小屋があったのかもしれない 。



ただし名栗沢橋の完成が昭和42年とある。
当時はまだこの橋ではない。
この日原林道の姿自体が昭和30年代とはもうまったく異なる姿なのかもしれない。


さらに歩いて。
谷を挟んだ向かいの山で車両が動いたような気配にハッと顔を上げる。




トラックや重機が置かれている。
やはり今も手の入っている林道のようだ。
ただここには人の気配が無い。

そこから少し歩ってるとトラックが向こうから降りてきた。
脇に退け、帽子のつばに手をやって会釈すると、愛想のいい運転手が後ろからもう1台来るよと教えてくれる。




ただその2台目とすれ違うより先に、私が唐松谷林道入口に到着した。
そういやトラックの荷台には木クズ石まじりの土砂を積んでいたような。
重機の置いてる場所の看板には林道の開通工事とあったが。
もし大ダワ林道が復旧に向けて動いてるのだとしたら、いつかまた通れるようになるだろうか。


2.唐松谷林道入口から富田新道分岐まで

まずは谷に向かって下っていく。

唐松谷林道とは言うが、普通に山道。
林道という言葉の意味するもの・定義は時代により管理者により幅がある。
林業の為の作業道であれば、徒歩でしか通れなくとも林道と呼ばれることもあるだろうか。




下った先の吊橋はしっかりした作りで不安はない。
渡った先で手袋・ストック等の準備をする。




踏み跡はあるが、落ち葉の時期もあってやや不明瞭。
散逸している、といったほうが正確かな。
不正解でも登ろうと思えば登れてしまう地形なので。
リボンテープを頼りに道を見つけながら登っていく。



分岐点。
ここから唐松谷林道は通行止めとなり、野陣尾根=富田新道に入る。

しかし妙だ。
唐松谷林道の終点、すなわちブナ坂十字路へ北側からあがってくる道は、軽トラはともかくクローラー車両ならば通れるだけの 広くて平らな道だった。
その道の下部側がこんな細い山道というのは妙じゃないか?。
推測になるが。
どこからか大きく迂回するように林道がつながっているのかも。
その場合、ここはまだ唐松谷林道ではない無関係の山道という事になる。
もう一つの可能性は、ブナ坂十字路こそが唐松谷林道の起点で、そこから下っていく途中で林道は途切れている……その場合もここは唐松谷林道ではないな。


よく見ればここの標識も「唐松谷に沿って」とあるが、唐松谷林道とは書いてないし。

ここから小雲取山まで山高地図で3時間半。
気合入れていこう。
ちなみに守屋地図だと3時間10分。
守屋地図の方が短いという珍しいパターン。
鴨沢ルートで言えば堂所くらいの標高だが。
あっちは道がいいし単純比較はできない。


3.富田新道~小雲取山


野陣尾根の末端部は少し嫌な道だった。
高度感のある急斜面の、ザレ気味のか細いトラバースがある。
いわゆるサオラ峠・丹波天平あたりようなやつ。
下りでは使いたくないかも。




地図上では線がジグザグのとこを抜け、このあたりまでくるとしっかりと尾根に乗り、もう緊張する箇所は無い。
小腹が減ったので一口羊羹をかじる。




しかし意外と尾根が太い。
踏み跡は薄く広く左右に散らばっている。
尾根通しのコースにも関わらず、リボンテープのマーキングは多い。
確かにリボンを見て、ああ、ここでそっちに戻るのかと判断するようなのが多数。
これ、登りだからいいけど、下りだとマーキングが無いと困るかもしれない。




途中、尾根筋に対して横から合流するような場所があった。
等高線からは読み取りにくいのだが。
ここはさすがに、下りで間違えて尾根筋を直進しないようにトラロープでとうせんぼがしてあった。


1700mを越えたあたりでようやく尾根道らしく展望が開けてくる。
芋ノ木ドッケの東側に似ているかな。
鹿がやたらと多いのも。
警戒心が強く、すぐ逃げてしまうので写真には撮れず。



権衛ノ頭まで来ると正面に小雲取山〜雲取山が見えてくる。
こうして東側から見ると一つの山に見えるな。
いや実際その通りで、小雲取山は別に前衛峰ではなく、南側の肩のようなとこだが。
鴨沢から登ってくると、疲労もあいまって小雲取への上りが一番ツライ。
なのでここを一つの峰として達成感を得たい気持ちは分かる。
富士山の展望は雲取山よりも良いしね。





小雲取山へ最後の一登り。
つかれたぁ。


4.その後


今回に限っては、雲取山はついでのオマケ。




富田新道を拓いた、鎌仙人こと富田治三郎さんを表敬訪問。
いやー、キツイ道でしたよ。

まず単純にアプローチが長い。
かつややマイナールートという点では後山林道+ヨモギ尾根に近いかも。
でもあっちよりもきつかったかな。
感覚的にはここが実線のコースというのはやや疑問があるよ。
特に下りではややルーファイを求められる。
守屋地図なら紫線相当に近くないか?
まあ。長沢背稜も三条の湯も奥秩父縦走路もそれなりにキツイ。
鴨沢コースと三峯神社コースが異様に歩きやすい高速道路なので。
あっちを基準にしたらダメよね。



雲取山荘周りには雪がちらほら。
凍結はしておらず軽アイゼンはまだ必要ない。
水場はもう止めてある。
テントの受付をし、日本酒を一本と水を分けてもらう。
水はお一人様最大2Lまで。


15時すぎだが、この時点では先客は3張り。
最終的に10張くらいにはなったかな?


ツェルトを張り、中で一息つく。
そこまで寒いという感じはしなかったが、温度計は15時台で既に-5℃。
そりゃ水場も止まるはずだ。
今夜は厳しい寒さになるかもなあ。


雲取山荘で買った秩父錦を温めて、身体の中から温まる。
持参したウィスキーも沸かした熱湯で割って飲む。


酔って寝て、夜中の1時頃にラーメン。
こないだの秋山山稜と同じパターンだな。


5時に起きて朝ごはんは味噌汁とカフェオレ。
鴨沢へ降りるだけなので簡単でいいや。
ツェルト内だけど気温はマイナス4℃。
意外と寒くならなかったな。
いや、昨日の午後が例年よりもだいぶ寒かったのか。




6時過ぎに撤収。
ヘッデンを点けて歩き出す。




簡単でいいや、とは思ったが。
やっぱりお腹がすいて脚に力が入らないので羊羹で糖分補給。
このファミマのあんバター羊羹うまいな。
アンコトーストの味わい。
帰りにファミマに寄って買い足した。




ブナ坂十字路の北側、唐松谷林道方面はこんな。
こっちももうずっと通行止めな印象だけど。
一度は通行止め解除されたのに、昨年あたりにまた通行止めになったのだっけ?
ちょっと記憶があやふや。



小袖に降りてきたのが9:31。
鴨沢9:46は間に合わないな、と判断。
その20分後の次は丹波山から来るので、所畑に下山しました。

次、日原方面に来るなら、天祖山かニ軒小屋尾根に行きたいね。


ヤナギコージへ寄って一杯。
生き返る~


鹿肉のシチューとわさび丼も。
最近、わさび丼はあれば食べてる。
すりおろしたての新鮮なわさびで食べるような印象だったが、実際のとこ、いくら上等でもわさびだけで飯は食えない。
他の薬味との組み合わせの妙が要る。
あくまでわさびは引き立て役だと思うな。

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