2023年11月10日金曜日

2023/11/9(木) 石灰の街・横瀬

 今日は日帰りでさくりと。
名郷を起点に、蕨山~ウノタワ~妻坂峠、と時計回りに周回し、最後に横瀬駅へ。
ウノタワの紅葉が目当てだったがいまいちで。
生川の石灰工場群が印象深かったというお話。




飯能駅からバスにのり、名郷バス停から。
雨は降らないと思うが、どんよりしている。


林道終点で身支度。
正面に堰堤があり、そちらを越える踏み跡もあるが。
蕨山へは右手に進む。

まずは西の方に進んで、蕨山の北尾根に乗るまでは植林帯の中を行く。
作業用の踏み跡も多いので、地図を何度か確認する。



尾根にのってしまえばあとは迷いようもない。
名郷から蕨山へは道のりが短いぶん急登でした。
ところどころ岩場もあり。
ただ傾斜はそれほどでもなく掴まる岩角や木の根も豊富なので難しいとこは無かった。

名栗村の標識。
平成の大合併で飯能市に組み込まれたので30年以上は前の設置か。




蕨山の最高点。
名栗周辺の山はさんざん登っておきながら、実は蕨山は初めてだったり。
ここは展望が無いが、東の展望台の方は良いらしい。



逆川乗越。
近くを舗装林道が走り、ここまで未舗装林道も3本来ている峠。
水はないが山中ビバーグには良さげな場所。




急登をヒィコラ登って橋小屋ノ頭。
看板は有間山。
山高地図にもあるけど、有間山というピークは無くて、このあたりの南北に走る稜線の名前なんですな。

ここから北へ。
しかし稜線上は雲がかかり、風が冷たい。
動けば汗をかくが、かといってTシャツ2枚では少し寒い。
今の時期は服装に悩む。

ヤシンタイノ頭。


1000m程度の稜線上なのにススキ藪。


続いてしょうじくぼの頭


そして滝ノ入頭、
と頭が続く。
〇〇の頭、というのは谷筋沢筋をずっと稜線上にまでたどった場所の事。
地図にもヤシンタイ谷という文字がみえる。
しかしヤシンタイとは何か、さっぱり分からん。
たぶん地元の古老に聞いても分からなく意味が失伝して音だけが伝わってるパターンかな。
しょうじくぼは、ショウジ窪だろう。窪というは谷筋の意味だったはず。
ショウジが何かはともかく。



南側から鳥首峠へ下る場所にさしかかる。
むむ。これは。



ちょっとした急降下で気を使う。
ただステップは切られており、このあたりの山域にありがちなザレザレの急斜面に足を置かねばならない嫌な感じではない。
右側の谷は切れ落ちてるので近づけないが、左側のザイルは適時頼らせてもらう。


鳥首峠。
今日歩いた区間のうち、鳥首峠〜ウノタワ間だけは過去に一度歩いてる。
人気の区間であり、ここでだけやたらと高齢ハイカーと行き交う。

ウノタワまで行って休憩にするつもりだったけど。
どうにもエネルギー&カフェイン切れを感じて鉄塔跡地で休憩。
一口羊羹(150gで10口くらいある)でカロリー補給。
一口羊羹はアメリカでいうチョコレートバーの日本版みたいな存在だと思ってるけど。
そういや本家アメリカのスニッカーズとかキットカットも規制で小さくなってしまい「バー」って感じじゃなくなったな。

さて。ウノタワ。
標高的にそろそろ紅葉の見頃かなと思って本日こちらに来たのだけど。




うーん!?
一部これから色づくような枝も若干ありはするが、おおかた落葉してしまっている。
今年の夏秋も大概な異常気象だったから、そのせいかな。






ウノタワから大持山への急斜面が本日一番の枝ぶりでした。
曇天&スマホなのでいまいちバエないが。

ガサガサと落葉を踏む秋の奥


横倉山をすぎ、次の大持山を見る。
少し疲れてきたな。
アレを登っても、すぐ東へ下るのだし、東側へのトラバースが無いだろうか?
と期待したが、東側は急斜面で路はなさそうだ。
もっとも、見ての通り東側は植林帯で、林業者はここに入って作業したはずなのだろうが。


大持山の東の分岐。
ここから山頂まで行ってきてもすぐなのだろうが。
疲れちゃったのでさっさと東へ下る。


妻坂峠までは広くて岩場もなく歩きやすい下り。


地図で急坂と書かれている場所も、それほどでもない。


妻坂峠は飯能から名栗を経由して秩父と往来する古い街道の峠。


峠に近い上のほうこそ道が細いものの、降りていくとしっかりとした踏み跡のジグザグ道になる。



そんなこんなで一の鳥居に下山。
ニュースで見た新しいトイレも見える。

さて。
今日はまだ時間も早いので横瀬駅まで歩いてみる。
思えばこれまで親切な人が車に乗せてくれたり、タクシー使ったりで歩いたことがなかった。
今回はまあ、ぶっちゃけタクシー代をケチっただけですが。


一の鳥居に近い場所には別荘もいくつか建っている。



生川の石灰工場群の中を行く。

石灰を積んだダンプが行き交い、道は白くそまる。
正直歩きを楽しみたい道ではないと思っていたが……




奥多摩の曳鉄線(トロッコケーブルカー)に相当するのは、ここ武甲山において北面で採取した石灰を麓に下ろす部分で。
見ることはできない。
その代わり生川の道沿いの猫の額の狭い土地に工場が並び、そこで最終的に生石灰になったものがダンプに積まれて搬出されていくのを見ることになる。
思った以上に迫力のあるヤマの世界だ。
鉱山と書いてヤマと読むアレ。



このあたりまで来てようやく民家らしき建物も出てくる。
ただ鉱業会社の建物と民家との間にはっきりした境界はなく、入り混じってる。
徐々に民家らしき建物が増えてくる感じ。

ただ山に近い方のは、純粋な民家なのか。
目の前の道をダンプが飛び交い、風が石灰の粉塵を運んでくる。
道は白く染まり、私の吸う空気にも石灰の匂いが混じる。
住むにはちょっと酷だ。
実際は住んでなかったり、鉱業会社のなんかだったりするのかも。

西武秩父線の線路が近くなってから振り返る。
あの武甲山の左脇から降りてきた。

東を向くと二子山が二子山だ。

西武線の線路沿いに、田舎に似合わない集合住宅。
三菱マテリアルの敷地なので、社宅とかなのだろう。
駅近くにまでなるとこぎれいで、鉱山の会社というよりも、普通に大企業の地方営業所といった風情。

駅の併設の食堂は食事は15時でLO、後はドリンクのみとのことなのでスルー。
住宅地の中にある札所9番。

横瀬小は工事が終わってきれいな校舎になったようだ。
校舎を直せるほど子供がたくさんいるというのはありがたい事なのだろう。
私の田舎の母校の小中は、子供が少なくなりすぎて廃校になってしまった。
そして横瀬町にそれだけの人が住み、子育て世帯がいるのは、鉱業のおかげでもあるのだろう。

16時過ぎに武甲温泉へゴール。
8時間ちょいか、今日も良く歩いた。

ソースカツ丼を頼んだら、秩父式に薄く叩いたカツが2枚。甘めのタレにくぐらせたやつだ。
秩父式に1枚でビールをのみ、もう1枚で飯を食う。
む。そうなるとホルモン唐揚げが余計だったかな。
しかたない、ビールをもう一本。

すっかり暗くなってから駅へ向かう。

特急券をかって横瀬駅のホーム。
ホームの東の方からゴオンゴオンという操業音がこの時間になっても響いてくる。
過去にもなんども聞いいている筈だが、今日初めてそれが何なのかを理解した。
タクシーで飛ばしてたら気づかなかったが、横瀬は思った以上に石灰の街だったのだな。
歩いてその目で見て理解する事を大切にしたい。

0 件のコメント:

コメントを投稿