2019年5月12日日曜日

2019/5/3金 奥多摩三大急登筆頭@鷹ノ巣山(稲村岩尾根)

2019/5/3金 奥多摩三大急登筆頭@鷹ノ巣山(稲村岩尾根)

GW前半の八ヶ岳は消化不良ぎみ。
あれはあれで楽しかったけど。
後半は山以外の予定もあり、あまり余裕がない。
なんとか一泊できるかな?とも思ったが、一泊するとどうしても一日あたりを軽めの計画で組んでしまう。
少々体に堪える日帰りにしよう。
標高差1200m位で、といえば塔ノ岳が思う浮かぶが、久しぶりに鷹ノ巣山に登ってみようか。

新宿駅のホリデー快速1号は出発の10分前には座席がすべて埋まった。
後ろから2両目の後ろから2つ目のドア付近に座っていたが、それでも奥多摩駅ホームに出るのが遅れ人混みに捕まってしまう。
奥多摩駅前の日原方面行きバス乗り場は今まで見た中で最も行列が長かった。
それでもなんとか1台目のバスには乗れた。


終点の東日原バス停。
水分は900mlのポカリと、500mlの炭酸水を持ってきているが、今日は暑そうだ。
郵便局前の自販機で500mlのお茶を買い足しておく。


まだ八重桜が咲いている。


中日原バス停(平日しかバスが通らない)の少し先に、鷹ノ巣山への入り口がある。
眼の前の稲村岩が迫力ある。
ここで身支度する。
東日原から少し歩いてきただけでもう体があったまった。
ベストだけでなくジャージも脱いで、Tシャツ1枚になる。


9:11出発
まずは川に向かって降りていかないといけない。


巳ノ戸橋
ここが最低標高点になり、ここから登っていく。


標高560m
鷹ノ巣山が鷹ノ巣山が1736mなので、単純標高差は1176m。


まずは稲村岩の北側を迂回して、稲村岩の裏のコルに乗るまで約1時間。


稲村岩の北側の沢沿いにでるとコルジュめいた迫力ある風景になる。


新緑が眩しい。


沢を少し詰め、稲村岩のコルへ向かって急斜面を登っていく。


御代官様の大好きな色の花


稲村岩のコル手前。
急斜面に対して踏み跡は細い。
今日は地面が乾燥しているから良いが、凍結・ぬかるみのある時は滑落に注意。
実際遭難の多い場所でもある。


稲村岩のコルに到着。
適当な木の根っこに腰を降ろして小休止する。
この稲村岩尾根は後述する一つのベンチ以外腰をおろせるような適当なところが無い。
折りたたみ座布団とかの敷物があってもいいかもしれない。


ここから鷹ノ巣山に向かって、ひたすら尾根沿いを登っていく。
コースタイムは守屋地図で2:20
東日原からここまでの1:00と合わせて3:20になる。

標高差1200mほどあるのに3:20?と不思議に思うかもしれない。
守屋地図は想定登山者が「60歳男性・小屋泊まり一泊の荷物」なのでコースタイムは割と甘めの設定なのだが、それにしてもスパルタンに感じる。

ここが登山地図のコースタイムのちょっとわかりにくい所で、
守屋地図に限らず登山地図のコースタイムとは、大きな休憩は除いて、その区間をペースを保って歩いた場合の所要時間の目安なのだ。
つまりその区間をペースを保って=余裕をもって歩き通せるだけの体力があることを前提としている。

体力のない初心者が、5時間のコースタイムを見て「6~7時間で着くかな?」と考えるのは根本的かつありがちな勘違いで。
途中でバテてしまえば何時間かかろうと着かない。
故にコースタイムの大小で判断するのではなく、標高差や道の良し悪しからどの程度の体力を要するのかを読み取らなければならない。
その上で体力的に大丈夫だ、となったとき、初めてコースタイムが目安になる。
これは私も山登りを始めたての頃に苦しめられた。
ガイドブックによってはコースのグレードを「体力度」「技術度」でグレーディングしていたりするけど、正直あれわかりにくい。

話をこの稲村岩尾根に戻すが、これだけの標高差がありながらコースタイムが短めの設定なのは、(充分な体力があるのを前提とするが)時間単位で高度を稼ぎやすいということでもある。
つまり通過に慎重さを要求するような危険箇所はないが、急登であると。


この稲村岩尾根を登るのは三度目になる。
最初は確か、富士山に登ったものの高山病になってしまい予定を切り上げて下山した翌日。
空いた予定の埋め合わせにここに来たのだが、なぜか高山病のような症状(頭痛と吐き気)が再発してしまい、途中で下山したのだったけ。
二回目はテント泊装備を背負って、鷹ノ巣山経由で七ツ石小屋まで行こうと計画していたが。
荷物の重さとこの急登にへばってしまい、鷹ノ巣山山頂に着いたのが15時半ごろ。かつヘトヘトで。観念して鷹ノ巣山避難小屋に泊まったのだったなあ。
どちらももうだいぶ昔の話だ。

このブログでも何度か言及したが、「奥多摩三大急登」というものがある。
しかし名前だけあって、その3つがなんなのかが定まっておらず人によって挙げるものが異なる。
それでもこの稲村岩尾根は、まず誰もが3つのうちに入れるという筆頭格なのだ。
「日本三大急登」「アルプス三大急登」、といった場合の「急登」とはある種の畏敬を込めて呼ばれているように思う。
単なる標高差や平均傾斜ではないのだ。
山の格ともいうべきものがあるように、急登にも格があるように思える。
その点この稲村岩尾根は、標高差や傾斜度もさりながら、鷹ノ巣山から東北へ一直線に伸びる一本の刃のような鋭さが立派で格としても申し分ない。


ずっと上りが続くが、一箇所だけちょっと下る場所がある。
ここが、


ヒルメシクイノタワ。
日原から登ってくると、ここでお昼頃になる。
急登でくたびれるのもあるし、
「もういいや、ここでお昼にしようぜ」
と言いたくなる気持ちもわかる。
私もおにぎりを一つだけ食べよう。

昨日ジムで筋トレに勤しんだ結果の筋肉痛がまだ残っているためか、
ペースを上げないようにゆくっり歩いてきたが、正直ややバテ気味。
足が重くなってきている。



地図にあるように「午飯喰いのタワ」とうっすら書かれた古標識がある。


北側の八丁山・お伊勢山からの紫線ルートがあるはずだが、


どこにも踏み跡は見えない。
通行は不可能ではないが、急斜面。
守屋地図の解説ではなかなかおもしろそうなコースっぽいのだが。


息を整えながら最後の登りをゆけば、


ああ、やっとついた


鷹ノ巣山到着。


登山口から3:40ほどかかった。いや東日原バス停からの車道歩きをいれれば3:50か?
でも標高差から考えればそんなもんだよなあ。
今日は体調がイマイチだったけど、私としては悪くないタイムだと思う。


遅めのお昼を食べながら南面の展望を満喫する。
すぐ手前は左に奥多摩湖へ降りる榧ノ木尾根、中央に峰谷に降りる浅間尾根、右に留浦へ続く赤指尾根。
中景、青梅街道の向こうを見れば左から大岳山・御前山・三頭山の奥多摩三山。三頭山の右手に牛の寝通りを経て大菩薩の2000m級の山並み。
遠景には左に丹沢山塊、右には富士山も薄っすらと見える。
いや、いい眺めだなあ。

小一時間ほど眺めを堪能したのち、下山する。
下山ルートは決めていなかったのだが……
峰谷に降りるとバスの時間が悪い。結局青梅街道まで歩くことになる。
赤指尾根や榧ノ木尾根、あるいは水根沢林道で青梅街道へ降りるのはちょっと時間がかかる。
脚の筋肉痛もあるし、今日は早めに帰りたいのだが。


もと来た稲村岩尾根を日原へ下山する。
これが一番早い上、日原から奥多摩駅へのバスはほぼ1時間に1本あるので間違いがないのだ。


この右手に転がされている丸太。
登ってくる時は確信が持てなかったが、どうやらこれが地図に記載されている「ベンチ」らしい。
急降下は膝に堪えるので腰掛けて休む。
地面を別にすれば、座れる場所がまったくないコースゆえ、こんなベンチでもあるのはありがたい。

休みながら考えたが、この稲村岩尾根コースを4等分するならば。
・東日原バス停~稲村岩のコル
・稲村岩のコル~このベンチ
・このベンチ~ヒルメシクイノタワ
・ヒルメシクイノタワ~鷹ノ巣山
ということになるだろうか。
なるほど、一番長い区間の中間ベンチとして、休憩ポイントを知らせる役目でもあるのかな。

急降下で脚がくたびれたからか、20分ばかしぼーっとしてしまったか。
この稲村岩尾根、3回のぼって3回とも楽はさせてもらえない。
急登であることももちろんだが、稲村岩のコルから山頂まで、とくかく風景に変化が無いのが辛い。


稲村岩のコルまで降りてきた。
木の根に腰掛けて再度休憩。
ここからの下りは気をつけないとな。
さて、日原からのバスの時間はどんなもんかな?と調べると。
次のバスが50分後。
バス停までのコースタイムも50分。
これは。ちょっと急いでみようか。


登山口にあがったのがバス出発の10分前。
やれやれ、洗い場でストックの泥をすすいで畳みながら東日原バス停へ向かう。
奥多摩駅からやってきたバスは、午後のこんな時間なのに結構乗客がいた。
鍾乳洞を見に行く人たちのようだが、こんな遅い時間にくるものだろうか。



四ツ谷駅で乗り換えついでに姜大公で一杯やってから帰る。
中央線利用のときはここに寄るのが習慣になりつつある。
めちゃくちゃ美味しい!って程でもないのだが。
「中国人がやっている中華料理屋」に求めるレベルはクリアしていて、かつ混んでいない、というのがいい。
羊肉とネギとアスパラの炒めもの。それと麻辣水餃子をビールで流し込む。

楽しかったGWもぼちぼちおしまい。残りは実家の親に顔を見せにいこうか。

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