2018年2月24日土曜日

2018/2/24土 城山でホットワイン

2018/2/24土 城山でホットワイン

奥多摩まで行って、倉戸口バス停から水根山までピストンか、水根バス停から六ツ石山に登って石尾根を奥多摩駅まで降りてこようか
そんなことを考えていたのだが
このところの仕事の疲れからか二度寝してしまった
とはいえ心身のバランス維持のためにも少しは山歩きしたい
こんな時はまあ、いつものことだけど手軽な近場の高尾周辺になる

8時過ぎに家をでて、いつものようにマックで朝飯をかじってから電車に乗る
泥縄だが乗ってからバスの時刻を調べる
藤野駅から和田方面も、高尾駅から陣馬高原下も、バス待ち時間が長くなる
消去法で小仏か
んー、でもなんだか小仏バス停からあの車道を歩くって気分じゃないんだ
それとあまり人のいないところがいい
(高尾に来ておいてそれは無理な相談ってやつだが)

そうだ、日影から城山の東尾根を登ろう
過去2回登っているが、高尾周辺にしては人も少なく気持ちのいい道だったはずだ



 日影バス停で降りる
いつもはもっと早い時間なのでバスの乗客の殆どはハイカーなのだが
この時間(11時ころ)だと沿線住民も結構乗ってくる
病院から先、バス停ごとに降りる人がいる


 林道入口


 中継支5号柱と6号柱の間に始点がある


 特に案内はないが、代わりにこんな看板があった
沢を渡渉するが、水は少なく石も充分
対岸に踏み跡も見えているので間違えはしないだろう



 初めの急坂を登っているとすぐに体が温まり、ベストを脱いでジャージのみになる
今日はあったかいな
でも駅で見た感じ、みんなダウンとかハードシェルとかで随分と厚着だったな


 急登が一段落すると陽当りのいい開けた場所に出る
休憩にいい
このルートは超のつく初心者も来る高尾周辺にあって、案内標識がないが為に破線ルート扱いとなっているが
標識がない事以外は何の危険もない歩きやすいルートだ
ベンチ類もないが、代わりに林業者が気を利かせてくれたのか、ベンチ代わりになる太い丸太が所々転がしてある


 東に伸びる尾根で、広葉樹混じりの開放感のある明るい尾根
感じが良いです


 日影の所はまだ多少凍結が残っていたりもするが、アイゼンを出すほどでもない
傾斜も殆ど無いし


 高架鉄塔の所から南を見る
高尾~城山の向こうに丹沢?が見えるが
山はもう春霞の様相
もう少ししたら花粉も強まるだろうな


 ほんとにいい道なんだ、このルート
流石に今日は暖かい週末なので歩いている人ともそこそこ会うが


 山道が終わって再び日陰沢林道に出れば、城山頂上の電波塔がもう目の前に
山頂手前に少しだけベンチがあり、そこで料理しているソロの女性がいた
なるほど、ここも眺めは悪くないし、なにより山頂の喧騒から離れている
覚えておいてもいいな


 小仏城山到着
ちょうど昼時とあって賑わってる
渡渉点から山頂まで地図上のコースタイム1:40だが実際は1:00で着いた
私が早いのではない、コースタイムの基準が激甘な高尾山基準なのだ


 東面の眺めのいいベンチに陣取るが……
霞んで麓の高尾の町すら見えぬ


 このところの登山スタイルとして
前日の晩飯と当日の朝飯をたっぷり取り、昼飯は無しか軽めの行動食で済ます
よって調理器具の出番も減ったが……
本日はこれ
12月に買ったグリューワイン(ドイツの温めて飲むワイン、砂糖やスパイスや果汁を混ぜた甘いやつ)が2本残っていたのでそれを飲む
流石に1Lのガラス瓶はおおすぎて重い、500MLだけ水筒に入れてきた
ストーブで温めてすすると実にウマイ

これ、2/4に高水三山に登って一面銀世界の山頂で昼飯を食っていた時にやりたいなと思いついたの
生憎と酒の肴になるような雪景色も、燗酒で体を温めるような寒さも無いけれど
贅沢は言うまいて


 山頂南面の芝生に寝転がっている人がいる
私もそれするの好きなんだけど、それをするには流石にちょっとまだ寒いかな


 山桜は4月中旬から下旬にかけてだけど
よく見れば小さな蕾が見え始めている

下山場所は、相模湖にしようかともふと思ったけれど
予定通り帰りの便がいい高尾山口にしよう
しかしちょうど雪融けの時期と多すぎる登山者で地面がヌチャドロ
しかも場所によってはヌチャドロの下に凍結があったりしてなかなか嫌らしい
気をつけないと滑るよ


一丁平
ここの山桜は城山よりも少しだけ早い
蕾で桜の木全体がほんのりと赤い

その後高尾山で残りのワインを飲み、6号路で下山
新宿でICI石井を覗いたり、飯を食って帰宅
ちょっと面白いチェーンアイゼンがあったが、私の靴にあうLサイズは品切れだった
ま、もう2月も終わるし買うとしても来季でいいかな
そうだ、来季はちゃんとした冬用の靴を買おう
C1_02Sは素晴らしい軽登山靴だが、真冬にずっと雪の中を歩いていると足が冷たくなってしまうんだ
今日のようなアイゼンをつけるまでもない程度の多少の凍結にも強い靴底も欲しいし



今日のワイン
ラプンツェルというドイツのグリューワイン(ホットワイン)
クリスマスの市の名物
日本ではカルディが輸入して、毎年12月頃に店頭に並ぶ
甘くておいしいので万人向け
アルコールがだめな人は強めの燗にしてアルコールを飛ばしてしまえばいい

2018年2月18日日曜日

初心者向け、アイゼンの選び方

新しく書き直したのでこちらを見てください

軽アイゼンの選び方(2020年版)
https://yamatabinokiroku.blogspot.com/2020/05/2020.html

(2020/5/8)








前の記事は思いつくままにどんどん書き足していったら、ひどく乱雑で見苦しい記事になってしまった
なのでこちらに新しく書き直す
私自身の経験から、主に軽アイゼンの特徴を初心者向けに紹介できたらと思う

登山をはじめ、雪のある時期も低山に登ろうとする人が、何を買ったら良いかの参考にしたい
私自身ぬるいハイカーなので、森林限界を越えたガチの雪山に挑むような人には伝えられることは何もないです

また、関東甲信伊豆あたりの低山で冬に使うことを想定している
2000mくらいといっても、雲取山と東北や北海道の2000mでは大分様相が異なると思うので、他地域の方は鵜呑みにしないでください

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1.アイゼンの種類
先にカテゴリーの概要を
アイゼンとはつま先側のプレートとかかと側のプレートとを連結したつくりになっていて、六角レンチなどで靴のサイズに合わせて調整する
登山靴によってはアイゼンを装着するための溝があり、そうした靴専用のワンタッチタイプもあるが、ここでは割愛する
足裏全体を乗せるため、滑り止めとしての本来機能に関しては抜群の信頼感がある
実際の所、アイゼンといっても本当の冬季縦走用の爪の長いのと、
もう少し気軽な使用を想定した爪の短めのものとがあり、センターバーの硬さだとかもあるようだが、そのへんは私の知る範疇ではないのでこれも割愛する

軽アイゼンとは小さめの1枚プレートで靴裏の一部分のみを乗せるため、部分的に滑り止めが効かない部分が残る
その分小さく軽く、なにより軽登山靴のメリットをある程度いかせる

チェーンとは近年普及してきている軽アイゼンに代わるもので、車のタイヤにチェーンを掛けるがごとく、靴底側にチェーンを掛ける


次にどのような種類があるのかを列挙してみる
◆12本爪(アイゼン)
(ブラックダイアモンドのシラクストラップ)
アイスクライミングも含め冬季登山のあらゆる局面に対応する


◆10本爪(アイゼン)
(グリベルのG10ワイド)
12本爪とほぼ変わらないものもあるが、アイスクライミングはやらない人向けに前爪の小さな物が多い


◆8本爪(アイゼン)
(モンベルのLXTアイゼンワイド)
10本爪から前爪を除き、代わりに一番前の爪がつま先よりについている
用途としては10本爪とほぼ同じだが、ややマイナーか


◆6本爪(軽アイゼン)
(モンベルのスノースパイク6)
靴底の中ほど5~6割位をカバーする
軽アイゼンとしてはもっとも普及していて使いやすい


◆6本爪(軽アイゼン)足幅調整タイプ
(エバニューの巾調整式6本爪アイゼン)
上記の高級品
自分の靴の横幅に合わせて調整が出来るため、6本爪の悩みの「ずれる」点を軽減できる


◆4本爪(軽アイゼン)
(マウンテンダックスのHG121)
靴底の土踏まずの部分だけをカバーする
小さく軽く、値段も安価


◆4本爪(軽アイゼン)1本締めタイプ
(モンベルのスノースパイクシングルフィット)
上記の簡易版
道の状況次第で着けたり外したりするのに対応しやすい


◆チェーン
(ルッドのチェーンアイゼン)
シリコンゴムバンドで靴に引っ掛け、靴底にチェーンを掛ける
アイゼンのようにプレートが無いので靴の曲がりを妨げず、またほぼ靴底全体をカバーする


◆チェーン 爪付きタイプ
(モンベルのチェーンスパイク)
上記の進化版、最近のチェーンはほぼこれ
チェーンの一部が小さな爪になっている



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2.レビュー
(ここでの紹介は私の使った事のあるものに限る)
「大は小を兼ねる」とは言う
アイゼン本来の目的である滑り止め機能に関しては確かにそのとおりなのだが
必要の無い路面状態で使用すると、歩きにくい・体力を消耗する・登山道にダメージを与える、などのデメリットもある
その為単純に上位のものを使えばいい、と言うものでもない
まして森林限界下の樹林帯で、トレースのある一般ルートを歩くのならば、6本爪で力不足という場面はほとんどありえないのだ
そういう状況で本アイゼンはデメリットが大きすぎる
だが、他でのアイゼン案内・紹介の類をみると……他人の安全に関わることからか、どうも過剰に上位の本格アイゼンを奨める傾向にあるように思う
そうならざるを得ない理由も分からないでもないが、実際の所具体的にどんな山に・どんな時に登るのかによってベストな選択は変わってくる
(繰り返すが、私は関東周辺の森林限界よりも下の、トレースのある一般ルートを想定している)
どんなものにも長所と短所があり、一概にどれが良いとは言いにくいものであることは理解していただきたい

◆10本爪
圧雪での制動力:A
圧雪斜面での制動力:A
凍結での制動力:A
凍結斜面での制動力:A 抜群の信頼感
コツのいらなさ(制動力を効かせるのに):A つま先からかかとまで爪があり、どんな足の場面でも制動力が効く
コツのいらなさ(体力への負担面):D 重い、急斜面の登りがツライ
小回り:D でかくて置き場に困ることも。軽アイゼンと比べると靴のサイズ感が一回り大きくなったような感じ
足裏感覚:D 靴全体をプレートに乗せるので、完全に無くなる
バンドの締めつけ感:B かかと側とつま先側を前後に絞るので、意外と違和感は小さい
(雪のない)登山道へのダメージ:D 荒らしまくる
値段:D お高い

総評:滑り止めA/使いやすさC
滑り止めとしては文句なしの信頼感だが、基本的に樹林帯よりも上の、ずっと積雪があり・固くしまった状況で使うべきもの
低山ではオーバースペックで使いにい
安全第一であっても、初心者におすすめ出来るものではない


◆6本爪
圧雪での制動力:A
圧雪斜面での制動力:A
凍結での制動力:A
凍結斜面での制動力:B つま先とかかとに爪がない事に少し注意がいる
コツのいらなさ(制動力を効かせるのに):B 急斜面でかかととつま先だけを使うのは避けねばならないが、概ね使いやすい
コツのいらなさ(体力への負担面):C 10本爪よりはマシ、登りで靴のつま先を曲げられると言うのは思った以上に脚の疲労を軽減する
小回り:C 悪くはない
足裏感覚:C 靴半分強をプレートに乗せるので、歩きに応じて靴が曲がるのに多少は対応できる
バンドの締めつけ感:D 指の付け根あたりを足の甲で縛るので違和感が大きい。6本爪の欠点として靴底でずれやすいことが違和感をさらに増大させる
(雪のない)登山道へのダメージ:C 10本よりはマシだが、木の階段・木の根などへ爪を立てないように選ぶことは難しい
値段:C そこそこ

総評:滑り止めA(低山では)/使いやすさB
軽アイゼンの王道、低山で使う分には6本爪で足らないということはまずない
各地のビジターセンターなどでも雪の降った後などは「最低でも6本爪を持ってきましょう」と呼びかけることがあり、実際6本爪を持っていれば間違いがない
一方で雪が少ない状態、あるいは陽があたり雪がない場所と日影の凍結箇所が入り混じっている状態ではやはりオーバースペックで逆に歩きくくなることも少なくない
ずれやすいという6本特有の問題もある
選ぶならかかとから足首への保持のしっかりしたものが良い


◆4本爪
圧雪での制動力:B
圧雪斜面での制動力:C 登りのさい、つま先で蹴るとあっさり滑る
凍結での制動力:C つま先とかかとは添えるだけ、慎重に
凍結斜面での制動力:D チェーンと違って爪をしっかり刺せば制動は効くものの、正直かなり心もとない
コツのいらなさ(制動力を効かせるのに):D なにしろ土踏まずにしか爪がないので、しっかりと踏み込む必要がある
コツのいらなさ(体力への負担面):D 土踏まずだけに爪があるというのは一本歯の下駄のようなもので。刃の刺さらない状況では歩きにくい。ただこれは慣れれば改善出来る
小回り:A 慣れが必要だが、慣れれば小回りは大変に良い。つま先とかかとには全く滑り止めが効かないが、雪のない場面ではその部分を普段と同じように使うことができる
足裏感覚:A 同上、雪であれ、土であれ、爪が刺さる状況であれば普段の登山靴と同じ感覚
バンドの締めつけ感:B 締め付けるのが主に足の甲から土踏まずにかけて、サブとしてかかとなので、違和感は6本爪より大分マシになる
(雪のない)登山道へのダメージ:A 爪があるので土をえぐり、木道や橋を傷つけてしまうのは致し方ないが、一方で爪が土踏まずにしか無いため、慣れれば爪を立てる場所を選べるようになる。木の根や丸太の階段に爪を置かないように避けることが可能
値段:A 大変お安い

総評:滑り止めC/使いやすさA~D
玄人好み、値段のやすさに惹かれて初心者が最初に買うのはおすすめしない
滑り止めの機能・歩きやすさ共に不慣れな段階ではデメリットが大きいが、慣れてくることでメリットが大きくのびてくる
アイゼンで滑らないのではなく、アイゼンなど無くても滑らない歩き方をするべきだが、それでもつるつるの凍結や斜面の圧雪などでどうにもならない時、必要最小限の滑り止めアシストをしてくれるのが4本爪
小さくて軽いので、使うかどうか分からない残雪期にとりあえずザックに入れておく「お守り」としても良い
ただ最近はチェーンの普及に押され、山で使用している人もあまり見かけなくなった


・チェーン
圧雪での制動力:A
圧雪斜面での制動力:A つま先までカバーしているのは大きい
凍結での制動力:C カチカチに凍っているとチェーンでは食いつきが悪い。それでも平らなところならば……
凍結斜面での制動力:D 危険。小さな爪付きのやつならばいくらかはマシなのだろうか(使用経験なしのため断言できず)
コツのいらなさ(制動力を効かせるのに):A コツなど不要。靴底全体をカバーしていて・靴の曲がりに追随して・刃の出っ張りがないのだから、足をおけばチェーンが働く
コツのいらなさ(体力への負担面):A 同上
小回り:B アイゼンや軽アイゼンとは全く別のものなので評価しにくいが、悪くはない。ただ、ふかふかの新雪や圧雪の緩んだみぞれ状態で使うとチェーンが雪玉(氷玉)になって難儀することもある
足裏感覚:B 靴の曲がりに追随するのでかなり自由。とはいえ靴底と地面との間にチェーンが挟まっていることに違いはない
バンドの締めつけ感:A 皆無。ただしこれはバンドが外れるんじゃないかという不安感と表裏一体
(雪のない)登山道へのダメージ:A 4本爪のように刃の置き場を選んだりは出来ないが、そもそも刃がないので木道などへのダメージはもっとも小さいはずだ(小さい刃のあるタイプについては別考慮)
値段:B~C 安めのものから、6本爪位のものまで

総評:滑り止めA~D/使いやすさA~B
昔は「あんなもの山で使うものではない」などと言われもしたが、近年急速に普及してきている
圧雪や薄く凍った程度では充分な制動力だが、低山ではまれなカチカチに固く凍結した場面ではアイゼンの刃のようには食いつかず危険
また急斜面に立った時、靴に引っ掛けただけのゴムバンドが不安
その2点が主に批判されてきた理由なのだが、低山ならばそういう局面は少なく、またその2点を除けば非常に扱いやすい
今ではエバニューやモンベルなどからも、小さな刃のついたものがでている
冬の低山には実際の話、とても適しているのだ


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3.初心者が買うべきもの

まず最初はチェーンをおすすめする
靴裏全体に滑り止めが効いて、歩き方にコツが不要で歩きやすい
なにより雪のない場所での歩きやすさはアイゼンの比ではない為、「陽のあたる場所では雪などないが、日影では凍結している」という降雪の少ない地域の冬の低山にもっともあっている
純粋なチェーンだと凍結があった場合に不安があるが、最近のチェーンは小さな爪のついたものもあるので、その弱点も多少はカバー出来ていると思う
メーカー名のない海外製の安いやつではなく、信頼のおけるメーカーのものを買いましょう

チェーンで力不足を感じるようになったり、そういう山に行くようになったらば、次に6本爪を買えば良い
森林限界よりも下の樹林帯で、トレースのある一般ルートならば6本爪で力不足ということはまず無い
プレートがずれるのはつらいので、かかとから足首をしっかりと保持する奴がよい
予算に余裕があるなら巾を調整出来るのもいいかもしれない

6本爪では力不足というのは、つま先だけ・かかとだけでも爪を立てる必要があるということであり、つまりピッケルも必要な場所へ行くということであり
そうなったらば、熟達者・専門書・登山用品店の店員などを頼ってくださいな



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4.おまけ・私の購入履歴
アイゼンという存在すらしらず、3月の武甲山に挑んでしんどい思いをする

マウンテンダックスの4本爪
アイゼンは高い
安さに引かれて買ったはいいが、歩き方がなっておらず、充分に使いこなせず、負担に感じていた

ルッドのチェーン
そこでもっと使いやすいものはないのかと探し、当時はまだ普及していないチェーンに目をつけた
これが予想以上の使いやすさで、しばらくはこればかり使っていた
またRUDのチェーンは土踏まずの部分にチェーンがかかっていないため、凍結のある場所では4本爪を装着した上からチェーンを装着するという妙な真似もしていた
(ただこれは今でも悪くない発想だと思う)
欠点として雪の状況次第ではすぐ雪玉をまとって重くなってしまう
使っているうちに岩角を踏んで、チェーンが切れてしまった

モンベルのスノースパイク6
ここにいたり、安い物をアレコレ工夫するのではなく、ちゃんとしたものを買わねば駄目だなと思い、6本爪を買うことにした
(この時4本爪も処分してしまった)
ただ6本爪はどれも高い、そのなかで比較的安価だったこれを買った
滑り止めとしては確かに文句ないが、靴底でずれたり、バンドの締め付け感などからイマイチ好きになれない
これはたぶんモンベルのスノースパイクが良くない(プレートが小さく、ずれやすい固定方法)のであって、ものを選べばもっと快適に使えるのではないかと思う
モンベルのコンパクトスノースパイク
そうこうして経験を積むうちに、またモンベルの6本爪がイマイチ好きになれないでいると、「4本爪も実は悪くなかったのでは?使い方次第なのでは?」と思い返すようになり、再度購入したのがこれ
土踏まずだけに爪のある、カテゴリ的には4本爪だが、実際には8本爪がある変わり種
小さいながらも制動力を増すための工夫と、雪がつきにくいプレートを採用している
現在もっとも愛用しているのがこれだ

制動を効かせるのにコツが要るとは書いたが
そもそもアイゼン類を使わない状態でも滑りにくい歩き方と言うものがあり、小幅にゆっくりと歩き、垂直に足を抜き差しし、地面に平らに足を置く
こうした歩き方と4本爪の効かせ方(土踏まずの爪をしっかり差し込む)はほぼイコールなのだ

海外製のメーカー名なしの安い10本爪
https://store.shopping.yahoo.co.jp/wich/aizen10.html
ネットで検索するとよく出てくる奴
ページをみて「あっ……(お察し)」となるだろう
私も本心ではあてになどしていない
あくまで10本爪のアイゼンをちょっと経験してみるお試し程度に思っている
爪も短いしね
買ったはいいが、ずっと使っていなかった奴をここ最近使ってみた
既存メーカーのものを参考にしているようで、造りや使用感は意外と悪くはない
軽アイゼンと違い、凍結箇所での安心感信頼感はさすが抜群だが、自分の山行スタイルではそもそも10本爪は不要な物だと理解した
ちなみにケースのファスナーがいきなり割れた

(追記:VGEBYというメーカーらしい。スポーツアウトドアっぽいグッズなどを製造?販売?しているようで、箸にも棒にもかからないほどの粗悪品ってことはなさそうだが……)

2018年2月17日土曜日

2018/2/17土 川苔山

0646 新宿 ホリデー快速おくたま1号
0821 奥多摩 1080円
0835 奥多摩駅 奥21東日原行
0848 川乗橋 258円

川乗橋 標高約400m
↓CT3:30
川苔山 標高1363m
↓CT2:20
鳩ノ巣駅 標高約310m

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川苔山は奥多摩地域のなかで人気の山
ベスト10をあげれば間違いなく入るだろう
日原の東、なかば独立峰のような山で四方八方から多数のルートがある
その為一年中登山者が絶えない

そんな名山ではあるのだが、実はまだ登頂したことが無い
山登りを始めて比較的初期の頃に一度挑んだことがあったのだが
真冬に鳩ノ巣駅から登り、膝まである新雪に体力を奪われつつも大ダワまでは行ったものの、大ダワで稜線上に出た途端、冷たい西風にあっという間に体温を奪われ凍えて先に進むことができなくなったのだ
まだレイヤリングもまともに理解しておらず、冬山に挑む服装をしていなかったのだ

そのトラウマ、というわけでもないが
一時期の体力の低下などもあり、なんとなく足が向かなかった
だがいつまでも避けてもいられないだろう
最も人気のある川乗橋からのコースで登ってみたい


先週と同じ、ホリデー快速の始発に乗っていく
先週は丹波行のバスだったが、今日は日原行のバス
先週同様、川乗橋までの増発便が出た
日原行きのバスと言っても、乗客の殆どは川乗橋で降りる
皆、川苔山に登りに行くのだ



 川乗橋バス停は川乗林道の入口にある
最初は舗装された林道を歩くが、一応アイゼン以外の身支度は済ませておく



 百尋の滝(ひゃくひろのたき)という名瀑を経由する
それも人気の一つ



 最初はなだらか



 竜王橋を渡ると少し傾斜が急になる



 細倉橋
林道は続くが、川苔山へはここから山道に入る
ベンチとトイレがあるので、身支度はここでも良かったな



 最初はなだらか



 沢沿いの道で、小さな滝がいくつも見られる



 先行者が皆、橋の手前で身支度をしている
何かと橋の先を見れば、凍結している
私もここでアイゼンを準備する



 10本爪
先週、「私には必要のない道具」と結論づけたのだが
やっぱりきちんと使いこなしたともいえず、未練がある
もう一度使って、きちんと理解してみたい
それとこのルート、冬は結構な凍結路だと聞くので
周りの準備している人を見るとチェーンや6本もいるが、明らかに他の山よりも本アイゼンの使用率が高い




 そこそこ固く締まっている
アイゼンの爪がザクザクと心地よくささる



 緩やかとはいえ下りの傾斜で、なんだこのコチコチのスケートリンクは
これはチェーンでは食いつけないのでまずい
現に前を歩く男性、モンベルのチェーンで小さな爪もあるやつだが、かなり慎重に歩いている
それに比して10本爪の安心感ときたら!
ここは最低でも6本爪でないと危ないな



 たぶん山側から水が出てきて登山道を濡らすのだろう
それであんなに凍結しているのか



 崖を巻く細い道もご覧の通り
このルート、滑落事故が非常に多い
夏でもそうなのだから、凍結している時はなおさらだ



 目の前に巨大な崖がそびえる場所に出る
一休みには良さそうだが



 うん?ここを行くの?
岩場の登り……夏ならどうってこと無いが
アイゼンをつけたままだとちと面倒かも
見れば陽当りの良い南面の崖で、この上に凍結箇所があるようには見えないが
細い崖道で凍結が出てからまたアイゼンを装着するのも大変だ

どうしたものか、と横を見れば
ヘルメットをかぶり、そこそこ筋肉質の精悍そうな兄ちゃん3人組が休んでいる
見るからに山慣れてそうだ
彼らがアイゼンをつけたまま行くか、外していくか、私も小休止して見るとしよう

……つけたまま行った
OK、私もそれに倣うとしよう

予想通りというか、細い崖道をジグザグに登っていく途中に凍結はなかった
だが先週のような腐れ雪に足を取られて難儀することもなく
10本爪アイゼンでの歩行もなんとなくコツがつかめてきた
登りはかかとに重心を置くのだな
とはいえ、ある程度以上の急斜面の登りになると、軽アイゼンよりも脚に負担がかかるのは変わらない



ここが百尋の滝
近くまで寄って見てもいいかもしれないが、山道から下らないといけない
面倒なのでここから写真を撮ってそれで良しとする



 相変わらず凍結は無い、が



 場所によっては落ち葉の下に圧雪が隠れていたりする
まあ、よほど不注意な足の置き方をしなければ滑らない



 地図でも地形を確認したが、まだしばらくは陽当りのいい登りのはずだ
流石にもういいだろうと10本爪をはずす
通りかかった初老の男性二人組に
「この先はもう必要ないですよね?」と聞くと、山頂近くでまた必要になるとのこと
その二人も本アイゼンを外してザックにぶら下げている
信頼できそうな話だ

一方例の3人組は後からやってきたが(滝の所で追い抜いた具合)、3人ともアイゼンはしたまま
山慣れているというか、ありあまる体力に任せてゴリ押ししているようだった



 しばらくは凍結のない登り



 尾根をぐるりと北側に回ると、再び凍結が出る
例の初老二人組もアイゼンを装着している
けど10本爪はビニール袋でくるんだ上でケースにしまってしまった
この具合なら10本爪は必要ないだろうと、いつもの4本爪をつける



 沢筋に降って



 登りかえす
岩と凍結の混じった、足の置き場に悩むようなこういう場所だとデカイ10本爪は邪魔だろう
だが小さい4本爪ならば凍結箇所を踏む時は土踏まずの爪をたて、岩に足を置く時は爪のないつま先側で立つ、といった具合に小回りがきく



 川苔山の北側に回り込んでいくと



 風景が一変して雪山になる
雪はよく踏まれ圧雪だが、凍結というほどでもない



 4本爪だと登りで気をつけないと、後ろ足でつま先で蹴ってしまい、ずるっと滑る
こういう場面だとチェーンに分がある



 圧雪の北側斜面をがんばって登っていくと



 川苔山の東の肩に出る
ここから山頂までほんの200m

先日ユニクロでフリースのパーカーがないか探したが、もう冬物はなくなっていて
代わりにスエットの中でも厚手のパーカーを買った
こういう場面で稜線上に出ると冷たい風に吹かれるので、頭部、とりわけ耳をさっと覆えるフードがほしかったのだ
ただ今日の気温でいえばスエットでも充分
本当に冷たい風に吹かれるようならば、エントラントのカッパをウィンドシェル代わりにだすしね



 目の前の山頂へ



 到着



 山頂標識と北側の長沢背稜



 西側、日原方面と東京都西端の山並み
左の木の枝の後ろあたりが雲取山だろうか

晴れていれば南側の展望もいいのだが、そっちは雲に覆われていた
山頂でお昼、ファミマでおにぎり100円セールをやっていたので4つも買ってきてしまった
缶コーヒーと共に流し込む



 日原からのバスは本数が少ないので
帰りは鳩ノ巣駅へ降りる



 日影の場所はもちろん凍結
4本爪なので傾斜のある場所は少し緊張するが、そこは慣れているので
10本爪を出すほどでもない



 階段の横木
丹沢などもそうだが、冬でも登山者の多い山はアイゼンの爪でこんな風にすぐボロボロになってしまう
ダブルストックが普及しだした頃、
「登山道保護のため、キャップをつけよう」という啓発があったが
正直アイゼンのダメージに比べたら、ストックのキャップの有無なんて誤差みたいなもんだよ
4本爪だとこういう時、丸太には爪をたてない、という行動が取れる
これは木の根っこに対しても同じ




 山道から林道に降りるとそこが



 大根ノ山ノ神(おおねのやまのかみ)
地図にも書いてあるのでダイコンなどと言わないように



 今日も無事に降りてこれました、と手を合わせておく
ここから鳩ノ巣駅まで30分ほど、山の南面でもう雪もなさそうなので4本爪をはずす



 神社の脇に下山



 鳩ノ巣駅前は斎場と自販機が一つあるきりで
その自販機でコーラを買って一息つく
早めにホームに移動し、休んでいると駅の南に特徴的な山が気になる



 城山、か



地形図でもルートはないが、城山というからにはかつて砦があり、人が通ったはずだ
何より6方向に尾根が伸びた、(地形図的に)美しい形をしている

帰宅してから守屋地図で調べると、北と南と北東の尾根に紫実線のルートがある
駅から歩けるし、少しだけ登りたい時の候補にしておこう
でも低山のバリルートだし、登るとしたら秋から降雪前までかなあ

それはそうと守屋地図ははやいとこAndroid版も出して欲しい