2024年12月26日木曜日

2024/12/25(水) 落ち葉は嫌よ@お伊勢山・花咲山

年内最後の山。



大月駅からハマイバ前行きのバスに乗り、上真木で下車。
ここに来るには他に、バスタ新宿から甲府線の高速バスに乗り、中央道真木で下車してもいい。
ただ今は中央線のグリーン車が無料の期間中なので、今日も神田~高尾間をグリーンした。





フム……
山、というか神社が並んでるとこ。



階段を上がって大神社。


北へ、愛宕神社の脇を抜け、




お伊勢山。
すぐ後ろの墓地の方が高く、山頂という趣ではない。
大月市の定める秀麗富岳十二景の中でもここお伊勢山だけが異色の低さ。
子供や高齢者でも簡単に登れる山が一つくらいあってもいいのかな?とか思っていたが、
それは登山者目線の浅はかさだったようだ。

そもそも昔の人にとって、杣とかの限られた人でも無ければ深い山奥の頂とかに行くことは無い。
木材・柴刈り・腐葉土などの山の恵みは付近の里山で足りるのだから、わざわざ危険を冒す必要もない。
ならば昔の人にとっての富士展望の地とはこういう、里のすぐ裏で展望のいい場所のことだったろう。
富士山が見える事というのが、大木があるとか大きな岩があるとかと同様に信仰の拠り所になって神社などが作られたのだ。
そういう古来からの信仰と一体化した「富士展望の地」を、秀麗富岳十二景に入れたのではないか。
それでも強いて登山者目線で例えるなら、日本百名山における筑波山が近いかも。


気が付けば秀麗富岳十二景もだいぶ埋まった。
制覇を目指している訳でもないが、自然と意識はしてしまう。
後は笹子雁ヶ腹摺山と、本社ケ丸・清八山だけか。


今度は南へ。


天満宮の石抱きカッパ。


春には桜の名所らしい。



唐突に御立派様。


いったん住宅地に降り、次は花咲山。
取り付きは民家のすぐ裏を通過するので足音をしのばせる。



林道を横切ってとりつく。


序盤は笹藪。




すぐに尾根筋に乗る。
広葉樹の明るく、細い尾根なので展望はいい。


難路?



勝手の書き込みを見て、左手(北側)を覗き込むと、暗い植林帯の中に踏み跡とテープが見える。
ふーん。
まあ難路と言っても市の標識が設置されているようなコース。
たいしたことはないでしょ。(と思った)



岩のすぐ脇を通過する踏み跡が細く、落ち葉が積もっていて、注意しないと滑落しそう。
が、やっかいなのはここではない。


ここ。地形図の717ピークの東の降り。
写真だと伝わりづらいが、かなりの急降下。
そこに落ち葉が積もっていて踏ん張りが効くか怪しい。
そしてスリップすればかなりの高度を滑落しかねない。
掴めるような岩角や木の根も乏しい。
実線コースでこれ??と少し腰が引ける。
だから鎖が張ってあるわけだが……鎖が無かったら引き返したかもしれない。



鎖やロープを頼って慎重に降りていく。
といっても滑って谷側に滑落した時に止められるかはあやしい。
グリップのいい手袋をしてくるのだった。





花咲山。
コース全体そうだが、山頂も眺めがいい。


滝子山と北へ続く小金沢連峰。


大月ICと少し向こうの都留市街。

山梨を西部中部東部に分けた時、東部=郡内地方の中心はどこかというと、私は大月だと思っていた。
甲州街道沿いで、かつ富士北麓への入口でもある交通の要所。
だが実際には都留が郡内地方の中心だったらしい。
江戸時代に代官所が置かれたのも都留。
(あるいはこの辺まで含めて「都留」と呼んでいた?)


登ってきた後ろ、高川山の後方に富士山。


花咲山を過ぎても気が抜けない。
こんななんて事の無い斜度でも落ち葉が厚く積もっていると滑る滑る。
南の国道のバスから見上げた第一印象でも、乾いて砂ザレしそうな山、だったが。案の定。

・広葉樹の明るい山
・南面で陽当たり良好
・地面が乾燥していて土のステップがなく、地面に平行に足を置かざるをえない
ここまでならいい、ある程度滑りにくいとこを選んで足を置けばいいから。
だがここに
・新しい落ち葉が厚く積もっている
が加わると途端に厄介になる。
元々砂ザレで滑りやすい上に、落ち葉で地面が見えず足の置き場所を選べないし、落ち葉そのものも滑る。


なのでこうして、腰を落としてすり足で進む。
落ち葉を上から踏まずかき分け、靴裏で地面の状態を探りながら体重をかけてもいいポイントをみつける。
おかげですっかり膝を酷使してしまった。
今は落ち着いているが、2~3年前の膝痛の酷い時期だったら泣きをみたろう。


花咲峠。
北側にうっすら踏み跡は見えるが、下るのは困難そう。



直角に尾根をはずし、支尾根に乗り換える。
ここもだいぶ細い崖道に落ち葉が積もってて気が抜けなかった。
トラロープは渡してあるが、たるんでて体勢の保持にはあまり役に立たない。




中央道の側道に下山。
厄介だった。
似たようなのは、上野原の南方、高柄山の東側でも経験したな。
あそこも大した傾斜でもないのに落ち葉で滑って、ちょっと腰が引けるような下りもあった。
落ち葉の時期限定で厄介になるコース。
あるいは717ピークの鎖のとこも、落ち葉が無ければさほど怖いとこでもないのだろう。

あの鎖の場所は
・西行きルートで登り、鎖場を登りで使う
・落ち葉の落ち着いた時期に登る(梅雨以降、落葉の始まるまで)
・北側の巻き道を使う
などで難易度を下げることが可能かと。


側道を少し歩き、


本来は北へ、浅利公民館の方へ行くべきだが。
中央道の下をくぐる方が近道に見えた。


結果からいうと近道だが、民家の庭先みたいなところを通るので推奨はできない。



ここに下山。


バスは2時間半後。
たいした距離でもないので歩く。
元気があれば稚児落とし~岩殿山も歩くつもりだったが、すっかり膝にキテしまった。
花咲山は苦手なタイプの山だ。
だが歩いてて楽しい山でもある。
落ち葉の滑らない時期に来るのがいいかもしれない。


跨線橋を渡り、


駅前の店でラーメン。
今日は缶コーヒーしかとってなかったので腹が減った。


帰りもグリーン車。
うまい事に大月始発の東京行きがあった。
便利に使わせてもらってありがたいが、3月以降有料化されたときに使うかは何とも……
大月~新宿だと、77km。
suicaグリーン券でも1000円になる。
一方特急あずさかいじだと在来線グリーン車に近い条件の座席未指定券で920円。
仮に指定席券でも1020円。
納得感が無いなあ。多くは高尾止まりだし。

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付記
下山後に調べたところ、花咲山は以前は破線コースだった模様。
手持ちの2017年版の山高地図では破線になっている。
市の標識を設置したのに合わせて実線コースに格上げになったのだろう。
同じ「高尾陣馬」の山域でみても、似たような道の実線コースはあるし。
ただ登山口近くは階段が作られているものの、それ以外は特に整備されてる感じはしない。
鎖やロープがそれなのかもしれないが。





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