2024年12月2日月曜日

2024/11/30(土)~12/1(日) 櫛形山

前々から行きたい候補だったものの、交通の便の制約でなかなか行けなかった櫛形山。
休日と天気が噛み合ったのでこの機会に。


■計画メモ
・行き
0645 王子
0702 神田
0708 神田 中央特快高尾行
0805 高尾
0809 高尾 中央本線甲府行
0949 甲府
1003 甲府 身延線鰍沢口行
1050 鰍沢口 3080円
1115 鰍沢口駅 富士川町ホリデーバス
1150 平林 200円

・帰り
1205 平林 (次の最終は1525)
1240 鰍沢口駅
1310 鰍沢口 身延線甲府行
1354 甲府

・登山(CTは山と高原地図2024年版)
平林
↓2:30
ほこら小屋
↓1:20
櫛形山(奥仙重)2052m
↓1:05
裸山
↓0:15
アヤメ平
↓1:05
ほこら小屋
↓1:20
平林

※ほこら小屋から平林まで、登りの半分の時間はおかしい、要注意
※平林の下山目標1130
※平林のみさき耕舎 食堂11:30~




自宅最寄で一本早い電車にのれた。
なので神田乗換ではなく東京まで行き、噂の中央線グリーン車に乗る。
期間限定で無料。
なるほど新車の匂い。
高尾とか大月まで行くなら便利だ。

中央線みたいな混雑路線で、短距離の乗客がグリーン車に入ってくると乗降のじゃまのような。
有料になればその辺解決するかもしれないけど、普通車がぎゅうぎゅう満員の時間帯だとどうなるかな。
ちなみに東京~大月だと87.8kmでsuica1000円になる。
新宿からでも同じく50km超。
新宿~大月だとあずさかいじの指定席でも1020円なんだよなあ。
特急の方が良くないか?
新宿~高尾だと42.8kmなのでsuica750円だが、高尾までなら安い京王が競合になるので。


甲府駅で身延線に向かうと、おっと。
身延線はJR東海なんだな。
東海道線で三島なんかと同じパターン……いや、ICカード自体が無い。
乗換時間に余裕があって良かった。いったん改札を出て切符を買う。
あとで乗り換え案内をよくよくみれば、切符の料金しか記載がない。
ICカードが使えない事はもうちょっとはっきり教えてくれてもいいのに。


鰍沢口駅。
私と同じような塩梅のソロ女性がいて、同じく平林行のほこら小屋泊まりとのこと。


あれが櫛形山か。
地図と尾根筋・沢筋を照らし合わせて確認する。
ほこらのあたりが妙に禿げてるように見える。


身延線は基本ワンマン運行。
1時間に1本程度。
上りと下りの本数が合わないのは、ここ鰍沢口が終点の列車があるから。
私が乗ってきたのもそうだった。

駅前のロータリーに山梨交通のバスが停まっている。
ここには山交の路線やバス停は無いのに、妙だな?と思っていると。
そのバスの行き先表示が「回送」から「平林」に変わった。
富士川町のホリデーバスとは山交への委託だったんだな。
コミュニティバスにありがちな小さい車両かと思っていた。




さて平林。
山上集落かと思いきや、結構大きな地区だ。
棚田で有名らしい。
バスはここで終点だが、道なりに行けばこの先に赤石温泉もある。





お腹はすいてないが、せっかくなのでみさき耕舎でそばを食べていく。
これにおにぎり・蕎麦湯・コーヒーがでてきて1200円。
つゆが独特だ。
色は黒いが醤油感は薄く、かつおではない魚介系のブシに、酸味の効いた薄味のつゆ。
東京ではお目にかからないタイプ。



平林の最奥へ。


鷹尾山氷室神社。
神社に山号?
山上集落の小さなお社を想像していたけど、どうも違うようだ。





階段が長ぇ!
神域広いな。


随神門の左手。
住んではいないようだが、立派な社務所?



寺なら鐘がつるされてるようなとこだが。
本堂とつながった神楽殿。
ガラスの風鈴がカランカランと誰もいない山中に音色を響かせる。


本殿の右手にはよく回る水車と。


ここの由緒が。
思ったよりも立派な神社だったのだな。
神社が立派ということはそれを建設して維持する住民も多く・豊かだったということで。
平林が林業だけの山上集落ではない、ということだったのだろう。


登山口は本殿の左手にあった。





道はとてもなだらかで歩きやすい。


落ちている山栗のイガをみると、中に実が結構残っている。
山の動物たちで食いきれないほど豊作だったのか。



それにしてもきれいな山だ。
山梨県でも場所によっては荒れたままのところも結構目にしてきたのだけど。
ここは人の手が入っている。




林道に出たとこでタイムをチェック。
CT1:30のところ、2:00かかっている。
もとより鈍足な上にテン泊装備担いで、汗をかかないようペースを抑えてるが。
それにしても時間食ったな。

山中出会った人と話したり、下山したあとの結論からいうと。
どうも櫛形山は、池の茶屋林道終点に車を停めて登ってくる人が多いみたいなのだ。
だとすればかなりお手軽な山であり、それ前提の軽装を想定したタイムなのかも。
また登りと下りのタイム差が大きいのも気になっていたが。
急坂岩場が無く、スリップ転倒の危険がない安全な道なので。
確かに下りは飛ばそうと思えば飛ばせる。


林道を左手に30m。


ピンクテープの残骸は見えるが、もう登れるような状況ではない。



クローラー道を歩けってことだよな。
土にクローラーの跡が新しく、現役の作業道であることを思わせる。
今日は作業している人いないが。


登山道が残っているところはそこを歩く。


振り返ると絶景。
なるほど、駅から見上げて禿げてるように見えたところはここの伐採地だったか。






クローラー道を横切り、あるいは一部歩いたりしながら、登山道を登っていく。


だが上の方に行く程、道の使われてる感は落ちていく。


だいぶ高度を上げてきた。
高度感のあるクローラー道を歩いていると富士山を思い出す。


富士山の外輪山の向こう、富士の北麓とは別の山がみえる。
丹沢山塊の西端部だ。
なるほど、ここの標高からなら外輪山の向こうに丹沢が見える。
読図のテストみたいだ。



で、このクローラー道はどこまで続くの?というと。
ほこら小屋まで続いていた。
ただほこら付近の道は長い事使われていないように見える。
林業用ではなく、ほこら小屋建設の際に作られた道なのかも。


みえた。あれがほこら小屋か。


なん、だ。これ?
裸火で焚火してるのもアレだが、火を見ている人もいない。
小屋の中から音楽と話し声が聞こえる。

天気のいい週末で避難小屋が混む可能性は考えてツェルトの準備はしてきた。
ふと小屋ではなくテント場の方に張ろうかとも思ったが。
避難小屋に泊まるということはそういう事もあるものだ。

実際のところ私自身品行方正な山登りをしている訳でもない。
ソロだし、未計画だし、それゆえ登山届の出しようがないし、バリもやれば闇テンもする。
私自身の中には守るべき基準はあり、それを守ってはいるが、他者から理解できるとは思っていない。
私からみてどうかと思うような事をする人が居たとして、まともな人から見たら私も五十歩百歩だろう。
私に誰かを指弾する資格など無いのだし。


水場は小屋の裏手。
水量はそこそこ。
樋がさしてあるので、プラティパスなんかでも汲みやすい。


小屋に寝床を作った後、軽身で山頂まで。
テント場は広々として張りやすそうだ。



2000mの山頂近くは所々うっすらと白い。
今回は考えてなかったが、ぼちぼちチェーンとかも準備せねば。




櫛形山(北側ピーク)


後ろには富士山も。
さて、南側のピーク、奥仙重にも行きたいが。
そちらへピストンだと+30分程度、小屋に戻るのが暗くなってしまうな。
間の抜けたことにヘッデンを小屋に置いてきてしまった。
ここで引き返そう。

小屋に戻って湯を沸かし、ウイスキーをお湯割りで飲む。
フランスパンを焼いてカルディで買った缶詰のレバーパテを塗って晩飯とした。
前回の反省から、今回は冬用の寝袋を持ってきたのでむしろ熱いくらいだった。


翌朝。
6:35に小屋を出る。
1130に平林に降りたいので、ほこら小屋から2:30を見ると、ほこら小屋からの下山開始を0900にする。
奥仙重も心残りだが、3:00で回れる範囲でとなると……裸山とあやめ平の方へ行こう。



朝焼けで赤い山を登っていく。
腹ポケットから手袋を出そうとして左手のが無い事に気づく。
昨日手汗で少し濡れた手袋を乾かそうと腹ポケットに入れておいたのだが、無いということは寝袋の中に落としたか。
だがもうパッキングし終えたザックの一番底だ。
風もないしこの気温なら、無くても大丈夫だろう。


裸山。
時計回りに登る。



裸山山頂。
西側が伐採されていて、白峰三山が絶景だ。


南アルプス南部の悪沢岳方面もみえるが、ちょっとよく分からない。


一応富士山も。


夜叉神峠から鳳凰三山、アサヨ峰までの稜線。
向こうに甲斐駒も。
見え方がちょっと納得しがたく、あとで大きな地図で確認したが、ここからだと仙丈ケ岳は北岳の真後ろに隠れる模様。
仙丈ケ岳~甲斐駒ヶ岳は近いようでいて、こうしてみると結構離れているのだな。


あやめ平にも来た。
こちらの避難小屋も申し分のない作り。
ただ水場は無い。


ここから北、唐松岳を経由して芦安への道もある。
ただ甲府~広河原のバスはもう終わってしまったし、
甲府~広河原のバスが運行している季節なら一泊なりともっと行きたい所もあるだろう。
櫛形山とは南アルプス前衛の、マイカー登山の山なのだな。


登ってきた太陽に温められて、地表から上記があがってくるのが見えた。


あたたかくなってきたのでほこら小屋で上着を脱ぐ。
もうみんな出て行った後だ。
掃除が必要かな?と思ってのぞいたが、綺麗に掃除してくれたようだ。




こうしてみると鰍沢のあたりは甲府盆地の南端だというのが良くわかる。


平林も結構大きな地区だというのが分かる。
秩父の方の山上集落とは違い、十分な田んぼや耕作地が得られたのだろう。



そして鰍沢よりも南、身延方面となると、富士の外輪山と南アルプスに挟まれた狭隘な富士川沿いの地形になるのか。



時間に余裕はあるのでゆっくり下っていく。


氷室神社でお茶を飲んで時間を潰す。
無事に下山で来た礼に手を合わせていく。


11:27にバス停。


今日もみさき耕舎で。
南アルプス市の地酒、太冠を熱燗で。
パンチの強い、新潟や秋田の方の辛口の酒みたいだ。
昨日は客は私一人だったが、今日は大勢のお客で賑わっていた。



甲府で飲み直そうかな、とも思ったが。
いわゆる飲み屋はまだ開いてない時間だし、そこまでお腹もすいてない。
特急券を買い、駅ビルで焼き鳥と酒を買ってきた。
ワインは飲みやすいだけのハズレ。
太冠はみさき耕舎で飲んだお燗瓶と同じものだと思うが。
冷酒だとすっきりした甘い香りと、強めの苦みもあって。随分印象変わる。

櫛形山はいい山だった。
テント担いで軽く一泊するのに向いてる。
これで東京からもっとアクセスしやすければ良かったのだが。

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