新しい靴を買った。
モンベルのテナヤブーツ。ワイドサイズの27.5。
BOAフィットシステムという、ラチェットの組みこまれたダイヤルをチキチキと回してワイヤーを締めるタイプの靴だ。
10年以上も前になるだろか。
突然思い立って山登りを始めるにあたり、まずABCマートに行ってホーキンスのトレッキングブーツを買い、ユニクロに行きウィンドブレーカー(冬だったので)とザックを買った。
ホーキンスのはCWニコルさんがTVCMをやってたやつで印象にのこっていたのだが、1年と持たずに靴底に穴があいた。
単なる柔らかいウォーキングシューズをミドルカットにしただけの靴だった。
ウィンドブレーカーは中が汗でびしょぬれになり、陽の落ちて急速に冷え込む山際のバス停で凍えてしまった。
ザックだけが10年以上経った今でも現役だ。
あの頃のユニクロはちょっと考えられないような高品質の商品があった。
まあそれはさておき。
その一件で「靴はちゃんとしたのを買わないとだめだ」と気付いて、初心者向けの定番・かつ甲高巾広な日本人の足向けというキャラバンのC1-02を買ったのだった。
3年ほど経って履きつぶした時、次もC1-02を買った。
もっとたくさんの靴があるのは把握していたが、キャラバンよりも高いそれらの靴がどう違うのか、いまいち理解していなかった。
さらに3年経ち、また買い替える時。
流石により高い靴がどのような性能でどのような山に必要なのか、うっすら理解しだした。
ただ自分の登山スタイルには必要ない、C1-02で十分だ、と感じ同じ靴……は廃番になっていたので後継モデルのC1-02sを買った。
さらに3年、つまり今。
低山のバリエーションも多少歩くようになった。
重いテント泊装備を背負って1泊や2泊もするようになった。
するとC1-02sを柔らかいと感じる場面が増えてきた。
もう少し固い靴が欲しい。
ならば同じキャラバンの登山靴、GKシリーズか。
ただキャラバンの靴は幅が広い。
昔はそれが窮屈でなくて好ましく思えてきたのだが。
靴の中で足が動くのが若干不安に思う様になり、もう少し足にフィットした靴を探してもよいかと思っていたのだ。
なにしろずっとキャラバンのC1-02を履いていたので、キャラバンが靴の評価の基準になっている。
すなわち、軽登山靴のCシリーズに、本格登山靴のGKシリーズ。
モンベルの靴に当てはめるなら、〇〇ブーツシリーズが軽登山靴で、アルパインクルーザーシリーズが本格登山靴だろう、そう思い込んでいた。
だがモンベルの店頭で実際に触ってみると、テナヤブーツは結構固い。
C1-02よりもずっと固い。
BOAフィットシステムも気になっていたし、これでいいかと試着してみた。
前述のとおりキャラバンの幅広さを持て余していたので通常のテナヤブーツに足をいれてみたら。
爪先側の幅がきつくてどうにもならない。
やはり私の足は甲高巾広な日本人の足だったようだ。
店員さんの勧めにより、ワイドサイズの27.5cmを購入。
そんなわけで今回は全く新しい靴のデビュー戦。
堅い靴の性能をいかんなく試したい気もするが、まずは靴ならしが必要だろう。
それなりに長くとも、道の状態は穏やかな雲取山の鴨沢ルートに行って来よう。
もうだいぶ暖かいので、マットはエアマット一つで十分。
いつもの60Lザックに余裕をもって詰める。
水込みでちょうど12kg。
ワイヤーは緩めにしてある。
で、この行列。
ホリデー快速の到着後は阿鼻叫喚だろうなあ。
40人近い乗客が終点の峰谷まできた。
峰谷からお昼のバスで帰った事は何度かあるが、朝に峰谷に来るのは実は初。
こんなに混雑するところだったの?
入念にストレッチしてから出発。
今日は新しい靴の慣らしだし、急ぐ理由もあまりないのでゆっくり行こう。
写真のちょうど中央に何か建物が見えるだろうか。
あそこがスタートの峰谷バス停だ。
もう結構昔の事だが。初めて赤指尾根を下ってきて、くたびれ果てて、ようやく集落に出た!と思いきや、ゴールはまだあんなに下だと知らされた時の絶望ったらなかった。
普通のバナナチップスと違って焼いてある。
軽い触感で生臭さがなく、芋けんぴみたいでおいしい。
なかなかのカロリー爆弾だ。
モンベルのテナヤブーツね、いいねこれ。
硬い靴なので突き出た木の根や尖った岩角に立っても足の裏への負担がない。
重い荷物で長時間歩いたときなどは結構な違いになると思う。
反面、そういう場に立ったとき。
バランスを崩すときの最初のわずかな兆候への反応が遅れる気はする。
ないし、この状況でバランスを崩すとしたらどちらへ倒れるか、といった予測がしづらい。
鳶職の高所作業用シューズや地下足袋で、商品説明にある「足裏感覚」ってこのことだろうな、という理解。
赤指尾根にのる。
同じバスで来た人がいて、声をかけられた。
話をしたが、あれだけ沢山いたバスの乗客でこっちの方に来ている人は少なさそうだ。
皆鷹ノ巣山に行ったのかな。
今日のところは三十本ツツジってとこかな。
腰をおろして休みたいところだけど。
今日は無風ということもあってか、大量のコバエが頭の周りにまとわりついてきて鬱陶しいったらない。
休憩はあきらめて先へすすむ。
七ツ石小屋の人がよく写真を撮っているのはここだね。
そしてスマホのカメラにまで映り込んでしまう程にコバエが多い。
ヤンナルネ。
風が出てきたせいもあるか。
夏は羽虫がまとわりついてくるのは仕方ないと思っていたが、今日はとくに酷かった。
何か対策があるだろうか。
解体した時に出たと思われる木材がきれいに積んである。
あれで全部な訳はないが、なぜ一部だけ残してあるのか。
登山道の整備用だろうか。
閉鎖される最後の冬に泊まった時、もう奥の方は一部取り壊していて。
その時出たと思われる、釘のささった廃材を薪代わりにストーブにくべてくれたのが切なかった。
展望は微妙そうだ。
峰谷を出てちょうど5:30だ。
ちなみに2018年版の山と高原地図のコースタイムだと4:50。
厳しいな。
ああ、うまい。
ところで家を出る時にお酒が500mlほど減っていたんですが、どこに行ったんですかねえ。
結局いつものように、男坂女坂の分岐あたりまで降りて行った。
ランシャン2とほぼ同時に買ったやつ。
ネイチャーハイクのbearUL2。
やや大型のシングルウォールテント。
微妙に本体よりおおきいな。
魚座フレームで壁が垂直に近く天井も広い。
またシングルウォールながらリッジポールによるひさしがあるため、雨が降っていても少しドアを開けておける。
反面、重くてかさばり、強風にも弱いと思われる。
それにしても中華テントも増えてきたな。
もはやキワモノではなく、山でも市民権を得た感じだ。
モンベルは変わらず多いが……近頃はアライテントをあまり見かけなくなっているような。
そうそう、テナヤブーツのBOAフィットシステムだけど。
テントだと靴の脱ぎ履きが多い。
雲取山荘前のトイレは靴を脱いで入るタイプだ。
そんな時でもダイヤルを解除すればガバっと脱げるし、足を入れてダイヤルを回すだけですぐに締まる。
これはクセになるな。
夏のテント泊だとサンダルを持っていく事もあったが。
これならサンダルは無くてもいいかもな。
なぜ秩父錦を2本手にしているのか?
最近スーパーで見かけるいなばの焼鳥缶。
ほていと違ってモツで勝負。
虫が入らないようにメッシュにして、ドアは少しだけ開ける。
一般的なテントのドアと違い、これはメッシュが外側にある。
なのでメッシュを開けることなく、ドアを開け閉めできる。
夜寝る時はドアを全部閉めたが、はやり結露が心配になってほんの少しだけ開けておいた。
また夜露が心配なので靴はビニール袋にいれてテントの中にしまう。
翌朝置いた時はやはりというか、天井や壁が多少しっとりしている。
だが水滴となって垂れるほどではない。
適時換気は調整すればよかろう。
4:45に撤収完了。
大型とはいえ、やはりシングルウォール。
張綱などはなく、四隅に4本のペグを打つだけなので設営&撤収は早い。
天候は上がり調子のようだし、昼時には晴れるかもしれないな。
所畑は5.6軒の民家はあるが、人が住んでいる気配がない。
今日はまだ早いので。
9:30到着。
温泉が開くのは10時なので、
誤字じゃないです、公式にそういうメニューですの。
GWの時は緊急事態宣言下で休業していたからなあ。
今は湯上りにお酒も飲める。
このお酒、300mlの小瓶でも売っていたので三種類買った。
それとおなじみの鹿肉ソーセージも。
雲取は今日も良き山でした。