2018年12月2日日曜日

2018/12/1土 予想外の眺め@今倉山・二十六夜山

2018/12/1土 今倉山・二十六夜山

0617 四ツ谷 中央特快高尾行
0705 高尾
0711 高尾 中央本線大月行
0748 大月 1490円
0752 大月 富士急行河口湖行
0807 都留市 460円
0815 都留市駅 富士急山梨バス道坂隧道行
0845 道坂隧道 650円

道坂隧道(スタート)

今倉山

赤岩

二十六夜山

芭蕉月待ちの湯(ゴール)




二十六夜山は都留市市街の東、道志山塊の中の山。
山登りを始めた初期に買った、日帰り登山と温泉をセットに紹介するガイドブックに乗っていて。
その風変わりな名前で印象には残っていた。
ただ山梨東部の山は遠いという印象と、地味(失礼な!)な印象があって、ごく最近まであまり訪れない山域だった。
バスが季節運行でめんどくさそうなのもその一因。

ただこの所山梨東部を開拓しているので、この積年の宿題を片付けよう。
季節運行のバスが12/16まで、というのもある。
今回も富士急山梨バスのHPからハイキングガイドをダウンロードして参考にさせてもらう。




富士急のHPでも、山と高原地図でもコースタイムは一緒。
4:35となっている。
日帰り登山としてはまあ、手軽な方かと。



都留市駅から山中を越えて道志村の月夜野まで向かうバスは平日のみの運行。
ただし季節運行ではあるが、土日に市村境の道坂隧道まではハイキングバスとして運行がある。
富士急山梨バスはハイカーにとって本当にありがたい。

とはいえ紅葉も終わった12月。
都留市駅から乗り込んだ登山者は全部で13名しか居ない。
一人が細野(分若台)、二人が御正体入口(御正体山)で降り、
私含めた10人が終点の道坂隧道で降りた。
「みちさか」と思っていたが、「どうさか」と読むらしい。
道志との境だものな。



軽く支度をして、8:50に出発
トンネル手前左手から登っていく。



ほどなくして峠にあがる。
標識の後ろの山は、加入道山と大室山が重なって見えているようだ。



道坂峠からは尾根道。
今日縦走するギザギザが見て取れる。



道は悪くないが、傾斜はそれなり。
前後に人が居たためか、ちょっとペースを乱してしまった。
これから寒くなるし、汗をかかない歩き方をしないとだな。



高度を稼いでいくと、後ろの御正体から冨士が顔を覗かせてくる。



今倉山到着



そこそこ平らで広く、休憩向きの山頂ではあるが。
木に囲まれていて展望はやや劣る。



軽く息を整え、次のピークへ


山と高原地図には「西峰」と書かれていたので、今倉山の一部と思っていたが。
現地には山頂標識は無し。
誰かが勝手にぶら下げたと思しき札には「御座入山」と書かれている。



さらに西へ。次のピークはここより低いが、間の鞍部が低そうだ。



ずっと尾根上を歩くうえ、周囲の木は落葉した広葉樹なのでとても開放感がある。
ところどころ冨士の展望がいいところもある。


鞍部に向かって下っていく。



鞍部の分岐点。
道坂隧道バス停の手前から登ってくるコースもあるようだ。
(※後述)




赤岩についた途端、「おおっ」と声が漏れる
360度の展望とは地図に書いてあったが、想像以上の場所だ。



基本、広葉樹に覆われた尾根上のコースなのだが。
ここ赤岩だけ、ちょっぴり岩っぽく突き出た場所なので視界を遮る物がないのだ。



東~南~西
東に丹沢、南東に少し霞んだ箱根、南に御正体山と杓子山を従えた冨士



西~北~東
西の三ツ峠から北の大月方面、東に縦走してきた今倉山



本当に360度な方位盤
東京湾や相模湾は霞んで見えない。
槍ヶ岳や日光まで見えるような書きぶりだけど、流石にそれは年に何回あるか、というレベルだろう。



霞んでは居るが、金時山は何となく分かる



これだけ近くで冨士を見るのも久しぶり。
大月市の「秀麗富嶽十二景」はいつ登っても雲に阻まれて冨士を拝めなかったからなあ。



ちょっと早いがお昼にしよう。
12月だというのに日差しは暖かい。
休憩時用に持ってきたウィンドブレーカーは必要ないな。

これは途中で食おうとおもっていたが、タイミングを逸したサンドイッチとほうれん草の味噌汁。
と、箸が無いじゃないか。
そのへんの小枝で食べる。



おにぎりと”すみれ”のワンタンスープ。
おいしいんだけど、ちょっとくどいな。
まんまラーメンスープだこれ。
ごはんのおかずには良いかもしれないど、あまり汗をかかない季節に味噌汁を飲んだ後では塩分過剰だったな。

今年に入ってから山での食事をあれこれ試行錯誤しているが、一つ言えるのは塩分は足らなくても過剰でもいけない。
塩分摂取量の適正さは山を歩く上でのポテンシャルにかなり大きく影響する、と感じている。



昼食で40分ほど休んだ。
出発前にもう一度方位盤をみると、明らかにこれだけ後から書き(彫り)たしたリニア実験線なる表記が



あれかな



赤岩からの下りだしに、霜柱が。
もうお昼近いというのに。
ぼちぼち軽アイゼンをザックに入れておく必要があるかな。



赤岩から少し下ると道が平坦になり、向こうに二十六夜山が見えてくる。



地図にある通り、一度林道に降りる
林道と言ってもガードレールもあれば、白線も引かれている、ずいぶん立派な道だ。



30mほど北側に二十六夜山への入口がある。



地形図ではなぜかこの先山道(破線)が無い。
まあ地形図は本質的には地形を見るための地図である。



二十六夜山
縦走する東西方向は木に覆われていて、南北方向が開けている。
赤岩を見た後だと劣るが、いやいや、ここだって素晴らしい展望の山ですよ。


北の大月・奥秩父方面だってこの通り。



お腹は空いていないが、ここから少し長めの下りになる。
お茶にして脚を休めていこう。
と、思いきやお茶パックがない。
どうも当日の朝に支度するというのはうまくないな。
前日の夜にやっておくべきか。
羊羹をかじり、魔法瓶の白湯をふうふう吹きながら飲むのも悪くはないが。



山名の由来については看板があった。
同じ道志山塊の中で、ここより東の方にも同じ名前の山があったっけ。



二十六夜山から北へくだり、この地点



道坂峠からここまで、ずっと広葉樹の明るい尾根上だったが。
ここでようやく尾根をはずれて、



東面の沢へ下っていく。



地図に水場表記のあった仙人水はジャバジャバでていた。



スベルゾ、とはいうが



それ以前に崩れかかってるんですが。
向こう側の丸太の先端がちょうど岩に乗っかっていて、安定しているようなのでそっと渡った。
水量の少ない沢なので、渡渉でも問題ない。
そっちのほうが安全かも。



沢沿いに下っていくとやがて



林道にでる。
山道はここまで。戸沢の集落へ向かう。



どんなに山が好きでも、いくら山に登り続けても。
下山してこの、向こうに民家の屋根が見えてきたときの安堵感というのは変わらないものだ。



温泉の手前にこんな看板が。
「都留市二十一秀峰」とは初めて聞いたな。
大月市の「秀麗富嶽十二景」は登山地図・ガイドなどにも乗っていて有名だが、こっちはとんと聞かない。
都留市よりも富士山から遠い大月市が冨士展望に関して大きな顔をするのは、都留市としては面白くないだろう。
だけど「都留市二十一秀峰」とはいかにも語呂が悪いよ。
それに対して「秀麗富嶽十二景」のキャッチーさときたら!
あえて「大月市」の名前を入れないのも良い。
コピーライティングの勝利と言わざるをえない。

赤岩が1番で、「冨士展望の山」の代名詞たる三ツ峠が最後の21番になっている。
三ツ峠で3つ数えるのもどうかなあ。



看板はもとより、日帰り温泉である事をしめすのぼりのたぐいも無いが、ここだよね?
この辺は温泉の他にもオートキャンプ場・コテージ・運動公園・ドッグランなどのアウトドア系の施設が集まった場所らしい。



玄関に入ろうとして、そういやバス停はどこだ?と気づく。
見回すと玄関前ではなく、正面の道路にあった。



ちょっとわかりにくいが、右回りと左回りの市内循環バスがそれそれ3本運行。
おおよそ2時間に1本はバスがある塩梅だ。



今が14:35なので。
15:54のバスがちょうどよかろう。



浴場に向かう館内廊下に沢山の書が掲げてある。
ほーん、と眺めていたら、「私が書いたのですよ」とおばちゃんに声をかけられた。
ローカルだなあ。



アルカリ性の泉質だが、ぬめりではなくサラリとした湯だった。
ぬるめの湯で、私にしては長めに浸かってきた。
館内も広めで悪くない温泉施設だ。
地元の人たちで大広間は賑やか。
市外者は710円だが、市民は500円で入れるようだ。
地元の人達が利用している、というのは良い施設の目安だと思う。



帰りの市内巡回バスでふと思いつく。
同乗の他の登山者は皆、都留市駅まで行くようだが、私は手前の都留文科大学前駅で降りる。
200円均一の市内巡回バスなので都留市駅まで行ったほうが電車賃が90円節約できるのだが。
休日の河口湖へのアクセスは電車でも高速バスでもとにかく混むものなのだ。
少しでも座れる可能性をという判断。

ちょうど次の電車がホリデー快速富士山号。
乗るのは初めてだが、ホリデー快速奥多摩号と違って5両編成のうちの2両が指定席、3両が自由席(乗車券のみで乗れる)らしい。
指定席が完売していたので、これはだめかな?と思いきや、意外なことに座れた。
ちょっと前の特急あずさかいじの車両を流用している車両だった。
新宿まで直通で、進行方向を向いて座れたのは大変ありがたかった。


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とにかく赤岩の眺めが素晴らしかった。
赤岩には劣るとはいえ、二十六夜山の展望も素晴らしい。
何よりこのコースの良さは、ほぼずっと尾根上であること。
木に覆われているとはいえ、広葉樹であるため明るく開放感がある。
一部急で補助ロープの張られた箇所もあるが。
雨の後でぬかるんでさえいなければ、まず安全な道と言ってよい。
これは良い日帰りコースだ。

ちなみに。
約4時間半のコースではあるがもう少し短縮したいならば。
道坂隧道から今倉山に登るのをカットして、沢沿いから赤岩の東の鞍部に登る道もある。
(※)のところ
その場合道坂隧道バス停の200~300m手前あたり、ゲートのある林道の入口でバスを降りたほうがいい。
自由乗降区間なので、バスの運転手に事前に伝えておくのがいいだろう。

なお赤岩は狭く、一人ならばともかくグループが休憩できる場所ではないことは注意されたし。
グループで休憩・食事にするなら二十六夜山か今倉山になるだろう。

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