2018年12月12日水曜日

2018/12/9日 絶景と将門伝説@城峯山

0622 王子
0627 赤羽
0636 赤羽
0732 熊谷 972円
0739 熊谷
0838 皆野 800円
0845 皆野駅前 皆野町営バス日野沢線西立沢行
0919 西門平 290円
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西門平~城峯山 登り2:00 下り1:30
山頂城峯神社周回 40分程度?
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西門平からのバス
1359と1549
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西門平~秩父温泉 220円

満願の湯 900円
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秩父温泉1605~皆野駅前 190円
※根古屋橋まで歩けば金沢線の1652のバスもある(温泉から1.2km)

満願の湯に入ろうと思えば西門平1359のバス必須であり、城峯神社やその先の将門の隠れ岩を見る余裕はないかもしれない。

一応保険として
秩父丸通タクシー(皆野営業所)
0120-02-3633
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城峯山とは秩父市街のの北西、皆野町と秩父市と神川町の境になる。
山と高原地図で言えば「奥武蔵」の地図のサブマップ「北武蔵」に入っている。
これまで足を運んだことのない山域だ。
少し前に「とても眺めがいい」「おもしろい鎖場がある」という話を聞き、気になっていた。
最寄りの駅は皆野。
こないだ四阿屋山に行ったときに熊谷から秩父鉄道に乗り換える経路を取った。
それと比べればむしろ近いぐらいだ。





というわけで皆野駅から町営のコニュニティバスにのり、西門平バス停にやってきた。
ここは既に標高500mの山中。
ここまですれ違い困難な山道をバスが登ってくるが、ここ門平(かどだいら)は開けて日当たりが良く、民家が集まっている。
典型的な秩父(奥武蔵)らしい山上集落だ。



小ぶりのバスだが超満員。
16名のツアーの団体がいたせい。



私はゆっくりなので、団体さんには先に行ってほしいが。
バス停の周りでもたもたしているので仕方なしに先に行く。
バス停からさらに200mほど、あのカーブのところの民家脇から林道が始まる。



9:20出発



少々進むと林道は右に曲がり、正面に山道の入り口が現れる。
ここで支度をする。
どうも地形図にはこの林道が載っていないようだ。



しばし進むと再び林道を横切る。
やっぱり地形図には載っていない。



林道を横切ってすぐ、地形図上では北西へ沢を詰める道と、北東へ尾根上へあがる道との分岐。
山と高原地図には北東へのルートしか載っていない。



現地の案内標識も北東側のみ。
沢沿いにも踏み跡は見えているが、やや心もとない。



よく踏まれていて危ないところは無い。



ここは関東ふれあいの道にも指定されているコースらしい。



再び林道に出る。
こちらは未舗装の道なのだが。



こっちは地形図に載っている。



階段が作ってるので登り口はすぐ分かる。



赤くなりきらない、ぼんやりしたオレンジ色のまま枯れ始める紅葉。
暖かかった今年の秋を思わせる。



何やら車両が通れそうな道が近くを通過。
さっきの階段脇の道がここにあがってくるのだろう。



尾根上にあがった。



正面に高架鉄塔。
左側から後ろに回り込むように登ると、



お?



北東側が開けている。
本庄のあたりかな?
ベンチも2つある。時間的にも小休止するのにちょうどいいだろう。



林業の人が枝打ちに使ったのか?
木のはしごが放置されている。



傾斜がキツくなってくる。
左手は深い沢。
あれ?そういえば?



そうだ、沢沿いに詰めてくればこのあたりに出てくるはずだが。
沢からあがってくる踏み跡なんてどこにも全く見えない。



鐘掛城手前
巻くこともできるが、せっかくなので登っていこう。

あのバスを降りたハイカーは結構な数いたのだが。
私がずっと先頭だ。
少し後ろをソロのおじさんがついてくるが、私を追い抜くほどでもなし。
なんだか妙な感じだ。
時折後ろの方から団体の賑やかな声が聞こえてくるのは、追い立てられるようで嬉しくない。
まあ、今日は自分のペースを乱さずに歩けているけど。



ここが鐘掛城か




標高1003m
南側は杉林で暗いが、北側はいくらか木の合間に麓の神流川が見える。



環境庁・埼玉県の看板(どこが設置した看板なのかは、この後も注意して見て欲しい)
なるほど……
城峯山・鐘掛城の名を最初に聞いたとき、
「こんな場所に城を築くほどの戦略的価値があるだろうか?」
と疑問に感じた。
戦国時代後半に武田の版図が西上州を配下に治めた後、秩父を伺うようになった折り、
このあたりが前線の物見の砦として機能するようになったという事か。
確かに西上州から秩父へ侵攻するならば、藤岡・本庄・寄居といった平野部を経由するより神流川を渡って峠を越えたほうが早い。



西へ下る。
正面に城峯山が見えている。



上州を臨む山の上に出たからだろうか?
風がいやに冷たい。
合成革の薄い手袋では冷たさが沁み入ってきて、指がかじかんでしまう。
耳も冷たくてかなわないのでフードをかぶる。



車道に出る。ここが石間峠。
大きいあずま屋とトイレがある。



関東ふれあいの道のゴールである登仙橋というのは神流湖の方らしい。



最後の登りを行くと。



着いた。
電波塔の下半分を展望塔として一般開放している、珍しいつくり。



城峯山1037m



コースタイム2:00のところ、1:40で来た。
急いだつもりはなかったが。



民家で言えば3階相当の高さの展望台に登ると、おおっ!



方位盤はあれど、現物見たほうが早いな。



八角形のそれぞれに写真の解説付き。
これは北西側。
西上州は馴染みのない山域でさっぱりわからん。
帰ってから調べると、赤久縄山とは藤岡市の西端で、神流町との境の山。
方向的にはその向こうに荒船山があるはずだが、
赤久縄山は地味に1500mもあり、その向こうの山を隠してしまっている。



北側
榛名がよく見えるが、その向こうの上越国境の山は曇って見えない。
眼下に神流湖。



北東側
群馬の中心地の向こうに赤城。
谷川~日光は見えない。



東側
今日は雲が多いが、筑波山は写真よりもよく見える。
この手の写真ってとってもよく晴れた時に撮るものだと思うけど。
あんまりいい天気に恵まれなかったのかね。



南東側
奥武蔵の山々。
和同開珎が作られるきっかけとなった高純度の銅を産出し、一躍秩父を重要都市とした銅山があの簑山。
皆野駅から歩いて登れるが、整備された公園の様な山でちと物足らないかもだ。



南側
秩父市街と言わずとしれた武甲山。
その向こうに都県境の長沢背稜。



南西側
奥秩父方面。



西側
正面に両神山
秩父市街からだとゴジラの背のようだと言われるが、
ここからだと南北に長く見える。



南側パノラマ



北側パノラマ



西側の下を見ると建物が見える。
あれが城峯神社だろう。



ちょっと木の枝がじゃまだが。
藤岡・高崎・前橋の市街の向こうに赤城山。
高崎の高校に通っていた時は近すぎて見えなかったが。
こうして離れて見ると、低く・巨大な山だ。



存分に堪能してから降りてくる。
すっかり身体が冷えてしまった。お昼にしよう。
ベンチは無いが、電波塔の基部のコンクリートが座るのにちょうどいい高さ。
そのまま座ると冷たいので座布団を敷く。
鴨だし豆腐汁とカレーメシにお湯を注いでいると、ようやくあの16名の団体山が登ってきた。

服はウィンドブレイカーを羽織っているし、温かい食事もお腹に入れた。
でも指が、指が冷たい。
カイロを持ってくるんだったな。
そろそろ防寒用の手袋も用意しないと。



お昼を食べ終わったのが11:35
下りのコースタイムが1時間30分
西門平のバスが13:59
ならば下山開始は12:30で良い。
登りの感じだと、1時間30分もかからないだろう。
ともあれ、神社や鎖場を見てくる余裕はあるはずだ。



城峯神社の裏手、これが中宮とのこと。



縁起というか、由緒が書かれている。
ほお?
奥多摩から奥武蔵にかけて、広範囲に将門伝説が散らばっているのは知っているが。
こんな上州に近い場所にまであるのか。
落ち延びる将門と、追い詰める俵藤太、というお決まりのパターン。



中宮の先に「将門の隠れ岩」と呼ばれる鎖場がある。
いや、今日は登らないよ。
つつじ新道敗退に懲りて腕力トレーニング中というのもあるけど。
寒さに指がかじかんでしまって、とても鎖を握る気になれない。



これか。



ふむ。一本目の鎖は傾斜45~50℃くらい。長さは10mも無い。
伊豆ヶ岳の鎖場よりちょっと上って位。
だがその先に二本目、ここからだと死角だが右手に次の鎖があり、そっちがちょっと難しいらしい。



偵察だけしてきて引き返してきた。
代わりに天狗岩とやらを見てこよう。



尾根上に小さな岩場、上にこれまた小さなお社。
これか。



人一人がやっと建てるだけの場所。
両神山方面の眺めがいいが、城峯山の眺めの後ではな。
もっとも城峯山だって素の展望はそこまで良くない。
展望塔のおかげで眺めが良いのだからずるいと言えばずるい。



城峯神社
車が入れるようになっている事もあって、立派。



神社の御由緒
ふむ……。




武蔵国らしく、狛犬が山犬



どこが設置したのか分からぬが、これはより「伝承」寄りな内容。



面白いことに神社の目の前がキャンプ場になっている。
神主さんとこに電話して予約して置く必要があるらしいが。
きれいに整地してある。水はけが良いように一段高く。



炊事棟もきれいなもんだ。
もう寒くなってしまったが、ここでテント泊も悪くないかなあ?
車が入れるとはいえ、こんな山中の神社の前で大騒ぎするような手合もそんなに居ないだろうし。



さて。ぼちぼち下山だけど。
山頂に登り返すのも億劫なので、南側の車道をぐるりと巻いて石間峠に戻るとしよう。



途中の案内板。
秩父市吉田の側からも登山ルートはある。
というかそちらのほうが表参道らしい。
ただそっちは距離が長く、始発のバスも西門平より遅いので選択肢から外した。



登山者は歩かないだろうという車道沿いに、この看板。
環境省・埼玉県の看板は学術寄りの内容。
なるほど、なるほど。これは興味深い。もっと人の通る所に置いて欲しい内容だな。

先に述べたように、奥多摩から奥武蔵、秩父の広範囲に散らばる将門伝説というのは、
「落ち延びる将門と追い詰める俵藤太」というのがどこでも同じ類型となっていて。
作り話にしても個性が無いと思っていた。
またこの類の話では将門が「カッコ悪い」と取れてしまうが、実は伝承した側にしてみればかならずしも将門を貶める意図ではなかったのかもしれない。
将門の悲劇を貴種流離譚のように伝えたのだろうか。



綿の様な花?
なんだろう


石間峠に戻ってきたのが12:35。
のんびりしすぎたか。
あずま屋でお茶でも入れようかと思っていたが、とりあえず先に下山してしまおう。



予想通り、1時間ほどで下山完了。
朝、気になっていたパラソルを覗くと野菜がどれも100円で売っている。
柚子と唐辛子をもらった。



朝は気づかなかったが、あづま屋もあったんだ。
バスまで30分もあるので、紅茶を淹れて飲む。
熱湯を1.5Lも持ってきたが、1Lで充分だったな。

13:59のバスに乗ったのは私一人だけ。
あれだけ沢山居た人はどこへ降りたのだろう。
関東ふれあいの道に従って、神流湖の方に降りたのだろうか。

西上州も面白そうな山が多々あるものの。
都心からの日帰りにはちと遠いのと、バスの便がかなり悪いのと。
行くなら高崎でレンタカーを借りた方が早いかもしれない。
妙義・荒船あたりはいつか行ってみたい。
妙義は地元なので小学校の遠足で行くらしいのだが……
私には全く記憶が無いのだ。



秩父温泉前バス停で途中下車。
今日のお風呂はこちら、「満願の湯」

青い色をした不思議なお湯で、ちょっと硫黄?臭い。
アルカリ泉だがヌルヌルではなく、突っ張るような感じがする。
しばらく使っていると、その突っ張りが「卵肌」っぽくなってくる。
なかなかいいお湯だ。

今日はなんだがビールを飲みたい気分ではない。
湯上がりには秩父路サイダーを売っていたので、そいつを二本飲み干してから食堂へ。



おでん。300円。
言うまでもなく関東の山の方で「おでん」と言えばこんにゃくのみそ田楽だ。
三角に切るのが多いが、ここは四角い。
味噌ダレがなかなかおいしい。



みそ豚のケバブ。700円。
ドネルケバブサンドの、ドネルケバブの代わりに秩父名物の豚味噌漬けを入れたもの。
おいしいけれど、肉が大きくて食べづらいのと、700円はちょっと高いかな。

おでんの味噌ダレが残っていたので、何の気なしにフライドポテトをつけて食べたらば、
……みそポテトだ、これ。
そうか、秩父のB級グルメことみそポテトとは、おでんの味噌ダレでジャガイモを食べる工夫だったんだ。
どうしてこれまで気づかなかったんだろう。



クレミアというソフトクリーム。500円。
コーンがラングドシャで作られている珍しいやつ。超ウマイ。


さて。帰りの電車はどんなものかな、と検索すると。
熊谷経由の帰路は皆野で50分待ちになる。
妙だなと思い、目的地を池袋に変更して検索すると

 1605 秩父温泉前
 1623 皆野駅前 190円
 1633 皆野 秩父鉄道~西武線直通池袋行
 1833 池袋 380円+780円

皆野乗り換え10分で池袋直通の快速急行があるではないか。
これで帰ろう。

皆野町営コミュニティバスの日野沢線、土休日は一日5往復しか無くて心もとないと思っていたが。
なかなかどうして良く出来ている。
始発バスで西門平に行って、コースタイム(少し甘めの設定だ)通りに歩いたとしても、山頂で1時間のお昼が取れる。
13:59のバスで降りてきて、秩父温泉前で下車。
1時間50分あれば入浴時間としてはそこまで慌ただしくなく、余裕をもって最終バスに乗れるというわけだ。



皆野駅。
冬至も近づき、16時半でもう薄闇。
それにしても山の上は寒かった。
後で知ったが、丹沢の方では雪が舞っていたそうな。



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西門平から登る城峯山は、道の悪いところもなく、安全な日帰りコースだった。
展望塔からの眺めは360℃の大展望で、先日の都留市の赤岩を上回る。
雲が多いのが残念だった。
将門の隠れ岩もいずれは挑みたい。
腕力を充分に鍛えてから、また来ることになるだろう。

満願の湯も良い温泉だった。
破風山に登って、満願の湯に下山するのもいい案かもしれない。

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