引っ越しのドタバタもひと段落……
いや、実際に作業あって身動き取れない事よりも「○○しなきゃ」みたいな心理的な負荷があってあんまり山を楽しめてなかった。
高尾山くらいはちょこちょこ来ていたけど。
ともあれ紅葉の時期を逃し、すっかり冬になってしまった。
ならば低山バリの季節ですな。
今年の一発目はどこにしようか……案だけ去年考えてた宝生寺団地にしよう。
八王子の北方、あきる野との境のほう。
川口川と山入川とに挟まれた細い尾根を辿ってみようかと。
建物の感じからするに、ここも高度成長期に丘を削って造成した住宅地なのだろうな。
左手奥の民家の脇に通行止めの道がある。
ここからスタート。
この傾斜で階段じゃないだと?
落ち葉の上から踏むのもちょっと嫌な傾斜。
クローラー車両前提だろうか。
必然的にその裏は「これ以上の土地造成は厳しい」という状態になっている。
ここもその通りで山と谷が奇妙に入り組んでいる。
ほんとに崖のギリギリまで家が建ってる。
ひょっとして団地のセンターから普通に登れる階段があった?
おかしいな?踏み跡はあるんだけど、階段の脇が高いフェンスになっていて。
ネットを開けられる場所も注意してないと見落とす。
正直ちょっと楽しい。
あの階段の上は公園や展望台みたいな場所ではなく、水道施設か何か、部外者が立ち入れない場所みたいだ。
ここは東から登ってくるのが本来なのだろう。
西へ向かいたいが……踏み跡も人工物も無数にあって、どこを行けばいいのやら。
進めば徐々に道型ははっきりしてくる。
この下に彫られた圏央道のトンネルが天合峰トンネル。
スタスタ歩いていると、山の上にあるはずのないものが向こうに見えてビクリとする。
通行止めで左手に降りるよう誘導している。
何をやるんだろう?
土地の境界を測量し直したり、何らかの開発を行うにしても、川と川との間の分水嶺をいじる事は無いと思うんだが。
下山するかどうかしばし悩んだが。いいや、行ってみよう。
本当に何か工事していて通れないなら諦めて引き返すし、作業員がいて咎められるなら素直にゴメンナサイすればいいのだ。
工事の音が聞こえてくるのは尾根の南側からで。
尾根上の分岐、南側へ向かえる箇所にはこんな風にさらなる通行止めの表示がある。
帰宅後に調べるとこんなのがあった。
圏央道へ近い立地を生かして工業団地を作ろうということらしい。
急だな、という場所には補助ロープが張ってある。
ありがたい、頼らせてもらう。
踏み跡はほとんどない。
どっか別に道があっただろうか?
かつての山畑だろうか?
いや、山畑にしてはそういった痕跡、畔とか遺棄された農具とか、そういうのがない。
むむ、急だな。
ここまで使わなかったがストックを出す。
気になるので偵察しに行こう。
こんな。
ショベルは置いてるけど人の気配はない。
なんだろう?
開発途中で工事が止まっているみたいな感じだが。
その後、山道に引き返して歩みを進めるも、違和感を覚えて足を止める。
自分の影が正面に延びてる。
さっきから、北に向かって進んでないか?
やはり。
分水嶺の尾根上から北への支尾根に入ってしまっている。
どこだ?どこで間違えた?
ストックを出したとこだ。
やられた、いや、テープに釣られるとは初心者みたいなミスだ。
とはいえ例の小ピークに戻って西へ向かう方を探ると……無いんだな、踏み跡が。
どうにも、このあたりの踏み跡は山仕事の人がつける踏み跡で。
この分水嶺の尾根上を東西に縦走しようというハイカーはあんまりいないのだろうか。
さて、当初の腹づもりではさらに西へすすみ、今熊山と入山峠の中間に出るつもりだった。
ただ、ちょっと疲れたな。
この先もこんな感じで踏み跡の薄い、進むべきルートの探しにくいとこが続くとしたら……
余裕のあるうちにエスケープとしましょう。
そうなると北の今熊側に降りるか、南の美山側に降りるか、バス次第だが。
ここ、電波が入んない。
いいや、じゃあ北で。
美山はバスが無いと詰んでしまうが、今熊ならなんとなれば武蔵五日市駅まで歩けるので。
どっち方向も行った直後で駅まで歩いた。
とはいえちょっと体力衰え気味。
このところ山もジョギングもできてなかったからなあ。














































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