2025年12月19日金曜日

2025/12/18(木) 川口丘陵(八王子北方のバリエーション)

引っ越しのドタバタもひと段落……
いや、実際に作業あって身動き取れない事よりも「○○しなきゃ」みたいな心理的な負荷があってあんまり山を楽しめてなかった。
高尾山くらいはちょこちょこ来ていたけど。

ともあれ紅葉の時期を逃し、すっかり冬になってしまった。
ならば低山バリの季節ですな。
今年の一発目はどこにしようか……案だけ去年考えてた宝生寺団地にしよう。

八王子の北方、あきる野との境のほう。
川口川と山入川とに挟まれた細い尾根を辿ってみようかと。



高尾駅からバスにのり宝生寺団地へ。
建物の感じからするに、ここも高度成長期に丘を削って造成した住宅地なのだろうな。
左手奥の民家の脇に通行止めの道がある。
ここからスタート。


まず谷筋へ下る。
この傾斜で階段じゃないだと?
落ち葉の上から踏むのもちょっと嫌な傾斜。
クローラー車両前提だろうか。



この手の住宅地というのは、可能な限り広く土地を作り出したいはずなので。
必然的にその裏は「これ以上の土地造成は厳しい」という状態になっている。
ここもその通りで山と谷が奇妙に入り組んでいる。


山肌は……一度皆伐されてその後に植林されたような。
踏み跡はあちこち無数に入り乱れていてどこでも歩けそうにみえる。
ひとまず団地の北側のピークの方へ向かってみる。


宝生寺団地を後ろから。
ほんとに崖のギリギリまで家が建ってる。


あれ?向こうに階段がみえる。
ひょっとして団地のセンターから普通に登れる階段があった?


階段の方へ向かってみる。
おかしいな?踏み跡はあるんだけど、階段の脇が高いフェンスになっていて。
開けて通行できるような扉がどこにもない。



複雑な起伏と、獣除けネットでまるで迷路みたいな場所だ。
ネットを開けられる場所も注意してないと見落とす。
正直ちょっと楽しい。


あー、なるほど。
あの階段の上は公園や展望台みたいな場所ではなく、水道施設か何か、部外者が立ち入れない場所みたいだ。



その施設の近くに小さな神社があった。


消えかかっているが、金刀比羅様だな。


お社は東を向いていて。
ここは東から登ってくるのが本来なのだろう。


小休止して、さて。
西へ向かいたいが……踏み跡も人工物も無数にあって、どこを行けばいいのやら。




多少藪っぽかったりもするが。
進めば徐々に道型ははっきりしてくる。



天合峰。
この下に彫られた圏央道のトンネルが天合峰トンネル。


天合峰からは道が良くなる。
スタスタ歩いていると、山の上にあるはずのないものが向こうに見えてビクリとする。


道路工事の立て看板だ。
通行止めで左手に降りるよう誘導している。


区画整理……区画整理事業工事?
何をやるんだろう?
土地の境界を測量し直したり、何らかの開発を行うにしても、川と川との間の分水嶺をいじる事は無いと思うんだが。
下山するかどうかしばし悩んだが。いいや、行ってみよう。
本当に何か工事していて通れないなら諦めて引き返すし、作業員がいて咎められるなら素直にゴメンナサイすればいいのだ。



結果からいえば予想通りであった。
工事の音が聞こえてくるのは尾根の南側からで。
尾根上の分岐、南側へ向かえる箇所にはこんな風にさらなる通行止めの表示がある。

帰宅後に調べるとこんなのがあった。
圏央道へ近い立地を生かして工業団地を作ろうということらしい。


都道の美山通りへの下り。
急だな、という場所には補助ロープが張ってある。
ありがたい、頼らせてもらう。


ロープを掴みながら山から下りてくる人の姿を見せて、峠越えのドライバーを怖がらせましょう。


戸沢峠。
ここは向かいが崖なので、取りつける場所を探して北へ少し移動する。



廃棄物置き場の脇から行けそうだ。



這いつくばるように登っていく。
踏み跡はほとんどない。
どっか別に道があっただろうか?


取り付きは悪くともある程度尾根筋に乗ってしまえばどうということも無いのは高尾山周辺と同じ。



突如山の上に平らなすすき野原が現れる。
かつての山畑だろうか?
いや、山畑にしてはそういった痕跡、畔とか遺棄された農具とか、そういうのがない。


小ピークからの下り。
むむ、急だな。
ここまで使わなかったがストックを出す。


右手の方に造成されてるっぽい土地がある。
気になるので偵察しに行こう。


こんな。
ショベルは置いてるけど人の気配はない。
なんだろう?
開発途中で工事が止まっているみたいな感じだが。

その後、山道に引き返して歩みを進めるも、違和感を覚えて足を止める。
自分の影が正面に延びてる。
さっきから、北に向かって進んでないか?


地図を確認する。
やはり。
分水嶺の尾根上から北への支尾根に入ってしまっている。
どこだ?どこで間違えた?
ストックを出したとこだ。
やられた、いや、テープに釣られるとは初心者みたいなミスだ。

とはいえ例の小ピークに戻って西へ向かう方を探ると……無いんだな、踏み跡が。
どうにも、このあたりの踏み跡は山仕事の人がつける踏み跡で。
この分水嶺の尾根上を東西に縦走しようというハイカーはあんまりいないのだろうか。


2つ目の車道に降りる。
ここも随分なとこを降りてきた。
植林帯の中なので危険ではないが、とにかく踏み跡が無い。



ここは…舗装されてはいるが、市道だろうか?ちょっとあやしい。
さて、当初の腹づもりではさらに西へすすみ、今熊山と入山峠の中間に出るつもりだった。
ただ、ちょっと疲れたな。
この先もこんな感じで踏み跡の薄い、進むべきルートの探しにくいとこが続くとしたら……
余裕のあるうちにエスケープとしましょう。

そうなると北の今熊側に降りるか、南の美山側に降りるか、バス次第だが。
ここ、電波が入んない。
いいや、じゃあ北で。
美山はバスが無いと詰んでしまうが、今熊ならなんとなれば武蔵五日市駅まで歩けるので。


八王子~武蔵五日市のバスは1時間に1本あるのだが。
どっち方向も行った直後で駅まで歩いた。


大変すぎない程ほどの低山バリは楽しいな。
とはいえちょっと体力衰え気味。
このところ山もジョギングもできてなかったからなあ。

引っ越しと山

 引っ越しました。
最寄り駅が王子から王子神谷へ。
また駅から少し遠い。
近くのバス停からバスを使えばいいのだけど、バスは始発が遅い。
西の方、山が一段遠くなった感じがする。

 10年前、池袋から王子に引っ越した時も同じことを思った。
僅かな差のようでいて、電車で移動していった先のバスが間に合うかどうかに影響することが無いでもない。
それと同じ事がもう少しはっきりと出てくるかと思う。

 具体例を挙げると、王子駅の始発電車は04:35だが、王子神谷だと05:05になってしまう。
近所のバス停からだと平日で6時前後だ。
よく行くところで言うと、丹沢の大倉尾根。
渋沢駅06:48の始発バスはもう間に合わない。
まああそこなら始発にこだわる必要もない、次のバスでいいのだけど。
午前中のバスがそれしかない、というのに間に合わない事は増えるだろう。
まあ気合い入れれば東十条駅まで歩けないことはない。
その気になればなんとでもなる。
もっと遠方に住んでいるひとなら、山に登るために前夜泊をすることだってあるだろうし。

 ただ心理的には少しだけ山が遠くなったなあって。
長年山登りが習慣づいた人にはたまにあるでしょ。
朝早くに起きて支度をして家を出るまでが一番の難所だっていうの。
そこに作用しているような感じですよ。