2024年6月30日日曜日

2024/06/30(土) 山での暮らし@ハンノ木尾根

奥多摩を軽く、以前から気になっていたハンノキ尾根を歩いてみたい。
山高地図には載っていないが、守屋地図では紫線ルートで紹介している。
前日にだいぶ雨があり、バリルートはどうかな?とも思ったのだが。
まあひとまず行ってみよう。



境橋バス停で降り、




境集落のあたりから西の山に入る。



山に入る道がいくつもあり迷ったが、地形と方角から検討をつけすすむ。
かつてはこの上に集落があり、生活道でもあったため、道はそこそこ広い。


最初の廃屋。
住民が去って数十年といった感じかな。



緩斜面に石垣が組まれ、石垣沿いに道がある。
平らな場所を確保できるならそこに家屋を立て、傾斜地は山畑や果樹園などだったようだ。


電柱が電線を山の上に送っていく。


昔の道が思いのほか形を保っているのは、林業者が現在も利用しているからかもしれない。


斜面に立つ、電柱と栗の木と椰子の木。
昔は求められれば採算性など度外視でどんな場所にも電柱を建てて、電気通信といった文明を届けたのだ。


遠目にも目を惹く廃屋があり、倒木をくぐったりしながら近ずいてみる。



懐かしさを感じる作りだ。
玄関と曇りガラスを隔てて居間がありこたつがあり。
二階というか屋根裏にあがる急な階段があり。
私が子供の頃の実家の方でもこういう造りのおうちはいくつもあったよ。

さすがに中に立ち入るのは控える。


家の前からの景色。


これほどの急斜面でも石垣を組み、畑として耕作していたのか。
大変な暮らしだったろうな。


とはいえメーターや保安器の形状を見るに、遠い昔という訳でもない。
平成の頭頃にはまだ居住していたと思われる。


下からあがってきていた電柱はここが終点。
電力柱表示で「境91」?NTTの表示はない。


その家屋を離れ先に進むと、別ルート?での電柱と電線が出てくる。




さっきの家屋よりももうひと世代古そうな家屋だ。
とはいえここもパラボラアンテナがあり、衛星放送開始時点ではまだ居住していたのだろう。


その家屋を過ぎると、もうかつての山での暮らしを偲ばせるものはなくなる。
ここももちろん人の手が入っているが、現代の林業者によるものだ。


右手の小中沢の方からあがってるく道や、


右手の小中沢の方からあがってくるモノレールを跨いだり。



おや?なんか妙に道が……



と思っていると獣除けねっとにぶつかる。
さて?
左手を見るとモノレールがネットを突き抜け、若干の踏み跡も見える。
右手を見ると広めの道が見える。


ひとまず右へ行ってみる。
広い道をすいすい進んでいくが、



あー、これは違うな。
これも小中沢からの作業道だ。
そもそも山の上に向かう登山道がこんなに広い訳が無い。
さっきの場所まで引き返す。


で、今度は左手。
モノレールがネットを突き抜けているとこから、


モノレールに沿って進んでみる。



と、上になにやら建物が見えてくる。
林業者のものだな。



ここも使われなくなって久しいようで、廃材が放置されている。
かつてはここに寝泊まりした飯場だったのだろう。
こういう場所に転がっている酒瓶といえば一升瓶と相場が決まっているが。
ここの山男たちはずいぶんとしゃれた酒を飲んでいたようだ。
稼ぎも良かったのかな。



その後も迷いに迷って、どうにかイソツネ山からのルートと合流できた。

・緩斜面であり、歩こうと思えばどこでも歩ける。その為踏み跡が散逸してしまう
・かつての作業道と交わったり交わらなかったりで登山用のルートが見えない
・起伏のある地形で樹木に覆われている為地形が読みにくい。

正直GPSとコンパスが無いとお手上げだよ。



結構上の方まできたが、昔の炭焼き釜跡がある。
これは何度も話していると思うが、かつての山での暮らしというのはそれなりにお金になったようなのだ。
路線バスの終点、どんずまりの山奥の集落が立派な母屋や白塗りの蔵が並んでいたりして驚く。
材木や炭を売って財を築けたようなのだ。
それも戦後は海外から安い輸入木材が入ってくるようになり、エネルギーも石油ガスに代わり、お金にならなくなった。
そうなるともう、山での暮らしは諦めて里に降りるしかない。


それにしても。
さんざん迷わされたのもあるにしても調子が良くない。
汗がダラダラでペースが遅い。
これは予定通りには歩けないかもな。


山中にぬっとあらわれる人工物。



短波の反射板だ。
東の氷川の方から来る電波をここで反射させて、南の奥多摩湖の方へ降ろすのだろうか。


ギョリンソウ。



さてようやく水根からのコースに合流したのだけど。
当初の見積もりではここまで2時間、六ッ石山を回って石尾根を駅まで歩こうと思っていたけど。
全身びちょびちょでぐったりしてしまった。


それで水根に降りましたとさ。


週末の奥多摩駅は久しぶりだな、ということで。
まずはヤナギコージで水分補給。
喉は乾いていたのだけど、定食が出来上がるまでに飲みきらないとはやはり調子が良くなかったか。



温泉に向かう途中、そうだ、スーパー小川の跡地がフードコートになったのだっけ。
ちょっと覗いてみる。


かつてのスーパー時代の面影を……意図的に残しているのかな、これは。
テナントは5つくらい出店できそうな造りだけど、現状はカレーとラーメン。
バテレの地ビールもある。


カレーは薄切り牛肉多めでコクのある正攻法カレー。


奥多摩清流中華そばとか言ったかな?
某漫画の某ラーメンハゲの店みたいだけど、鶏油が効いたあっさり味でした。


風呂上がりに横になって休んでいたら、急に足が攣って5分位悶絶してました。

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