雲取山へは何度も登っているが。
実は秩父側、三峯神社からのルートは未経験なのだ。
今回はそこを歩いてみたい。
◆計画
0616 王子
0621 田端
0626 田端
0635 池袋 165円
0650 池袋 特急ちちぶ3号
0815 西武秩父 772円+700円
0830 西武秩父駅
0945 三峯神社 930円
三峯神社 1040m
↓1:35
藻霧ヶ峰 1523m
↓1:35
白岩小屋
↓1:40
雲取山荘 1891m
※コースタイムは山と高原地図のもの
テン泊装備の私の足だと2~4割増しでかかるだろう
テント場 500円
※帰り
三峯神社発西武秩父駅行きバス時刻
1030.1130.1230.1330.1430*.1530*.1630
*は三峰口駅から池袋直通電車の接続あり
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◆10/20土
特急を降りてすぐバス停に並ぶもすでに結構な列ができていて、座ることはできなかった。
でもこの特急よりも前に秩父に着く電車となると、小一時間は前になってしまう。
三峯神社駐車場に着。
山道を走るバスで横向きに立っていたせいか、少し酔った。
缶コーヒーを買って、少し休む。
天気は上々、今日の降水確率は10%。明日は0%だ。
登山口の鳥居前で身支度をする。
写真に写っている女性4人組はこの後追い越すことになるが、私が休んでいると後からやってきたりで結局雲取山荘までつかず離れず。
ビジターセンターからは少し歩いてきたので。
10時頃の出発。
登山届提出箱のと、セルフ方式の入山者カウンター。
パチっとな。
味のある看板
奥宮・妙法ヶ岳への分岐
霧藻ヶ峰までは穏やかな登りが続く
地蔵峠
このあたりの東側の麓に太陽寺というお寺があり、また林道大血川線が走っている。
バスなどの公共交通機関は無いが、タクシーを使って林道から登り始めれば雲取への最短ルートになるのだろうか?
トイレのある先の岩壁に
「霧藻ヶ峰」の名付け親である秩父宮殿下のレリーフ
写真に撮ろうとしたら、顔認識がはたらくのに笑ってしまった。
霧藻ヶ峰休憩所
宿泊は出来ないが、土日は小屋番が入って登山者の安全を見守ってくれている。
ジュース・缶ビール・カップラーメンの販売もしている。
中でお湯を沸かしていて、コーヒーも頼めるようだ。
温かいコーヒーでも頼もうかな、と財布を取り出して……
しまった、またやってしまった!こないだ雁坂峠でやったばかりだというのに!
財布の中に小銭が無く、千円札が一枚、あとは万札だ。
雲取山荘でテント場代と缶ビールを買ったらそれまでじゃないか。
うーん、山小屋で小額の支払いに万札は憚られるし、コーヒーは我慢。
パンと羊羹を一つ齧る。
西面の展望がいい。和名倉山から両神山までよく見える。
地図をみて、あれ?
この休憩所はもう山頂は通過した場所なのか
冒頭の計画にも書いてあるが、コースタイム的には
三峯神社~霧藻ヶ峰、霧藻ヶ峰~白岩小屋、白岩小屋~雲取山荘
でおおよそ三等分になる。
つまりここで1/3。
お清平へ向かって下る。
三峰コースはこの下って登り返してを何度も繰り返すことになる。
お清平
途中何度か見かけることになる看板。
コース全体が俯瞰でき現在地点がわかりやすいが、このコースの特徴たるアップダウンは読み取りにくい。
お清平からは登りが険しくなってくる
前白岩
またちょっと下る
レースのようにひらひらしたキノコ
スギヒラタケ、だろうか
屋根が見えた
あれが白岩小屋か
ほぼ、廃屋ね。
他の方の山行記録などを漁ると、2015年時点では壁はまだしっかりしていたようだが。
小屋の前で2回目の休憩。
パンと羊羹を齧る。
休憩しながら最後の「1/3」を確認する。
最後の「1/3」が一番きつそうだ。
そろそろ行こうかと思っていると例の4人組がやってきて、ベンチを譲る。
白岩山
あれ?ここは山頂標識は無いの?とキョロキョロすると。
なぜかコースをはずれたあんなところにある。
標高1921m、本日の最高点であり、ゴールである雲取山荘よりもすでに高い場所。
だかこれからまだまだあるのだ。
芋木ノドッケの西面巻道を下っていく。
危なっかしい場所には階段や桟道が作られている。
ここまでずっと埼玉県の標識だったが、東京都の標識がお出まし。
都県境に出たか。
それにしても長い下りだ。もう下山しているような錯覚を覚える。
七ツ石山から雲取山へかけての、ブナ坂が。
雲取の北側からだとこんなふうに見えるのか。
紅葉する木が多いが、このあたりの色はもうくすんで来ているかな。
いや、そうじゃない。空が嫌に暗いからだ。
と思いきや、小雨がぱらつき始めた!
途中、カッパを出している人たちを追い抜く。
大ダワについた。
白岩山と雲取山との鞍部にあたる。
雨が結構激しく、音を立てて降り出す。
だが西の空を見やれば、奥秩父の方の稜線付近は雲が切れて青空も見える。
ならばこれは通り雨、長くは降り続かないだろう、と思いたい。
それにしてもこの大ダワの地形。
白岩山から標高差200m以上も落とされる。
女坂を登っている最中に雨はやんでくれた。
右上になにか建物が。
あれが廃業したという雲取ヒュッテだろうか。
気にはなるが今はテント場へ急ごう。
お、やってるやってる。
テント場はまだまだ余裕ありそうだ。
ここに来る途中に見たが、雲取ヒュッテ側へ行けばテントの張れそうな平らな場所がいくつもあった。
あそこが指定の幕営地なのかは分からぬが。
やれやれ、到着。疲れたよ。
初めて歩く山道は疲れるものだけど、アップダウンの多さは堪えるなあ。
テン泊500円+ビール500円
コースタイム4:50のところ、休憩込みの実時間で5:40
かなり意識してゆっくり歩いたおかげで、苦手のアップダウンの多いコースにもかかわらず、ペースを崩さずに歩き通せた。
さて。水を汲んだりとかしたいが、先に寝床を作っておこう。
また降られたりすると厄介だからな。
ツエルトを広げてペグを打っていると、例の4人組が登ってきて「お疲れ様」とねぎらいあった。
嫌な予感はあたるもので。
設営途中で急にまた雨が降り出す。
しかも今度は雲も厚く、本降りの気配だ。
大急ぎで最低限のロープを張り、ストックでツエルトを建て、荷物を中に放り込んで自分も中に飛び込む。
中でツエルトの床の紐をむすび、フロアシート代わりのアルミシートを敷き、マットを広げてどうにか横になる。
小さなベンチレーションの穴から風が吹き込み、ツェルトの中が風を孕んで揺れる。
参ったなあ。降水確率10%、明日は0%の予報で降られるとは思ってなかったよ。
降るとわかっていれば重くてもクロスドームテントを持ってきたのだが。
まあそれが分かれば世話ないわね。
雨が小休止した隙きにツェルトを仕上げる。
張り綱を調整し、サイドリフターを引っ張る。
コレをしておかないとツェルトの快適性が大きく違ってくるんだ。
水を汲んできて、夕飯を。
家の台所にあるものを適当に持ってきたものだが。
高野豆腐を水で戻し、賞味期限切れ間近のサラミソーセージと一緒に炊く。
サッポロ一番塩ラーメンのスープだけ先にいれて味付け。
うん、悪くない。けど高野豆腐は一口サイズにカットしてあるやつのほうが食べやすいし、もどりも早いな。
と、また雨が降ってきた。
風と一緒にベンチレーションから雨が吹き込んでくるので、仕方なしにベンチレーションを絞る。
だがそんな状況で中で火を使えば……あっという間に結露が発生する。
ポタポタとツェルトの中で雨が降るような状態にうんざりしてしまった。
ラーメンを食べ終えるとさっさと寝袋に入り、「中で雨が降っている」ことへの対策として、もう一枚のアルミシートをひっかぶってとっとと寝てしまった。
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◆10/21日
夜中の4時、の少し前に目が覚める。
雨の中に出たくなかったので……昨夜トイレに行ってない。
もう膀胱が破裂しそうだ。
仕方なしにツェルトを出ると、雨はもう止んでいて。
気温も思いのほか寒くは無い。
そして満点の星空!
その美しさだけで昨夜の嫌な事がみんな吹き飛んでしまった。
カメラが無く、スマホだけなのでこの美しさを残せないのが残念。
いや、待てよ。
iphoneSEのカメラではどうにもならなが、zenfone3ultraのカメラは確かシャッタースピードとiso感度をいじれたはずだ。
マニュアルで最長32秒、最高6400まで変更できる。
ちょっと試してみようか。
下の方の点が雲取山荘の灯り、上の方が星
うーん、この辺が限界。
木々の合間から遠くに見える秩父の街の灯もなかなか美しい。
と、これは失敗。
頑張ってみたけどこの辺が限度。
三脚も無いのに、手持ちで20秒とかの撮影は出来ない。
どうしたのかというと、靴の中にスマホを突っ込んだ。
思いのほか寒くはなかったとはいえ、流石にずっと写真を撮っていたら身体が冷えてしまった。
お湯を沸かして温かい紅茶を作って飲み、もう一度横になる。
秩父の街の方から陽がのぼる。
朝焼けの雲取山荘。
朝食を食べ終えた人たちが雲取へ登っていく。
明け方前の星空と、この朝焼けでもう胸が満たされてしまった。
撤収。
昨夜寝入るまでずっと迷っていた。
三峰コースが堪えたので、明日はあるきなれた鴨沢に降りようかと。
星空と朝焼けに元気をもらったので、予定通り三峯神社に降りることにする。
登り下り両方歩かないとそのコースを理解したとは言えないよな。
山頂は、まあいいか。
朝飯は無し。
高野豆腐とサラミが思いのほかお腹にたまって。
いつもはインスタントラーメン2食を普通に食べるのだけど、ゆうべはどうにかこうにかお腹に押し込んだのだ。
そのため食欲が無い。
7時ちょっと前に下山開始。
昨日気になった雲取ヒュッテ跡を見に行こう。
おお、芋木ノドッケと白岩山がフタコブラクダのようだ。
北西方向の眺めが良い
ゴツゴツした両神山の向こう、西上州は雲海の底だ。
その左後ろは……浅間?
雲取ヒュッテは白岩小屋と大差ない廃屋っぷり
女坂の崩落箇所。
崩落したヘリに踏み跡がついているけど、土が水を含んで柔らかい。
これは二次崩落の危険があるよ。
もっと離れた場所に高巻きの踏み跡をつけるべきかな。
大ダワへ下ってきた。
ここから白岩山へ200m以上登らねば。
大ダワ林道への下山路は柵で封鎖されている。
昨日は降り出す直前の曇天でくすんで見えたが。
朝日を受ける紅葉はうつくしいな。
そこまでおどかさなくても、とも思うが。
実際事故が多いのだよね。
その看板から右を向けば。
谷の向こうに金色に輝く……相模湾かな?
西側の巻道を登り
芋木ノドッケと白岩山の鞍部に合流。
なぜかここに芋の木ドッケの標識がある。
地名についての解説。
前から気になっている「芋木ノドッケ」と「芋ノ木ドッケ」の表記ゆれについては言及なし。
というかこの看板のなかですら訂正がはられているのだけど。
白岩山へ登りかえし完了
朝は食欲がなかったのに、動き出したら少しお腹にスペースができたような感じ。
羊羹があとひとつ残っていたので齧る。
それと粉末のアクエリアスを作って飲む。
三峯神社まで戻れば温かい食事が取れるので、途中の空腹は我慢しよう。
白岩小屋へ戻ってきた
小屋の西側の展望スポット。
これはなかなか。
前白岩へ登る
前白岩の肩から正面に霧藻ヶ峰。
高さはほぼ変わらないくせに、間のお清平が谷底にあるかのように低い。
三峯神社コース、アップダウンがあってしんどいものの、道はそこまで悪くは無いんだ。
無論鴨沢コースとは比べるべくもないが。
若干良くないと言えるのはここ、お清平~前白岩の肩、それと芋木ノドッケの西側巻道、その2箇所くらいかな。
お清平
ここから霧藻ヶ峰へが本当に最後の登りだ
霧藻ヶ峰へ
休憩舎の前は混んでいたので、その先のベンチで最後の休憩を取る。
あの(右側やや下)やけに岩々しいのはなんだろう?
ああ、あれ妙法ヶ岳か
一度登ったけど、確かにあんな感じだ。
三峯神社の奥宮があるのだけど、最後の鎖場がご老人には厳しい。
(2016/7/24の記事参照)
ああ、やっぱり
両神山の後ろに見えていたのは浅間なんだ。
西上州で生まれ育った私にとって、浅間といえば丸く美しい単独峰で。
あの西側に長い山容がピンとこなかったのだ。
あとは特に何事もなく下山完了。
この横のベンチで荷物を片付ける。
雲取山荘から4:30で降りてきたことになるか。
この辺は一度見たので。
興雲閣
三峰講の宿泊所
一般人もホテル代わりに泊まれるし、中のお風呂だけ日帰り入浴できる。
ここのお風呂は麓の大滝温泉の湯を運んで来ている。
悪くはない。
ニュースで見た。
なぜか三峯神社が若い人の間でもブームになって、これの配布日などは国道140号から神社への山道が渋滞で埋まってしまう状況だったらしい。
類似の他の例に習えば、マイカー規制しか無いように思うんだが。
国立公園でもないし、難しいだろうなあ。
自販機でフルーツ牛乳とヨーグルト
この折って使う紙のスプーン、まだあったんだ。
食堂でお昼ご飯
番号札がカワイイ
注文したものはカワイクナイ
田楽・おでんは歴史的には
「串にさした豆腐を焼いて、味噌ダレを塗って食べるもの」→「串にさしたこんにゃくを茹でて、味噌ダレを塗って食べるもの」→「いろんな具材を醤油だしで煮込んで、食べる際に串にさしたもの(いわゆる関東煮)」→「関東煮を串にささずにお皿と箸で食べるもの」と変化してきた。
関東煮の本場たる関東でも山の方……群馬とか秩父とか奥多摩とか丹沢とかで「おでん」といえば今でも普通にコレですよ。
栃木や茨城の方はどうなんだろ?ほとんど行ったことが無いから分からないが。
しいたけ丼
肉厚のしいたけにパン粉を付けてカツのように揚げ、タレカツ丼のような甘じょっぱいタレにつけたもの。
いや、ここの食堂は神社の境内とはいえ、別に精進料理だけってわけじゃないんだけど。
気分的にただのカツ丼とかよりこういう、ここでしか無いものを食べたいじゃない。
参道で売っていたいもでんがく
「ジャガイモではありません」とあるが、買って食べてみたところジャガイモでした。
帰ってから調べると、”中津川いも”とは江戸時代に入ってきた古い品種を、この地域で守り続けている地場野菜らしい。
檜原村の”おいねいも”みたいなもんかな。
14:30のバスで帰る。帰りも座れなかった。
参拝客の多いことったらないよ。
今日は特別な日でもないだろうに、この時間でもまだ駐車場に入り待ちの車が1km以上列をなしていたもの。
すごいところだよ、三峯神社。
どうしてロープウェー、廃止になってしまったんだろう。
あのときは今ほど賑わっていなかったのかな。
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初めて三峯神社から登った感想。
いやー、キツイ。
地図をみて理解はしていたけど、アップダウンの多いことによるきつさは鴨沢ルートよりも堪える。
スタートの標高が1100mで騙されてはいけない。
登り返しが+400m位は上積みされると思う。
鴨沢からの登山者には、テント泊装備の人たちがたくさんいるものだけど。
三峯神社からの登山者にテント泊装備の人って私以外居なかったもの。
それが何よりの証左だと思う。
ただ、雲取奥多摩小屋が廃止になると。
鴨沢からのテント泊登山者は七ツ石小屋か雲取山荘までかになる。
鴨沢から雲取山荘は遠い。
それならば三峯神社から雲取山荘へ行こう、という人も少しは増える、かなあ?
そんな事は無いか。
どっちの登山口でも同じように選択できるというのは都内住みの利点かも。
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