まだまだ陽が伸びたという感覚はあまりないのだが
ともあれ週のなかばの水曜日が休みというのはちょっと嬉しいもの
晴れていれば、ね
前日の天気予報はあいにくの降水確率100%
山は諦めて近所の体育館にでも行こうか、と思いかけたが
よく読むと、なんだ?
秩父~奥多摩~丹沢~箱根、つまり関東平野の西の山地で大雪だと?
こんなに暖かいのに本当に?
普段ならば雨の時には山に登らない方針だ
ただ今年は「もっと雪の山を歩きたかった」「だがすっかり春になってしまった」という悔いがあり
本当に雪が降るなら見に行きたい、と方針を曲げた
雨が降ったとしてもぬかるみ等の危険の無い丹沢の大倉尾根に行こう
始発のバス(小田急渋沢駅0644着、駅北口バス0648発)でいくつもりだったが支度にて間取り、次のバス(小田急渋沢駅0658着、駅北口バス0702発)でいくことにする
同じ車両から降りた女性ソロのハイカーが駆け足でいくのを不信に思いながら北口バス乗り場へ向かうと、バスが目の前で出発していった
時計を見ると確かに0702、定刻通り
電車が遅れていたのか
次のバスは0718
このバスの多さ、アクセスの良さが大倉のありがたい所
トイレに寄り、改札周辺をぶらつく
写真は改札を出てデッキから北を望む
晴れていれば丹沢が見えるのだが、この小雨模様
家を出る時はまだ降っていなかったのだけどな
改札脇の箱根そば(小田急グループの立ち食いそばチェーン、味はそこそこ)が営業していたが、朝飯は既に食べてきたのでパス
北口ロータリーのオリジン弁当が7時からの営業で開いていたのでおにぎりを2つ買う
また温かい、握りたてだ
このオリジン弁当、以前は始発バスの時間には開いていて、よくおにぎりと唐揚げを買っては塔ノ岳の頂上で食べたのだ
大倉にバスが着く
真冬でも休日ならば始発バスの座席が埋まる程度にはハイカーの多い所だが
始発から2便遅れて、しかもこの雨
ハイカーは私だけだ
あったかい缶コーヒーを飲みつつ、ビジターセンターで登山道の状況を確認する
どんぐりハウスが2月末で閉鎖になってしまったようだ
ここのカレーラース、好きだっただけに残念だ
煮込まれすぎてぐでぐでになったカレー
普通ならありがたく無いのだけど、下山後に汗をかいていて(=塩分が欲しい)、疲れ切った(=胃に負担の無いものが欲しい)状態だと不思議とおいしいく感じられた
トイレを済ませて出てくると、ロータリーに停めた車から降りてきたおじさんに
「こんな日に山に入るのですか?」
と声を掛けられる
ハイカーというナリではない。でも地元の人という感じでもない。なにより「山に入る」という言い回しに興味を惹かれて話をしてみると、レスキューの人だという
今日明日でレスキューの訓練があるという
ご苦労さまです
彼らの手を煩わせる事の無いようにしたいもの
さて、カッパの支度をする
前述の通り、雨の日には山に登らない方針なのでカッパを雨具として使用することは、実は殆ど無い
冬の風が冷たい時のウィンドシェル代わりとか、夏のテント泊で寝袋をもっていかない時に、明け方の寒さ対策に着込む位にしか使わないのだ
今日は久々に雨具として使用する
・・・・・・
雨の中をカッパを着て登る都合上、ポケットにスマホをツッコんでおくわけにもいかず、今日は写真は少ない
登り始めてすぐ、克童房(という名の窯元)を過ぎたあたりからみぞれになる
見晴茶屋を過ぎるとはっきりと雪になり、地面が積雪で白くなってくる
駒止茶屋まできて小休止
大分雪が強くなってきた
私が小休止するのと入れ違いで男性二人組が出発していったのと、女性ソロが上から降りてきた
カッパを着ていたので確信はないが、一緒の車両が降りて駆けていったあの人だろうか
おろしたザックもこの有様
とにかく東から風が吹き付け、降ったばかりの新雪を巻き上げて軽い地吹雪のような状態
ちょっと写真を撮っているだけで指が冷たくなってしまう
駒止茶屋を出発して、堀山のあたりに差し掛かると東からの風が一層強くなる
場所によっては雪も深く、ブーツの中に雪が入りそうになる
また風も冷たく、グローブを通しても指がかじかんでくる
なにより横殴りの地吹雪が顔にあたって痛い、痛い!
標高900m程度の堀山でこの有様では
木のない開けた花立より上にはとてもいかれないな
堀山の家
風を遮る小屋の西側で休憩
今日はここまで
体力的にはまだまだ充分だが、余力のある内に撤退しておこう
オリジン弁当で買ったおにぎりをここで食べる
あまりお腹は空いてないが
下っていく途中、登ってくる人とすれ違う
1人、4人、1人、1人、全部で7人
そのうち6人が傘をさしていた
「上は風が強いですよ」とやんわり注意した
傘をさして登るというのは私が思う以上にメジャーなのだろうか
高尾山みたいな、道のいい山では珍しくもないけれど
いや、大倉尾根も大概整備された登山道ではあるが
不思議なもので、上はあんなに吹雪いていたのに
観音茶屋まで降りてくるとみぞれになり、
大倉まで降りてくると雨だ
標高差や気温がそこまで大きく違うわけでも無いのにね
渋沢から二駅の東海大学前で途中下車し、日帰り温泉の「さざんか」に寄っていく
春雨に濡れる露天風呂から眺める丹沢は薄っすらと白く、しかし吹雪いているような険しさは感じられない
いつもより長めに湯につかり、マッサージチェアに揉んでもらった
食堂で野菜炒め定食を頼むとスキレット(鋳鉄の小さいフライパン)で出てきた
最後まで温かいのはいいな
キュッキュッと新雪を踏みながら歩く雪山は楽しいが、流石に吹雪いている中での山歩きはつらい
降った直後、晴れた状態であるきたいもの
とはいえ3月下旬に関東の低山で雪歩き出来るとは思わなかったよ