2017年12月30日土曜日

2017/12/29金 成木尾根

2017/12/29金 成木尾根

0539 池袋 西武池袋線準急飯能行
0632 飯能 463円
0657 飯能駅 国際興業バス 飯11間野黒指行
0730 間野黒指 440円

間野黒指バス停~愛宕山~大仁田山~成木尾根~小沢峠~黒山~権次入峠~さわらびの湯

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先週「山じまい」とか言ったな、あれは嘘だ

いや、年末は飲み食いの機会が多くて体にカロリーを溜めてしまった所にいい天気だったもので
山をあるきたくなってしまったのだ
地図を眺めて、近場で、そこそこの長さを歩けて、まだ行っていない所を探し、目に止まったのがこのコース

雲取山は東京都で一番高い山であり、東京埼玉山梨の三県境でもある
この雲取山から東へ、芋木ノドッケ・長沢山・酉谷山……と続く尾根は長沢背稜といって東京と埼玉の都県境でもある
奥多摩の中でも非常に山深い山域であり、いつか歩いてみたいと考えてはいるが、避難小屋泊か、幕営指定地以外での闇テント泊になり、敷居が高い

それはさておき、この長沢背稜・都県境尾根はどこまで続くのかというと、実ははっきりしない
ここまでが都県境の山の終わり、ここからは平地、というのが無い
昭文社の山と高原地図「奥多摩」では、小沢峠をもって登山ルートの終わりとしている
無論その先、さらに東にも尾根は続いているが、単純に地図の範囲を飛び出るというのもあるだろう
緻密な調査で定評のある守屋地図では、小沢峠よりももう少し東側をカバーしている
今日はその、間野黒指から都県境にあがって、都県境尾根を歩いてみたいと思う



 飯能駅での乗り換えが25分ある
朝飯は食ってきたが、時間があるのでバスロータリー前の吉野家で牛小鉢明太子朝食を食べる
ちと食いすぎたかな
飯を食っているうちに明るくなってきた
飯能駅から間野黒指へのバスは1日5往復しかない
その最初のバスに乗る
乗客は私一人だけ

バスは飯能市街をでると入間川を南に渡り、美杉台の工業団地を過ぎる
東京都に入り青梅の成木地区を過ぎ、また埼玉に戻って南高麗に入ったあたりから妙に細い道を走る
間野集落に入ったあたりから
「よくこんなところまでバス路線を伸ばそうと思ったな」
という道になる
たぶん間野集落の児童が南高麗の小中学校に、高校生が飯能に出るための足として、行政から要請を受けているのだろう



終点の間野黒指で降りる
まずはGPSで地点確認すると、おや?
地図上のバス停より100m以上手前だ
もっともこの地図は2013年版なので、バス停の位置が変わったのかな


 私一人を運んだバスは切り替えして向きを変えている
ここから乗り込む人もいない

もう少し歩くと地図上のバス停の地点があったが、そこだとバスの向きを変えるのが困難なので、バス停の位置をずらしたのだろう


 道は三方向に伸びているが、向かう都県境とは逆の東北側へ登ってみる
すぐに車の通れない道になり、民家の合間の急坂を登っていく
この正面の蔵といい、古いが不思議と立派な造りの家が多い
昔は何らかの産業があったのだろうか


 集落を過ぎ、尾根の上が見えてくる


 黒指の集落を見下ろす


 尾根の上
茶畑やゆずの果樹林となっている気持ちのいい場所
ここから左奥の森の中に入っていく


 守屋地図以外ルートの紹介されていない里山の道だが、道はしっかりと踏まれている
案内標識にある「原市場」とは、たしか飯能から名栗・名郷を経て秩父へ向かう県道上にそういう地名があったはずだ
秩父往還道であるし、古来から栄えた街道なのだろう
そちらに市が立つ場所があり、きっとこの辺の集落の人々が売買のためにこの山道を通っていったのだろうな


 いぼとり地蔵
ここから愛宕山方向へ登る
まっすぐ行けば細田の集落に出るが



個人的に山上集落には興味を惹かれるものがあるが、
くだって・登り返してになってしまうので今日は遠慮しとく


 急斜面を登る
今日はちと、体が重い
朝飯を食いすぎたな


 少し開けた場所から、都心方向が見える


 大仁田山、寄るつもりはなかったが、地図を見れば大した手間でもないし行ってみようか


 特に山頂って感じでもない道の途中に大仁田山山頂はあった


 不釣り合いに立派なOHNITAYAMAの碑


 ここも都心方向が少し伐採されている



大仁田山の先は赤沢に降りる道で、都県境に向かう踏み跡はなかった
先の分岐まで引き返す


 か細い道を行くとこの標識があり



都県境の尾根に出たようだ


 都県境の尾根は踏み跡が場所によっては怪しい
特に今は落ち葉で踏み跡が見えにくい
尾根上を行くときはいいが、ピークに登って、降りる時に、気をつけないと支尾根に入ってしまいそうだ


 青梅側で設置した標識がある
ふむふむ、この都県境を成木尾根というのか
成木はここの南側、青梅市の地名なので
ひょっとかしたら埼玉側では違う呼び名があるかもだ
ともあれ私も暫定的に成木尾根と呼ぶことにしよう


 ここなどもそうだが、小さなピークを過ぎた時
「んん?ここを行くの?」
と直感的に違和感を覚える所が多い
踏み跡が怪しかったり、妙に急な下りだったりと
でもGPSで地図上の現在地を確認し、コンパスで方向を確認すると、合ってるんだよなあ

正直この成木尾根、GPSとコンパスがないとちょっと怖い
GPS無しで読図しようにも周囲の展望が無く、小さなアップダウンが続くので、現在位置の把握がちと難しい


 この成木尾根、いたるところにこの私設?の標識がある
ただ分岐の怪しいところに限ってなかったりもする


 ちょうど倒木があったので腰をおろして最初の休憩


 雲の峰、という小ピーク


 久方峠、という峠らしい



場所はここ


 この久方峠から南北に降りられるようだが、踏み跡は全くない
標識でもなければ行けるとは思わないだろう


 尾根上を歩いていると、左手に車道が見えてくる



地形図でみると、確かに林道があがってきている


 ヤブい


 ヤブいところを降りると、林道の終点と登山道が合流する場所にでる



正面にやけに広い道が続いているが、これが標識のいう採石場に向かう道だろうな


 ふむ?では尾根上を行く登山道はどこに?
林道終点のあたりをキョロキョロと探す


 するとこんな標識があり、標識の左手をよく目を凝らしてみると


 あった、ここだ
分かりにくいなあ


 尾根上を進んでいくと、また軽トラがかろうじて通れそうなくらいの広い道に出る
正面の山道を進むが、後で分かった事をいえば、ここは左の広い道を行っても良い
この先の小沢峠で合流する
むしろ山道はちょっと状態が悪いので


 少ピークを過ぎ、例によってこっちでいいのかな?と本日何度めか分からぬ思いをする
随分と急斜面だし、先の広い道に降りるようだし

あまりに急斜面で踏み出した右足が僅かに滑り、体の動きを制動できない
そのままでは尻もちをついてしまうのでバランスリカバリのためにとっさに左足を前にだすが、それがいけない
勢いのついた左足は着地の瞬間さらに滑り、転倒してしまう
もっとも予測はついていたので完璧な受け身を取ることができた



ともあれここが小沢峠だ
青梅の成木と、飯能の小沢とをつなぐ県道がこの下のトンネルを通っている
長沢背稜を西から下ってくれば、バスの便のことも考えると実質的にここが終点になるのだろうか


 しかし、なんだかイメージしていた場所と違うなあ


 ベンチがあるので腰をおろし、パンを食べる
今日は長めのコースなので買ってきておいた



小沢峠から黒山・権次入峠をへてさわらびの湯に降りるには
山と高原地図のコースタイムを単純累計して4時間10分
守屋地図だと4時間45分
山と高原地図は結構スパルタンなのだ
休憩も含めると、あと5時間くらいかかるだろうか


 かつては階段だったのだろうが、周りの土が流れて、すっかり浮き出てしまっている


 左手の木に何かついているのが視界に入り、よく見ていると
うーん?南無阿弥陀仏と書いてあるのか?
すると後ろの仏様の絵は阿弥陀如来?
この絵、最近どっかで同じものを見たような?


 何のために阿弥陀様が?を不思議だったが
ふと足元をみると小さな慰霊碑が


 その先
小さな祠とベンチが合ったので腰をおろす


 北側が多少伐採してある
この看板……名栗村?

追記:名栗村は2005年1月1日に飯能市に編入されたとのこと
わりと最近なのね


 正面に大きなピークが見えてくる
馬乗馬場だろうか


 その左後ろ
高水三山から北へ伸びる尾根
私の歩く尾根と、その尾根との合流する場所が黒山になる



道端に上着が落ちていてぎょっとする
(これは一度私が改めた後)
周りに誰かいませんかと呼ばわったが、返答はナシ
休憩したあと置き忘れたのか、脱いでザックの外に引っ掛けておいたのが落ちてしまったのか
多少土埃にまみれていて、今日落としたものではないと思われる
しかし何週間も落ちていたというほど汚れてもいない


 貴重品でも入っているなら警察に届けねば
と思ってポケットを漁るが特に何もなし
胸ポケットの所に使い指しのポケットティッシュが2つと、飴の個包装のくずがあったきり
ポケットティッシュの一つにメーカーが記されていた
静岡県富士市のイデシギョー?
東京では聞かないメーカーだ
すると静岡の方の人が持ち主?
でも遠路はるばる静岡から来てまで歩くような山じゃないよ、ここ

貴重品は無いとなると、あとはこのジャケット自体の価値だけど
確かFirst Dawnのジャケットって一万円しない安いやつだったような
飯能の警察に届けたとして、遠路取りに来るだろうかと考えると……
畳んでそっと置いておくことにした
中で虫が寒さをしのいでいたし



 小沢峠よりも西側になれば、道も多少は良くなるかと思ったが
そうでもない


 ただ公的な案内標識やベンチはある


 古い三角点のようなものがあり


 勝手私設標識にあるまじき知的な解説つき


 再び、青梅側の設置した標識
このあたりは「黒山・小沢峠間のコース」というのね
って、そのままじゃないか!

ただ図らずも、「成木尾根」というが小沢峠よりも東側を指し示すのだと判明した


 再び、広い道が尾根上にまで来ている



ここが馬乗馬場か


 広葉樹の開放感のある尾根道を登ると


 黒山に到着


 随分と前になるが、高水三山から縦走してきたことがあるので
ここより先は既知のコースだ

しかし朝から歩いていて誰にも合わないな
成木尾根はともかく、小沢峠をすぎれば多少は人は居ると思っていたが


 黒山の先
右側が権次入峠
すぐ左後ろが棒ノ嶺(棒ノ折山)


 こちらも慰霊碑
トランスアルプスジャパンにも出場した、そこそこ名のしれたトレイルランナーだったらしい


 権次入峠に到着
登りはここでおしまいなのでゆっくり休んでいると、棒ノ嶺の方から男性3人組と、ソロの女性が降りてきた
今日、山で出会ったのはこの4人が全て


 あれ?いつの間に
もう片方の樹脂金具も何年か前に割れてしまい、モンベルで買った同じサイズの樹脂金具に交換ずみなので
こちらも同じように交換すればいいのだが

このザックももう長いこと使って色々とガタが来てるんだよなあ
新しいザックを買うかな
45Lとかいう割には荷物が入らなくて、テント泊には厳しいし
今は山で料理することも殆ど無いので日帰り登山にはちとデカイし
(調理道具と食材を入れ、下山後温泉にはいって全身全部を着替えるとなると、このサイズでちょうどよかったのだ)


 権次入峠から降る階段
相当ひどいことになっている
ここまで荒れてしまったらもうどうしようもない
一度撤去して作り直すより他ないだろうが

地方の自治体はどこも金が無い
住民の生活に直結しない山道の整備にはなかなか予算が回らないだろう


 岩茸石
ここがら左に折れれば白谷沢経由で有間ダムに降りる
面白い登山道ではあるが、何度も通っているので今日は尾根通しのコースで降りてみようと思う


 一度林道にでる


 すぐまた山道に入るのだが
地図をみると「登って・降りて」になる
ならば水平に歩ける林道を歩いて巻こう
道のりもさほど変わらないし


 次の登山道と林道の交差ポイント



ここは、林道を行くとちと遠回りだ
山道を行く


 下の方に有間ダムが見える


 3つ目の交差ポイント


 膝を傷めないよう、ベンチがあれば休む
登りは地図のコースタイム通りにあるけるが、下りはコースタイムよりも多めにかかる

昔は登りが遅くて、下りはかっ飛ばしていたのだが
一度膝をやってしまってからは慎重に降るクセがついた
登りが慣れて早くなり、逆転してしまった

しかし15時前だというのに、あと30分もしたら太陽が長沢背稜の向こうに隠れそうな塩梅だ
本当の日没ではないので暗くなりはしないのだが


 荒れてる階段の金の出処が判明
なるほど、棚(県)からぼたもち的に降ってきた予算で作ったのか
ならば継続的な保守の予算を自前でつけるのは無理だろうな


 河又に下山完了
今日もよく歩きました
さわらびの湯に入っていこう


 さわらびの湯の十月桜
ほぼ枯れているのだが、多少花がまだ残っている


 年末に花が見られるとは思わなかったな


 15時半に到着
今日は7時半からずっと歩き通し
少し長めのコースだったが、明るいうちに降りてこられました





おまけ

成木尾根をさらに東へ降りていくとどうなるのか?
守屋地図でも範囲外となっていて、「間野バス停へ至る」とだけあって未調査
地形図で確認してみると……

西から来た都県境は、
この349ピークから東へ急勾配の斜面を降り、沢を横断し、次の尾根筋も横断して、さらに沢を横断してから次の尾根筋を登る
現地を確認したわけではないが、ここを都県境上を進むのは不可能だろうと思う

なぜこんな場所に都県境が引かれたのか……
ここより北に持ってくると、間野の集落にかかるので論外
本来ならここより南の尾根上に境があるのが自然に思われるが
なにやら採石場の採掘で尾根が削り取られている事と関係があるのだろうか
例えば、元々は南側の尾根上が境だったのだが、採石場が越境して削り取ってしまい、
崩れた土砂が埼玉側に流れるようになったため、そちらの治山・治水工事を東京側の責任で行う為……とか?

ともあれ都県境を歩くのは、どうあってもここでおしまいというわけだ




12/30追記
青梅側の設置した成木尾根の標識を思い出す
あれには確か、片方が小沢峠、もう片方が安楽寺と記されていた
安楽寺とはどこにあるのか?と調べてみると……
青梅市成木一丁目にあった
飯能市南高麗小学校と、都県境を挟んだすぐ近くであり、当然ながらお寺の裏が山だ
飯能駅から間野黒指に行くバスでもすぐ近くを通過している

と、いうことは
ひょっとして、成木尾根はこの安楽寺まで歩ける踏み跡が存在するのではないか?
それは必ずしも都県境の上を歩くルートではないかもしれないが、どこかしら踏み跡が存在するのかもしれない
ということは、雲取山から長沢背稜・成木尾根をとおって遥か続く都県境尾根は、この安楽寺をもって終わる、と言えるのかもしれない

次の機会があれば調べてみても良いかもしれない
無論こんな低い里山ゆえ、冬の間に



さらに追記

都県境の山 踏破
http://yontousankakuten.web.fc2.com/
こちらのHPがとても参考になる
やはり採石地は通行不能……らしい
「らしい」というのは日曜日ならば操業してないので、つまり、ゴニョゴニョというわけだ
本来的には北の、間野の集落近くにまで降りてから、隣の尾根を登り返す事になる
だが都県境は沢・尾根・沢を横断するように引かれていて、その上を忠実に行くのは結構な難易度のようだ