山に食わず嫌いがあるならば、筑波山はその筆頭だったかも知れない
何しろケーブルカーとロープウェイがほぼ山頂まで入っているのだ
高尾山ですらケーブルカーで上がるのは中腹までで、その先は(僅かではあるが)自分の足で登る
これはもはや山登りではない
俗な観光地……それが筑波山に対する偏見だった
考えが変わったのは最近
登りたいと思っていた山、特に自宅から日帰りで行ける山はだいたい登ってしまい、新しい山選びで悩むことが多くなってきた事と、
ちょっとしたトレーニング感覚で何度も高尾山に登り、また高尾山に登る様々な人を見ていると、俗な山だって別にいいじゃないかと思うようになってきた事とある
深山幽谷ばかりが山じゃないよ
そんなわけで筑波山にも一度くらいは登ってみるべきかなと
都内に住んでいると、山といえば西に目が行くので千葉茨城は盲点になる
けれど千葉の伊予ヶ岳もとても低いが楽しい山だった
筑波山だって案外悪い山じゃないかも
本来は先週の休みに登るつもりだったのだが、その日は二度寝してしまった
次に昨日、27日の金曜日に登るつもりだったのだが、朝起きた時に仕事の疲れが取れていなかったのでパスした
で、28日の土曜日
まだかろうじて紅葉が見られる週末とあって混雑は当然予想されたのだが、
上記のような気持ちであったので「人がたくさんいる賑やかな山でもよかろう」と思ってね
流石にケーブルカー・ロープウェイは無しだ
それは許されざるよ
筑波神社ものぞいてみたいし、帰りのバスは座りたいから始発バス停がいいかな?
そんなわけで、
筑波山神社入り口バス停(標高220m)~筑波山神社~御幸ヶ原~男体山(871m)~御幸ヶ原~女体山(877m)~つつじヶ丘(520m)
のルートで行ってみる
北千住で常磐線からつくばエクスプレスに乗り換え、終点のつくば駅
つくばエキスプレスに乗ったの初めてだな
秋葉原とつくばを結ぶという事でなんとなく未来的なイメージを抱いていたが、まあ、普通の郊外路線でしたね
筑波山行きの8時の始発バスは案の定大盛況
そういえば
茨城県に足を踏み入れるのはこれが初めてだったような
筑波神社入り口バス停で下車
参道を神社に向かって歩く
参道にあるホテル
屋上の展望風呂が日帰り入浴出来るそうな
着替え持ってくればよかったかな?
筑波神社
立派な山門だ
うん?山門?
やっぱり山門だ
本来なら四天王像が収まっているはずの
手前側2つには御神像があり、裏側2つは刀剣の像がある
丹沢の大山と同じく、廃仏毀釈の頃に色々あったのだろうか?
2015/12/9追記
神仏習合には違いないのだが、神社の場合は「楼門」か「随身門」と呼ぶらしい
中に神像が祀ってある場合は「随神門」とも
本殿でお参りしてから左手へ
ケーブルカー乗り場の脇から登山道が始まる
この時は深く考えなかったけど、2.1kmの道のりで標高差600mってかなりの急なルートだな
登山者泣かせの丹沢大倉尾根でも7.0kmの道のりで標高差1200mだもの
ともあれ出だしはなだらか
足慣らしにゆっくり歩く
登山道のわきをケーブルカーが追い越していく
気温は5度
樹林帯の中で風もなく、暖かい
Tシャツ+フリースでは熱くて汗が出るが、流石にTシャツ1枚はちょっと
上もジャージで良かったな
中間地点
ケーブルカーのすれ違いを見られる場所に3つ目のベンチが用意してある
この辺りからのぼりも急に
部分的には結構な急登もあり
つくばねの みねよりおつる みなのがわ
その源流の頭の部分がここ
陽成院の前一文字が白く塗られているのはご愛嬌
塗った所を剥がそうと引っ掻いた跡があるが、やめて差し上げろ
水場になっている
でも山頂の状況を想像するに、飲んで大丈夫なのかな?
いや、大丈夫だから水場になっているのだろうけど
山の南面の登山道に水場があるなら、山頂のトイレは北面側、と言った具合に配慮はされているのが一般的よね
(上に到着してから確認したら、そのとおりでした)
急登・岩場・ガレ場・階段
などの道は初めて歩くとコツが掴みにくて疲れやすい
疲れてペースが落ちてきたな、と思いだしたあたりで山頂の施設が見えた
いやしかし山に行く頻度が落ちて、体力が衰えた
鍛えなおさねば
少し休んでから男体山へ向かう
男体山山頂はコンクリートのいかつい社務所になってて狭い
男体山山頂から見た女体山
南東を見ると
お?
富士が見える
富士の左手前が丹沢で、右手前が奥多摩だな
カメラを持ってくれば良かった
こういう超遠景ではレンズとセンサーが物を言う
左の富士山に正面の南アルプス
関東平野は広大だ
西側
方向的には西上州の山々、だろうか
男体山の山頂標識は控えめな場所にあった
御幸ヶ原に戻ってきて、北面を望む
北西側・ぎりぎりに日光の女峰山と男体山が見える
疲れた体に一献、うまし!
威勢のいい声が聞こえるのでアレだろうなとは思ってたけど、やってましたよ
登る途中で朝飯にサンドイッチを食べただけだが、思いの外疲れて食欲が無い
なので茶屋ではけんちん汁を
筑波うどんなる名物はまた今度
男体山を振り返ってから、次は女体山へ向かう
女体山への道は穏やか
ロープウェイ乗り場へ下る道を過ぎて
女体山山頂
山頂は何じゃこりゃ、通勤電車か?と思うほどの人混み
立派な山頂標識も正面から撮れないほど
山頂の南東側は切り立った崖になっている
女体山から見た男体山
指がかかってしまったが
崖のへりから下を見下ろす
こうしてみると里が近い
これまた指がかかってしまったが、霞ヶ浦がはっきり写っていたので
さて、下山しようとしてこの崖のどこから降りるのかと探してしまった
社務所の手前に分岐があったを見落としていたようだ
少し戻る
女体山山頂からの降りだしは岩場
だがお昼時とあってぞろぞろ登ってくる
小さな子供も多かったな
下りの岩場でぬかるみはイヤン
ロープウェイ駅が下に見える
大仏岩
なるほど
私の図体でくぐるのはちとツライ
北斗岩を過ぎると岩場はおしまい
穏やかな道になる
巨石奇岩が多い
つつじが丘から来る道と、筑波神社から来る道の合流点
団体さんがお昼を食べている
ここの枝が今日のベスト紅葉かな
ロープウェイ
もう少し下ると、森の中を抜けて開けた場所にでる
なるほど、文字通りのつつじヶ丘だ
初夏にはいいピクニック場所になるのだろう
つつじヶ丘に下山完了
バスのりばはどこかな?と探し当てたら、ちょうど13時半のバスが出る所だった
お茶を飲む間もなくあわてて飛び乗る
帰りのバスの車窓から筑波山を撮る
思いの外楽しい山だった
手頃に登れて山頂からの眺めは最高
山頂周辺はそれなりの岩場もある
低山にもかかわらず深田久弥が百名山に入れただけのことはある
また来てもいいかな?
今度はつつじの時期に
朝は気付かなかったが、つくば駅はすべて地下で、
地上に駅舎・駅ビルは持たない
そんな所だけは未来的
改札前の売店でおみやげに納豆と椎茸を買って帰った
椎茸はスーパーには出せないような小さなやつの詰め合わせだが、原木栽培の椎茸がこれだけ入って130円というのは破格の安さ
納豆はこんないかにも土産物という箱に入っていながら、中は昔ながらの本格派、430円
藁束から納豆を取り出すのに苦労した
味は……うん、懐かしい味……
普段何気なく食べている発泡パックの納豆でも、企業努力の日進月歩というものは偉いものだなあ、と思い直した次第
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