2018年9月26日水曜日

2018/9/23日~24月 編笠山

2018/9/23日~24月 編笠山

続けての3連休。
でも今回も天気が良くない。
山に行けそうなのは日曜日くらいか?いや、月曜日も午後から崩れるが午前は大丈夫そうだ。
それならば。日曜日に山で泊まって、月曜日は早めに下山すればテント泊をできないだろうか?
よし、ではどこにしようか。
いつもの雲取でもいいが、たまにはアルプスにも行きたいなあ。
でもアルプスで一泊では夜叉神峠がいいところだろうか。

ふと、いつか行こうと考えていた八ヶ岳南部の事を思い出す。
一泊では赤岳まで行けないものの、青年小屋にテントをおいての権現なり編笠ならば、翌日早めに下山できるだろう。

土曜日の午後、駅前の床屋で髪を切った足でJRの特急券券売機を覗く。
案の定新宿0700のスーパーあずさ1号は指定席完売
たぶん、自由席は地獄絵図だろうな。
0716に臨時便のあずさもあったが、こちらも指定席完売。
だが0730のあずさ3号は指定席に若干の空きがあった。
新宿から八ヶ岳へ登りに行くのに、あずさの始発0700というのは遅すぎる、とは感じているが是非もない。
0730位は許容範囲だ。
順番がおかしいが、ともあれ切符を確保してから登山計画を練る。

■行き
0652 王子
0656 田端
0701 田端
0719 新宿
0730 新宿 あずさ3号南小谷行 6号車1-A
0936 小淵沢 3024円+指定席2680円

問題は小淵沢駅から登山口の観音平までバスが無いということ。
歩くと2:40かかる。これとて山と高原地図のコースタイムなので実際はもう少しかかるだろう。
なので駅からタクシーを使うのが一般的らしい
※小淵沢タクシー 0551-36-2525
予約せずとも常時駅前に待機しているらしいが、観光シーズンの休日等はタクシーが戻ってくるのを少し待つこともあるらしい。
料金は4000円で足りる。できれば駅前でご同輩を募って割り勘にしたいが。

最悪タクシーが利用できない場合はを想定しておく。
駅から観音平までの道中の最初の1/4くらいの所に道の駅があり、そこまでは路線バスがある。
ただ本数は少ない。
※山梨交通「八ヶ岳鉢巻周遊リゾートバス」
 1010小淵沢駅 →1021スパディオ小淵沢 400円suica可
※北杜市民バス「北部巡回線」右回り
 適便なし
なおこの道の駅こぶちさわにはスパディオというホテル?を併設していて、温泉に日帰り入浴できる。可能なら帰りに寄りたい。

■登山
1日目は青年小屋にテントを置いて、可能なら権現までピストンしてくる
2日目にテントを撤収して編笠経由で下山するか、編笠までピストンしてからテントを撤収する予定
テント場800円

観音平 1560m
↓3:00
青年小屋 2380m

青年小屋
↓1:30
権現岳 2715m

青年小屋
↓0:30
編笠山 2523m

青年小屋
↓2:25
観音平(可能ならここでタクシーを呼ぶ)
↓1:40
道の駅

■帰り
道の駅こぶちさわ スパディオ内「延命の湯」
10:00~22:00 820円

スパディオから小淵沢駅へのバス
山梨交通「八ヶ岳鉢巻周遊リゾートバス」
1205 1503 1718

北杜市民バス「北部巡回線」左回り
1338 1740

※参考までに
新宿~清里の高速バスが一日一往復あり、それがスパディオに停車する。
新宿からのバスは0900発と遅すぎるし、観音平まで歩き前提は嫌だ。
ただスパディオから新宿行きは1730とそこそこの時間だ。
今回はもう完売していたので選択できなかったが、次回八ヶ岳南部に登る時は帰りの足の選択肢として覚えておきたい。

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■自宅~登山口まで


 今回はツェルトではなくテント。
それと寝袋も持っていく。
青年小屋は北側の権現と南側の編笠の鞍部にあり、東西からの風をもろに受ける。
強風に吹かれた場合、ツェルトでは若干不安がある。
またもう9月も下旬の2400mなので相当に冷え込む事も覚悟せねばなるまい。
ペラペラのツェルトよりもダブルウォールのテントがいい。

マットはリッジレストを新しいものに買い替えた。
前と同じRサイズにしようかとも思ったが、一番大きいLサイズにした。
横になるだけならRで不足はないが、私は結構寝返りをうつので。
幅の広いLサイズがいいかなと。
また寒い時期はマットの脇から地面の冷たい空気があがってくる感覚があるもので。
その点でも幅の広いマットが欲しかった。

その他の荷物は(私にしては)かなり絞り込んだつもり。
これにあと、水。1Lのナルゲンボトルと、2.5Lのプラティパス。
身の回りの小物などが加わる。


 荷物を絞り込んだと言っても、流石に40Lザックでは足らない。
70Lザックに放り込んだら上1/3くらいが潰れた感じになった。
そしてマットが不格好にでかい。
まあ、マットはでかくても軽いし。

7:30のあずさは新宿始発ではなく千葉から来る。
予想通り自由席車両は地獄絵図の混み具合のようで、指定席車両の通路にまで溢れて来ている。
私は優雅に指定席で朝食。コンビニおにぎりだけど。


 小淵沢駅前のタクシーのりば。
あー、参ったな。予想通りというか、悪い予感があたった。
地元のタクシー会社は全車両出払っているようで、なかなかタクシーがやってこない。
私の前に10人並んでいるが、15分待ってようやく1台来た。
天気のいい、行楽シーズンの日曜だものな。
意外にも登山者は少なく、観光客ばかりだ。

40分ほど待って、私の3人前の青年がタクシーに乗ろうとする時、
「観音平まで」と告げるのを耳ざとく聞きつけ、ずいっと割って入り便乗させてもらった。


 観音平は結構広い駐車場だが、それでも手前の道路の路肩縦列駐車ができるほどには車がいっぱい。
一番奥に登山口がある。
一緒に乗ってきた青年は律儀に登山届を書いている。
私は、まあ、決して山を甘く見ている訳ではないが、
怪我等で救助される可能性は否定できないが、行方不明で捜索される類の遭難はしないのでいいかなと。
今回は人の多い安全な一般ルートだし。


■1日目 登山口~青年小屋

 では出発
前回から使用しているiphoneには地図ロイドが無いため、国土地理院地形図閲覧用アプリとしてジオグラフィカを用意した。
iphoneはGPSの掴みが早くていい。
もちろん紙の地図も山と高原地図を持参してるよ。


 最初は平ら
この正面で道が左右に分かれていて。
右は天女山のほうへ向かう周遊道路だと思って左に進んだのだが。


 尾根に沿って登っていかず、西へ巻くように登っていくので。
「あ、これは間違えたな」
と地図を確認すると案の定。
まだ150mしか進んでいないが、戻るのも癪なのでこのまま行く。
大した遠回りでもないし、地形を見る分にはこっちのほうが傾斜がなだらかそうだ。


 西へなだらかに登る


 トリカブトは群生してるのが多い


 人工物かと思うほど四角い岩


 西側の尾根筋に合流
「展望台」という場所らしい


 ベンチに座って南を眺めてみたが
展望台ってほどでもない


 八ヶ岳南部は紅葉する木が少ないらしいが
ポツポツと無いでもない


 キリンソウ


 予想通り、なだらかで歩きやすい
西側ルートで良かったかもな


 合流点の「雲海」という場所


 南東側の清里方面がわずかに見下ろせる
雲は、ここよりも高い場所にあって雲海ではなかったが

朝食はあずさの中でおにぎり3つ食べただけだったな。
時間もいいしここで昼飯にしよう。


 お昼を食べてから再開


 傾斜が少しあがってくると、ところどころ踏み跡の怪しい場所が出てくる。
足元ばかり見て歩いていると、突如踏み跡がなくなって慌てると道を外れていたり。


 途中のベンチをすぎると道が妙に岩っぽくなる


 押手川に到着
確かにチョロチョロとだが細い沢水が流れている


 編笠山へ南から直登する道と、東側を迂回して青年小屋へ向かう道との分岐。
一緒のタクシーだった青年が先に休んでいて、直登ルートへ向かっていった。


 ナナカマド
実は赤いが葉はまだあおい。
アルプスのナナカマドは冬の間雪に押しつぶされて、谷底へ向かって這うように伸びているのが多いが、ここの木はまっすぐに伸びている。


 編笠山の東を巻きながら登る


 段差の大きい場所や急な場所も出てくる


 右手を見れば、権現岳~三ツ頭から下ってくる隣の尾根


 だめだ!バテてしまった。
天泊装備が重く肩に食い込んでたまらない。
少しあるいただけで息があがり、休んであるきだしてもまたすぐに息があがる。
久しぶりの重い荷物でペースメイクの感覚が鈍ったか。
押手川の所で休憩すべきだったか。
いや、この所楽な山歩きばかりで体がなまったかのかもな。

そのへんの岩に腰掛け、ちゃんとした休憩をとる。
水は……3.5Lも持ってくる必要はなかったな。
この陽気なら観音平から青年小屋まで1Lで足りる。
ナルゲンボトルに1L満たし、粉末ポカリを入れた後、プラティパスの水は全部捨てた。
こんなに水はいらないだろうなとは感じていたが。もっと早めに決断すべきだったな。


 再開。意識してのったりのったりと歩く。
一度ペースを崩してしまうとなかなかリカバーしないものだ。


 東の曲がり角
ここまで微妙に下るのがいやらしい。


 そこからは西へ転じて、青年小屋へ向かって登っていく


 おっ


 ついた~!
「遠い飲み屋」の赤ちょうちんが眩しい。
いや、酒は飲まないけど。


 14時半の到着
観音平を10時半に出たから……4時間もかかってしまった。
テント泊装備がやや重いとはいえ。
後半ペースを乱したからな。


 小屋の前からギボシが見える
テント泊の受付をする。600円でトイレチップ込み。
あれ?調べた時は800円とあったような。


 小屋の裏手がテン場。
おお、いい感じじゃないの。
今ひとつな3連休だからか、意外なほどテントは少ない。


 我が家を設置。
ペグはさして苦もなく刺さってくれた。
だがアンカーとして不足のない石がたくさんあり、このテン場でならペグはいらなかったな。
強風が吹くかもしれないので、持ってきたペグを打つけど。


 何回も使ってボロくなったサバイバルシートをフロアシート代わりに敷き、
その上に新しいリッジレストを敷く。
あれ?リッジレストのLも、私のテントも同じ200cmのはずだけど……
20cmほどマットが余る?


 私がテントを張ったすぐ脇が西岳への入り口。
ここを少し行けば水場がある。


 水場は「乙女の水」という名があるらしい。
この看板をすぎると妙に大きい沢の音が聞こえてくる。


 水場


 汲みやすいように作ってあるけど。
沢水だね、これは。
水を満たしたプラティパスを持つと指が凍えるほど冷たい。


 水を汲んできて、ようやく落ち着いた。
テントにゴロリと横になる。
ああ、至福の時。テント泊でこのときが一番楽しい。
そして両側に扉のある開放感抜群のこのテントはそんな時にピッタリなのだ。
正直もう少し軽いテントが欲しい気もあるのだが。
一流ブランドの山岳用テントにはこういう両側扉って無いんだよ。
無駄に重くなる要素だし仕方ないが。

さて。一息ついて16時。
当初の計画ではこの後権現岳までピストンしてくるはずだが。
権現へ、山と高原地図で登り1:30、下り1:10
重い荷物は置いたとはいえ、少し疲労している私の足なら往復3:30は見る必要がある。
今からだと戻ってくるのは19:30……だめだな。

では明日の朝に行ってくるか?
いや、明日は午後から天気が崩れる。
お昼までに下山したい。
濡れネズミでタクシーに乗るわけにはいかないだろう。バスなら立っていればいいが。

権現岳は、今回は諦めよう。
明日の朝に編笠山まで空身でピストンし、戻ってからテントを撤収して降りよう。
それならお昼前に観音平へ下山できるはずだ。


 晩ごはんはラ王の豚骨醤油味。
昨日スーパーで買う時サッポロ一番の辛口味噌と迷った。
インスタントラーメンなんて今は山でしか食わないなあ。


 ラーメンを2食平らげ、紅茶を入れてのんびりする。
一時テント場が雲に巻かれたりもしたが、雨は降らない。


 iphoneのカメラのスイングパノラマを試す。


 本来水平に動かすところを、上空に向かって扇状に動かすと魚眼レンズっぽくなる


■2日目 編笠山へ


 しまった!寝過ごした
いつもはもっと早く目が覚めるはずだが、どうにも疲労が重かったかな?
目が覚めると5:30
もうかなり明るく、周囲は朝飯や撤収の音で賑やかになっている。

慌てず、まずは天気予報を確認。
電波が届くってありがたいなあ。

おや?
昨日の時点では午後から崩れる予報だったけど、少し改善している?
これならお昼前までに下山せずとも大丈夫かな?

しかし一度折れた心はすぐには直らないもので。
今ひとつ権現まで行ってやろうという勇気が湧いてこない。
昨日の予定通り、編笠山までにしよう。
権現はまたこんどね。
一度歩いた道なら今度はペースを間違えないよ。


 朝食にラーメン2食と紅茶を2杯


 のんびり朝食していたらすっかり明るくなってしまった。


 では出発。
青年小屋の玄関前からスタート。
不思議なことに最初がガレ場。
上の方は樹林帯なのに。


 大きめの岩がガラガラ。
ペンキに従って進む限り、特別渡りにくい場所や、危険な浮石はなかった。
とはいえ、足を滑らせると最悪骨折もありうる。
慎重にね。


 上の方へ進むと傾斜も出てくる


 ガレ場地帯を抜ける。


 樹林帯に入る


 やがて樹木がなくなり、ハイマツとツツジの低木地帯になる


 その後再び樹林帯に
妙な植生だ。八ヶ岳北部の縞枯山のように、ここも縞枯れ現象のようなものなのだろうか?

そして。傾斜がゆるくなって間もなく山頂と思われるが、樹林帯のまま。
え?縞枯山の山頂って森林限界抜けないの?
ひょっとして展望ないの?
と不安になる。


 あっ!


 うおおおおお!


 南側をパノラマ撮影
左から
奥秩父(東)~富士山(南東)~南アルプス(南)~中央アルプス・御嶽(南西)~諏訪(西)


 北側をパノラマ撮影
左から
諏訪(西)~美ヶ原・車山(北西)~蓼科~八ヶ岳北部~阿弥陀岳・北岳・ギボシ・権現岳~奥秩父(東)

編笠山は北面の、青年小屋から登ってくくるルートだけが樹林帯の中だったんだ。


 西のへりに建って下を見る。
諏訪湖が見える。
こっちは晴れているんだな。


 南東側
甲府盆地は雲海に沈む。
富士の外輪山も見えない所を見ると、2000mくらいまで雲海の下なのだろう。


 南のへりに立って下を見る。
昨日権現平からここを登ってきたのか。


 もう太陽もだいぶ高い。
いつまでも居たい場所だが、十分に満ち足りたので帰るとしましょう。


 おっと、山頂標識を忘れていた。
何年か前に登った硫黄岳の標識と同じタイプ。
あっち同様少し傷んでるな。


 不動清水から登ってくる道はちょっと分からなかった。


 北へ。来た道を戻る。


 こうしてみると、権現岳よりもその手前の通過地点のギボシの方が立派な山に見える。
テント場は、皆もう撤収して残り少ない。
蛍光っぽい緑の私のテントは意外と目立つ。


 さて、再度のガレ場
ここまで来て怪我してはつまらん。慎重に。
浮石ってほどでもないが、少しぐらつく岩もあった。
気をつけよう。


■2日目 下山


 さて、テントを撤収する。
昨晩は風もなく、寒くもなく良い夜だった。
かなり荷物に余裕のある70Lと、食べた食料の分減った荷物を見て思案する。
これ……マットを外付けにせずとも、中にしまえるのでは?
マットを立てて中心部に荷物を詰めていく。
テントや寝袋は帰ってから干すので、ここでは畳まない。
私はパッキングが下手くそで荷物が大きく膨れるが、なかば意図的にこういうおおらかな詰め方を好んでいるところもある。
着替えや衛生用品、カッパなどこの後使う(かもしれない)ものを上の方に詰める。


 入った。入りましたよ。いやしかし。我ながらこれは。
どう見ても気軽な一泊の装備には見えない。
蓼科から何日もかけて長期縦走してきましたって人の荷物だよ。これ。

10時少し前に出発。
水は残り700ml
もう一度水場へ汲みに行くかとも考えたが、足りるでしょう。


 昨日よりも軽くなったとはいえ、それでも重いテント泊装備。
脚を痛めないよう気をつけて歩く。


 9:55押手川
コースタイム1:00の所、1:00で来た。
疲れてはいないが、昨日の事もある。
ザックをおろして5分休憩。


 10:37雲海
昨日お昼を食べたここで再度休憩。
ここに来る途中踏み跡を見失い20m程戻る事があった。
雲海と押手川の中間地点から~押手川の少し先まで、ルートを見失いやすい。

沢筋に落ちてきた岩のガラガラしている場所は歩きにくく危険なので、通常はそこを通らず、脇に登山道がつくられるものだ。
そしてここでも脇に踏み跡らしきものが見える事もある。
だがこのあたりでは岩のガラガラしている沢筋こそが正解ルート。
またところどころ見える赤テープはすべて登山道を示すものであり、信用していい。
ともあれ足元ばかりを見てないで、周囲に気を配って歩くべきかと。

さて、コースタイム0:40の所、0:40で来た。
ならばここから観音平までコースタイム0:45を0:45で歩くだろう。
小淵沢タクシーに電話して、1時間後の11:45に観音平へ来てもらうよう予約した。


 あにはからんや、11:10頃には下山してしまった。
駐車場の入り口脇の木陰で身支度して待つ。
ここ観音平って本当にただの駐車場と、仮設のトイレがあるだけで。
ベンチの一つすらない。
マイカー登山者以外には厳しい所よ。


■帰路
11:40頃タクシーがやってきた。
道の駅こぶちさわの隣のスパティオまで、と告げるまでもなく
「駅ですか?温泉ですか?」と聞かれる
話が早い。



日帰り温泉「延命の湯」
ここまで3000円とちょっと。
1000円未満のお釣りはチップとして渡した。
小汚いなりでタクシーに乗っている負い目があるし、遠方の観音平まで迎えに来てもらっているもので。
そしたら「駅までの帰りもぜひお願いします」といい笑顔で言われてしまい。
そんな事言われると眼の前の路線バスの時刻表を確認なんかできないよなあ。
この写真も温泉を出た後に撮ったもの。

日帰り温泉は820円。
北杜市民は半額で入れる。
露天の岩に湯の花が固まり、溢れたお湯が流れる床が赤茶色に変色するようなお湯。
都心からの日帰り圏内ではあまり見かけないタイプの泉質。


 食堂で天ざる。1200円。
1000円の天ざると1200円の天ざるはそばの種類が違うらしい。
両方食ってみないと違いは分からんだろうが。

「信州はそばは良いが、つゆがだめだ。東京からつゆを持っていくといい」
とは明治の末頃から言われる「食通」の戯言だが。
確かに東京のキリッと辛いそばつゆになれていとあまく感じる。
いや、悪くはない、美味しかったですよ。


 路線バスのバス停の20m後ろにこんなのがあった。
これだ、調べるだけ調べた高速バスのバス停。
新宿清里間を一往復だけ走る。
新宿から清里へ日帰りで遊びに行くための時刻設定だね。もうちょい朝早くてもいいと思うが。

八ヶ岳登山に使うなら、行きは論外だけど帰りの足としては悪くない。
時間ならここの温泉と隣の道の駅で潰せるし。
後述するように八ヶ岳って意外と交通費がかさむもので、高速バスの選択肢があるのはありがたい。


 バスまで30分程あるので、お隣の道の駅までやってきた。
こっちの食堂の方が広いが、特にこれはというメニューもなかったのでパス。
ここで焼いているパン屋さんも美味しそうだけど、妙にヘルシー志向なパンで。
お土産物をいくつか買ってきた。

さて、路線バスは温泉のスパティオ前だけでなく、こっちの道の駅にもあるはずだけど……見当たらない。
案内看板の類にも記載が無い。
観光案内所の人に聞いてみた所、
「交差点の角がバス停だけど、手を挙げないと停まらないので隣の温泉から乗った方がいいですよ。そっちは確実に停まるので。」
助言にしたがってスパティオに戻る。

定刻から10分遅れでやってきた北杜市民バスは、バス車両ではなくワゴン車だった。
13席ある大きめのワゴン車だけど。
いや、バス停にその旨書いてあって
「観光シーズンは乗れない事もある。その時はタクシーを使え。」
と。
これ、知ってないと手を上げて停める事ができないだろうな。
観光案内所の助言にしたがって正解だった。
ちなみに一乗車300円均一。
市民の足であるバスがこれだもの、観音平までの路線バスなど望むべくもない。
小淵沢のあたりはタクシー文化圏(?)なんだな。


 小淵沢駅でまず特急券を買おうと思ったが。
数本先まで指定席は完売。
当然、自由席に座れる訳もない。


いいや、在来線の高尾行きでのんびり帰ろう。
こっちなら確実に座れるし。
ただすぐの発車なので気になっていた駅の立ち食いそばを食べる時間が無いのが残念。
山賊・馬肉・野沢菜天ぷらなどの魅力的なトッピングに、東日本では珍しい「黄そば」(そばつゆに中華麺)がある。
まあ、また機会があれば。

甲府駅でふと気づいたが、甲府から高速バスで新宿に帰るという手もあったな。
検索すると30分置きに出ている高速バスの座席は空きがある。
鉄道の在来線よりも安く、早い。
億劫だからそのまま電車で高尾まで行き、高尾から乗り換え1分で中央特快があった。
あずさより1時間ほど多くかかるものの、たまにならいいか。

八ヶ岳へ登りに行くとなると大抵は茅野駅が各登山口へのバスのターミナルになる。
茅野駅は……今回の小淵沢もそうだが、高速バスの便が無いのだ。
(どうしてもというなら新宿~松本便の上諏訪で降りて、鉄道で戻ってくる)
かと言って各駅停車の鉄道で行くには遠すぎて。特急あずさを使わざるを得ない。
当然、特急まで使っておきながら立ちたくは無いので指定席を買う。
で、駅からバスなりタクシーとなると。
実のところ上高地までの3列シートグリーンカーよりも高くつく。
八ヶ岳は交通費がかかるのが悩ましい所ね。

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