2024年9月16日月曜日

2024/9/14(土)~15(日) 御正体山

御正体山はかなり以前から「そのうち行きたい」と考えていた。
ただ東京から日帰りだと少々厳しいところもあり。
一泊できるタイミングで行ってみることにした。

※当初計画

0645 王子
0702 神田
0708 神田 中央特快高尾行
0805 高尾
0809 高尾 中央本線甲府行
0845 大月 1694円
0850 大月 富士急行線河口湖行
0916 東桂 642円

東桂駅(560)
↓1:10
御正体神社
↓0:40
池ノ平
↓0:40
林道終点
↓0:50
上人堂跡
↓0:45
峰宮跡展望台
↓0:35
御正体山(1681)
↓1:45
石割山分岐
↓1:20
石割山(1412)
↓1:00
石割の湯

石割の湯 11:00~ 900円

山中湖平野 新宿行高速バス
1225,1325,1425,1525
2時間30分 2650円(webクレジット2350円)





富士急の東桂駅から。
ローカル味のする駅。


駅前の国道に出る。
Yショップは廃業になってた。
そばに24時間営業のすき家があり、朝飯を食べていく。


山と高原地図でいうと。
東桂駅は「高尾陣馬」「大菩薩」「富士山」のいずれからもギリギリ範囲外。
国道を”鹿留入口”の信号で外れ、少し歩くと「富士山」の地図内に入る。



都留市の防災無線が熱中症予防の為で歩くな、とか言っている。
今日も猛暑日。
もう中秋なんだがな。

さて左手に見えてきたのが文台山。
踏み跡の状況によっては骨が折れそうな傾斜をしている。
以前の考えでは、『新バリエーションハイキング』を参考に、都留アルプスからあの鋸尾根を辿っての御正体山も考えていたのだが。
どうも尾根上を切り通すように掘削して林道が延伸してしまったらしい。
その為尾根上のルートが寸断され、吹付の斜面をよじ登らないといけなくなっているらしい。
身軽ならともかく、でかいザックを背負ってそれは嫌だな。

以前はこの鹿留地区も路線バスがあり、砂原までバスで入れたらしいが。
現在はオンデマンドタクシーに変わってしまった。
それでも所々バス停標識は残っていて、オンデマンドタクシーの乗降指定場所の目印として使われている模様。




道沿いの御正体神社に参拝していく。
ここまで来るともう民家もないのだが。
下草が刈られ、手が入っているのが分かる。




一般車通行止めのゲートを過ぎるとダートになり、ここから徐々に山道になっていくのかと思われたが。
ダートなのは短い区間ですぐにきれいな舗装路になる。
”山火事防止”の標識を見ると、忍野の消防団のもので。
林道としては都留ではなく忍野側の管理であり、忍野側から入ってくる道なのだろうか。



道すがらに観音様。
御正体神社から後述の上人堂跡まで無数の観音像が続く。




池ノ平の少し手前に立派な東屋がある。
ズボンは脱いで身軽なランパンになる。





まだしばらくは林道。



ここが現在の林道終点。
(地図は2018年版の「富士山」)
工事の為に延伸した模様。
進む方向が分からず、砂防ダム工事のおじさんに尋ねる。
止まっている工事車両の陰に隠れて見えなかっただけだった。
ここいらも台風でだいぶ荒れてしまったとのこと。



複数の沢が並走する中を進む。
テープもあるんだが、若干心もとなくキョロキョロしながら薄い踏み跡をたどる。


やがて沢の左岸の踏み跡が消え、左岸を進むのが厳しくなる。



ここを渡渉、だろうか?
確かに向かいの右岸にははっきりした道とテープが見える。
だがなにか妙だな。
普通徒渉点にははっきりと分かるマーキングがあるもの。
これでは向こうからこちらに渡る時に見落としてしまうだろう。


ひとまずここで水を汲む。
明日の下山までに必要な分、5.5L。
今回はここで水を汲めるのをあてにして持参していなかったので。
(結果からいうとあまり水を消費せず、最終的に3L以上捨てた)

まだ左岸を進めない事もないし、右岸の道はあまりにはっきりしすぎていて作業道ではないのか?とも悩んだが。
諸々総合的に判断し、渡渉してみる。
してみると右岸側に登山道を示す標識があり、道は上下に続いている。
おそらくもっと下の方に本当の渡渉点があり、見落としていたのだろう。






右岸に渡って少し登ると、ここが龍ノ口。
地図の水場マークもここの事を意図しているのだろう。
史跡案内看板にも、妙心上人の水垢離場だったとある。
つまりここまで降りてこないと水が得られなかったのだ。

無粋なつっこみだが。
水垢離というといかにも厳しい修行をイメージするが、
山ごもりをしている身からしらた生活の為の水汲み仕事であり、
「身を清める」というのも文字通りの……風呂なのではなかろうか。
後世の人が美化しているだけで。



龍ノ口から尾根に取り付く。
急だが土が柔らかく、所々崩れかかっている細い尾根だ。
鉄塔巡視路みたいな資材で土留めがしてあり、これが無ければ崩れて通れないだろうな。




急な尾根の途中にぽっかり開いた上人堂跡。
ここで山籠りしてい妙心上人が即身仏となり、それから御正体信仰につながったそうな。

高温多湿で腐敗が激しく、死体など忌むべき日本で、どうしてミイラを崇拝する風習が生まれたのか、不思議だ。
日本伝来以前のインドや中国の仏教に同種のものがあるだろうか?




そしてここはプリンスルートでもあり。
振り返れば富士山が……
いや、今日はダメみたい。


雨のせいか今回のルート上ではキノコが豊富だった。
特にタマゴタケは多かったな。



山梨県の標識はそれなりに新しいのだけど。
もうちょいテープ類が欲しいところもあったな。



峰宮跡からは少し鞍部へ下る。
向こうに御正体山山頂がみえた。



意外と疲れてきた。



レディースエーンジェントルメン!
エンおとっつぁん、おっかさん、
イッツ御正体!

200名山ながら滋味な山頂です。


桜はパッと散るからいい、などと言うけれど。
その反対はマルバダケフキかな。
枯れた後もずっと残って少し見苦しい。



山頂付近にはトリカブトも。



いつものように適当な場所を選んで寝床を作る。
今夜のお供は菊水の辛口。
燗にすると旨い酒だが、冷やでもいける。

湿った雨雲が山を通り、それが木の枝を濡らし、風に揺すられてパラパラと落ちてくる音を聞きながら酔っ払う。
日が暮れる頃から小雨に変わってきたようだ。


どういう訳かあまり眠れなかったのだが。
小雨は一晩中振り続けていた。
何度か稲妻も光った。
天気予報が代わっただろうか?と思うも、ここは電波がギリギリで確認できない。



一向に雨が止む気配がなく、観念して小雨の中の撤収。
7時前の出発。





小雨の山も雰囲気があっていいもんだが。
しっぽり濡れてすっかりしょげてしまう。






展望、ありません。




山伏峠分岐。
当初の予定ではここから石割山まで進み、正面にドーンと富士山を拝んでから石割の湯に降りるつもりだったが。
この天気では富士山も見えないし、濡れてすっかり意気地が無くなってしまった。
いいや、もう山伏峠から国道に降りちゃおう。

とはいえ山伏峠への下りは少し荒れた急斜面。
雨で緩んだ地面でスリップしないようだいぶ気を使わされた。
国道に降りてしばらく歩いていると、ようやく雨も止んだ。



石割の湯が開くのは11時。
少し早かったか。
ローソンの横のベンチでからあげくんをもぐもぐしてから身支度をしておく。
道志みちなのでバイカーも多い。
帰りは路線バスで吉田まで出て、鉄道でもいいのだけど。
平野から新宿への12:25の高速バスにまだ6席空きがあったので買っておく。
(のちに後悔)


石割の湯。開店10分前には行列ができる。
失礼ながらそこまですごい湯という訳でもないのだけど、割と人気ね、ここ。


サッパリしてから広間でビール。
頃合い見てから温泉を出る。


雲の切れ間から富士山が。


ミュクレバニラとはいかなるレバニラか、前を通るたび気になる。


山中湖平野のバス停で新宿行のバスを待つ。
4列シートで隣の席も人が居るだろうから、バスでの酒ははばかられる。
こいつはバスが来る前に胃に流しこんじゃおう。

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三連休の中日ということもあって、観光客で道が大渋滞。
山中湖南岸~忍野~吉田となかなか進まない。
おまけに河口湖駅前でお祭り・神輿も出ていたようで、とにかくバスが進まない。
河口湖駅まで45分の所、既に1時間45分。
既に満席で乗車予定者もいないからと、富士急ハイランドは経由せずに河口湖インターに向かう。
しばらくは快調に走っていたが、談合坂手前で渋滞ストップ。
これが嫌だから温泉や平野でのんびりせず、お昼のバスに乗ったのに……
結局バスタ新宿まで2時間30分のところ、5時間25分もかかった。
ケツが痛い。
休日の富士北麓と中央道を舐めてたわけでもないが、久しぶりなためこの感覚が鈍っていたか。
こっちに降りるなら平日でないとだめだな。
ニュースで見るような湘南とか京都ほどではないだろうが、富士北麓の観光もだいぶキャパオーバーだよ。