山には行きたいが、どこに行くかを決めかねる。
そんなときもたまにある。
最寄り駅に入り、ひとまず池袋新宿方面に向かいながら検討するか、と思ったが。
ふと鎌倉に行ってみたくなった。
鎌倉北方の天園ハイキングコースは2回ほど歩いているが、西側の山はまだだったな、と。
鎌倉大仏の前も通りかかったが、外の通りからはまったく見えないんだね。
少し戻って北側へ向かう。
中学の日本史でも習う「鎌倉は三方を山に囲われ」というとこの山とはこういう細い丘陵なのね。
ある意味その方が城壁代わりに利用しやすいのか。
限られた切通しに敵の進軍路が絞られるだけでだいぶ便利。
梵字と七福尊神とある。
現代の町名として山ノ内とか扇ケ谷とかがあるのはなんかテンションあがるね。
こっから天園にあがろうかと思ったのだけど。
人けがない……まだ拝観時間じゃない?
いや、そんなことはないはずだけど……
なんか気後れしてスルー。
地味ながらこれは立派な。
お参りしていく。
鶴岡八幡宮なんて中学の修学旅行以来だ。
実際今日も修学旅行生が大勢きていた。
奉納の酒樽。
地元神奈川の蔵が多いが、北は東北から西は伏見灘まで。
味噌とかごま油もありなんだ。
八幡宮の東側、現在の雪ノ下のあたりが幕府中枢機能のあった場所らしい。
頼朝と義時の墓。
驚くほどこじんまりとして質素。
ずっと荒れてたのが江戸中期になって、元は鎌倉の御家人であった島津家の殿様によってようやく整備されたらしい。
北条義時はさておき。
源頼朝の墓所が粗末なまま置かれていたというのは不思議に思える。
建前とはいえ、徳川は源氏の末裔を名乗っていたのに、東国に武家政権を打ち立てた頼朝を敬わなかったというのは。
しっかりした踏み跡があったので、北方の天園ハイキングコースにまで繋がっているかと思ったのだけど。
細い尾根上が岩場で通せんぼ。
踏み跡は地権境の管理用だったみたいだ。
ソーセージの焼いたのとかおいしそうではあったけど、まあ観光地価格だしね。
つまみはうまい。
でも日本の温め方はひどいもんだ。
白扇って聞かない酒だなと思ったら長瀞の蔵らしい。正一合で300円。
キャッシュオンデリバリー式で合計1000円。やすい。気に入った。
炒飯も食べたいような気もしたが、だいぶ酔ったのでそろそろ。
こういう地元ローカルな立ち食いはいいですねえ。
なにより目を惹いたのが、ここではまだ丼を手で持って食べる文化が生きてること。
近頃はラーメンを中心に丼が大型化して。
丼はテーブルに置いて食べるのが普通になった。
そうなると丼の方も手で持たない前提で作られるので、高台が短くなり。
手で持とうとしても熱くて持ってられない。
個人的には犬食いは嫌だし、丼を直接口に運んで汁をすすりたいのだ。
アジの天ぷらがあるというのがいかにも神奈川というか。
つゆは黒いが意外と塩分は控えめでほのかに酸味がある。
東京のつゆとはまったく別物だ。
そういや、神奈川のローカルな立ち食いそばを食べるのは初めてかも。
小田急の箱根そばは秦野・大倉・新松田駅でよく食べるが、あれは神奈川ローカルって感じがしないし。