201705/04~05/06 飛竜山
GWにどこにも行かないという訳には行かないだろう
どこかテントを張ってのんびりしたい
当初涸沢を考えていたのだが、4月の中旬にはもう上高地行きのバスが売り切れていた
ならば予約とかはなしで行ける奥多摩あたりで、
テントが張れて、テント場まで遠くない所……
となれば三条の湯だろう
そこから雲取にでもピストンしようか
だが連休初日の5/3、いきなり体調不良、休養日にあてる
連休はあとになるほど天候が悪くなるので、できれば5/3から行きたかったのだが
5/4
予定では
0646 新宿 ホリデー快速おくたま1号
0821 奥多摩
0835 奥多摩駅発丹波行きバス
だったが
自宅を早めに出たためか、ホリデー快速よりも一本前の中央特快に乗れてしまう
こちらだと立川と青梅で2回乗り換えが発生する
奥多摩到着は0812になる
大差ないように思えるが、ピンとひらめくものがあって中央特快で行くことにする
その理由がこれ
GW中の奥多摩駅前のバスのりばは大混雑
次のホリデー快速で来ていたならば、行列のかなりうしろのほうに並ぶことになっただろう
だがここも前に30人くらいいる、座るのは難しいかな?
この増便の車両の頼もしさ
西東京バスが営業エリア内から車両と運転手をかき集めてきたな
0835の丹波行きのバスの前に、鴨沢西行きの臨時便が出た
おかけで列が短くなり丹波行きのバスに座って行くことができる
お祭バス停で下車
丹波行きのバスではあったが、こちらも殆どは鴨沢で降りていった
皆雲取に行くのだな
お祭りバス停のすぐ先で、青梅街道を離れて林道に入る
看板には三条の湯まで10km 3時間 とある
ヤマブキとヤマツツジと
今日は休日だからだろうか
治山工事の車両も通らない
このへんのヤマツツジは赤みが強い
山の上の方にはまだ桜がちらほらと
うまく撮影できなかったけど、桜の花が舞っております
片倉橋のゲート
一般車両はこれより先には入れない
このように
登山道と見紛う作業道がそこかしこにある
(5/15追記:登山詳細図、いわゆる守屋地図の奥多摩西部を買った
一つ上の、片倉橋ゲート付近の階段は七ツ石尾根へ登る道だと判明)
去年通った時は工事中だった砂防ダム、完成していた
ダムの下も侵食しないようになってる
黒滝橋を渡って右岸へ
左手の沢になにやら
わさびの栽培かな?
落石が金網を突き破ったのか
塩沢橋
林業の人が作ったと思しき椅子があるので、ここで休憩
この塩沢橋が林道の中間地点のあたり
またここから北へ塩沢林道が続く
もっとも車両が通っているようには見えない
また地形図では途中で道がなくなっているように見えるが、奥後山へ続く登山道があるらしい
沢に下る階段と橋が見える
対岸には何か小屋のようなものが見える
御岳沢ぞいに作業道でもあるのか
林道沿いにも作業小屋が
ここの塀がベンチ代わりにちょうどいいので休憩
後山林道の終点に到着
ここから先は山道になる
山道に入ってすぐの水場
顔を洗う
きれいな色の滝壺
三条沢のいたるところに大量に生えているこの植物
小さなクロユリっぽい花だなと
帰宅後調べたところ
ハシリドコロ(ナス科ハシリドコロ属)という
キチガイイモ・キチガイナスビなどの別名から察せられるようにアルカロイド系の毒をもつ
この植物に触った手で目をこすったりしてはいけないそうだ
山の上から砂が落ちてきていて道を埋めてしまっている
慎重に通る
ここも
下の沢にテントが幾つか見える
着いたな
三条の湯に到着
高台の小屋に行ってテント泊の受付をする
2泊希望と伝えたが、受付は1泊ずつ
今日あたり混雑するだろうなとは思っていたが
時間が早かったので結構場所は選べる
一番上流側の端、ここにしよう
少し地面が湿っていて、水が出る場所なのか?
でもテントを開いたままにしても、隣がいないという魅力は捨てがたいのでここに張る
(この判断は後で後悔することになる)
テントにねっころがって頭上の新緑を眺める
両側に扉があるテントは開放感と涼しさがよい
寒い時期に使わないのなら断然これよ
少し遅い昼飯にラーメンを作る
今回荷物を少なく、シンプルにしてきたが
乾燥ワカメがあったっけ、あれを持ってくればよかったなあ
一眠りしてから目を覚ますと、いつの間にかお隣が
ツェルトとは物好きな
私もわりとツエルトを使う方だが、この時期に空気のこもるツェルトはつらいんじゃない?
温泉に入りに行こう
三条の湯は冷泉を薪で沸かしているが、泉質は極上
薪の燃える香りもまた良い
湯上がりにビールを買ってしまった
テントもだいぶ増えてきたな
小屋泊まりの客も随分いるようだ
一番奥の、開いているテントが私の
トイレは小屋の脇にしかない
20~30mは登るので、夜中に行くのはたいへん
暗くなる前にもう一度行っておく
日が落ちて、テントから見上げる風呂場の灯り
5/5
寒い
明け方は寒いものだが、それにしても思った以上に寒かった
朝食のラーメンを食べ、コーヒーをつくる
寒さの理由がこれ
これは水をこぼしたのではない
下の地面から水が沁みてきている
このせいで底冷えがしたのだ
隣のツェルトは既に撤収していたので、場所を一つずらす
昨日は少し濡れている程度だった地面がかなりビショビショになっている
昨日考えたのだが
雲取山には何度か登っている
ならばこちらからしか行けない飛竜山に登ってみるのもいいのではないかと
テントや着替え・調理道具などの重たい荷物はテントに残し、軽身で出発する
小屋の裏の急斜面を登る
中ノ尾根を越えると西に前飛竜が見える
前飛竜の手前に見える枯れた尾根が孫左衛門尾根か
中ノ尾根の西側は植生が貧弱で、ここも砂ザレとなっている
ただでさえ細い崖道が砂に埋もれてなんとも心もとない
カンバ谷の水場に到着
水場の印はあるが、沢水は岩や枯れ木に埋もれていて採取しにくい
次の水場で汲もう
ともあれここは1600m地点
1100mの三条の湯から2100m弱の飛竜山との中間点なわけだ
少し休もう
孫左衛門尾根の西側も同じような状況
砂に埋まって踏み跡があるきにくい
2つ目の水場
こちらはもっとひどい
少し沢を下って木や岩をどかさないと水が飲めない
1L持ってきているから、ここで飲まなくてもなんとかなるかな
お!?
前飛竜の隣に富士山が
先程見えた大菩薩の稜線が霞んでいたから
正直富士山が見えるとは思わなかった
北天のタルに到着
雲取から飛竜に向かう奥秩父縦走路の尾根上にあがった
だいぶ脚が疲れてきた
ここで休憩にしよう
東側
雲取から来る道と、三条からあがってくる道と
西側
なんだか雪が見えるな
向こうからやってくる人に雪の状態を聞く
アイゼンが必要な凍結箇所は無いと
正直5月の2000mあたりで雪が残っているとは思わず、アイゼンの準備はなかった
岩場
桟道
残雪
なかなかしんどい
飛竜山への近道の案内がある
さて、どうしたものか
ここから山頂への道は破線ルートとなっている
遠くても西側の実線ルートから回ったほうが安全だろうか?
ただ北天のタルから飛龍権現にいたるこの巻道、思ったよりも歩きにくくて疲れる
山と高原地図にGPSで位置確認
地図のルート上では1960mあたりなのだが、GPSはここが2000m付近であると示している
山と高原地図ってわりと細かい所はアバウトだから
GPSの方を信用しよう
ここが2000mならば山頂へ直に登ったほうが早かろう
クマザサに覆われた急斜面を登る
踏み跡は明瞭で迷うような場所もないし、危険箇所も無い
尾根まで登りきり、人気のする山頂方向へ向かう
中途半端な場所に三角点
飛龍山(2077m)到着
山頂はそれなりに広いものの、樹林に覆われて展望は無い
休憩しつつパンを食べ、さて行くかと立ち上がると気配を感じ
振り向くと鹿が
5匹の群れでした
鹿の子模様は消えつつあるけど、大人と言うほどでもない、若い鹿だ
人間を恐れるでもなく、じっとこちらを見ている
いつまでも見合っていても仕方ないし、行くとしよう
地面においていた2本のストックを「ガチャリ」と金属音を立てて持ち上げると途端に逃げていった
鉄砲はわかるの?
来た道を戻ろうかとも思ったが
飛竜権現と禿岩を見ていこうと西へ降りる
山頂で出会ったソロの女性が
「誰がここが山頂と決めたんだろう」
などと妙なことを口走っていたが、言わんとするココロは分かった
西から登ってくると登って下ってまた登ってを繰り返すのだ
そうした途中のピークを山頂だと言われても、承服しかねる所はあるのか
おまけにこっちの道、かなりヤブっぽい
シャクナゲを藪漕ぎしながら進むような道だ
6月ごろに来ればうつくしいかもしれないが
正直、東側の破線ルートの方がよっぽど楽だぞ、これは
鹿にかじられたな
飛龍権現にまで降りてきた
後ろの小さな石のお社がそれ
さて、禿岩はどこだろう
南へ行ってみる
飛竜山は展望がないが、禿岩からの眺めは素晴らしいと聞く
だがどうにも、それらしい場所がない
では飛龍権現から西へ行った方にあるのか
だが……
正直もう脚が限界に近い
天気も曇って展望は望めそうにない
ならばここまでとして引き返そう
飛龍権現から北天のタルへ向かう道は登り基調
やはりGPSが正確で、地図が大雑把だったか
山頂への近道の入口に戻ってきた
だいぶバテてきた
北天のタルに戻ってくる
もうくたびれたよ
疲れすぎて食欲が無いが
クマザサに座り込んでパンを食べ、残りの水を飲み干す
少し元気が戻ってきた
それにしてもいい所だ
風も冷たくてきもちいい
随分と疲れてしまったが、歩くペースを崩してしまったか
いや、単純に標高差1000mが今の私の限界なのか
充分に休んでから下山する
もう水が無いので、ガンバ谷の水場でなんとかしてみる
岩の隙間に手を入れて、水が流れる岩に片手をあてて、なんとか少量の水をすくう
わずかの水しかすくえないが、30回程繰り返すと喉の渇きはとれた
到着
小屋脇のベンチにへたり込む
テントから着替えを持ってきて、早々に風呂に入る
森にフォーカスをあわせた場合と
空にフォーカスをあわせた場合と
カメラのダイナミックレンジは高めに設定していても、はやり白とび・黒潰れは出る
夜
木々の隙間から月が見えた
テントを濡れる場所からうごかした為、今夜は温かく寝られた
5/6
テントも撤収し、トイレを済ませてから出発
今日はサオラ峠を超えて、丹波へ降りる
サオラ峠は1400m強
三条の湯からの標高差は300m強だが
このルートは下って・登り返しが結構ある
累積の標高差は500mを越えるだろう
だが本当の難所は天平尾根からの急降下にある
一つ目の沢で小休止
水も汲みやすい
途中の支尾根を越える所
尾根沿いに踏み跡が下へと続いている
林道終点から山道に入ったあたりで沢を渡る橋があった、あそこへ続くのだろう
作業道との分岐
作業道を行くと後ろ側右岸の道が親川バス停まで続く
これは地形図にもルートとして乗っている
この辺は作業道のくせに妙に道がしっかりしている
また砂ザレだ
2つめの沢、ガンバ沢
昨日どうにかして水を飲んだところよりもずっと下の方
ここで下山までに必要な量の水をくんでいくといい
ガンバ沢から急登
素人考えだが
この形の巣箱って、小鳥にしてみても入りにくくない?
サオラ峠はサウラ峠・サオウラ峠とも呼ばれる
漢字ではこう書くのか
遠くの高い山の急斜面にサクラ
和歌の世界では「花」と言えばすなわち「桜」のことだが
「高嶺の花」という言葉の「花」は何の花だろう
ん、
尾根上でありながらこの広い地形は
ようやくサオラ峠についたか
どっかりと腰をおろして休憩
この後の降下を想定して長めに休む
風がつめたい
以前来た時は尾根上を進んで丹波天平までいったのだっけか
今日はここから直接丹波に降りる
今回行程、ずっと携帯は圏外だったが
ここでもまだつながらない
急斜面をジグザグに下る
急斜面の細い道が崩落している
高巻きに踏み跡はあるが、例によって柔らかい砂
桟道の上に大量の砂
人間が歩くよりも遥かに重いものがのっているので
崩落しなければいいけど
ここも
滑落しようものならもう戻れないような急斜面なので、緊張を強いられる
後ろからソロの女性が追いついてきたので、広い場所で先に行かせる
「砂ザレで嫌な道ですね」
と話そうと思っていたら女性から
「気持ちいいですね」
と声を掛けられる
この冷たい風の事?道は気にならないの?
いやはや、タフな人だ
それとも私が臆病に過ぎるのだろうか
木々の合間に丹波山の村が見える
800mはくだらないといけないうち、まだ200m程度して下っていないはず
こうしてみるともうすぐにでも下山できそうな錯覚を起こすのだけど、もちろんそんなことはない
山の上から見た麓の集落というのは近くに見えるものなのだ
また距離があるのに麓まで視線が通るということは、それだけここが急斜面だということでもある
落ち葉でへりがわかりにくいのもまた難儀
ようやく安心して歩ける道になる
すぐ後ろに舗装された林道が見えるが?
まだ山道を歩くみたいだ
里山らしい植林された穏やかな道
ああ、今度こそ本当に、もう少しだ
なんだこれ
鉄のフェンスに古タイヤがリングメイルのようにくくりつけられている
山から大きな岩が転がってきた時に、畑や民家を守るための防壁なのだろう
こういうのは初めてみたな
山道終わり
畑の中のあぜ道を行く
春だな
舗装路に出る
正面の山、随分と広く崩落している
畑の中にドコモのアンテナ局があり
思い出して携帯を確認する
もちろん電波は拾えている
あそこも崩落している
しかも民家に近い
山間の集落はたいへんだ
ガソリンスタンドの裏から青梅街道に出る
ここは丹波山村の中心地
青梅街道沿いであり、古い宿や建物なども幾つか残っている
昔の旅人はこの道を行き、大菩薩峠を越えて塩山にでたのだ
今は柳沢峠を越える車道が通っている
丹波のバス停に着くと、先に行ったあのタフな女性がくつろいでいた
もう12:02のすぐにバスが来るが
せっかく丹波山に降りたのだから温泉に入っていこう
丹波バス停から3つ、道の駅のバス停
道の駅丹波山
の裏手にのめこい湯という日帰り温泉がある
三条の湯とは比べるべくもないが、ここの泉質も悪くはない
湯上がりに食事をと思ったけれど
昼時とあって食堂が混み合っている
ならばいいや、13:30のバスで帰るとしよう
私の70Lザックが一番でかい
道の駅で食堂に入る時間は無かったが、
店先で焼いていたヤマメの塩焼きと鹿肉ソーセージを買って食べた
ヤマメはなかなかおいしくて、頭まで食べられる
バスは混むかな?と思いきや
2台の臨時バスが鴨沢の登山者を拾って先行しているお陰でゆったりと座っていけた
バスは13:25に奥多摩駅に到着
駅周辺で飯を食う間もなく13:30の電車で帰った
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今回の会計
電車代 都内~奥多摩 1080円×2
バス代 奥多摩駅~お祭 760円
バス代 丹波山温泉~奥多摩駅 1010円
山小屋 テント泊+入浴 900円×2
山小屋 ビール500円×2
山小屋 コーラ300円
山小屋 トイレチップ200円
道の駅 温泉600円
道の駅 飲み物550円
道の駅 ヤマメと鹿肉ソーセージ 900円
合計9280円
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持参食料の結果
サッポロ一番塩ラーメン 5食 →完食
インスタントコーヒー 10杯分 →4つ残し
亀田の柿の種(梅しそ味) 小袋6つ入り →2つ残し
フルーツグラノーラに麦チョコを混ぜた行動食 300g位 →ほとんど残し
チーカマ 4本 →完食
5/4の朝に買ったパン3つ →完食
柿の種とフルーツグラノーラは非常食でもあるので残すことを前提にしてある
概ね計画通りに食べられた